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転生・後半

 山賊を無力化(一人殺害)した俺は可能な限りの情報を引き抜いた。

 結果、俺はここがサジタリア王国という国とレオル帝国という国の国境付近という事が判明した。俺が歩いていた方向には国境を守るベアード砦というところがあるとの事だった。

 ……サジタリア王国もレオル帝国も聞いたことがない。他にも貨幣に関してや主な武器、更には魔法という存在も判明し結果的にここが異世界の可能性が出てきた。銃を未知のものを見るような目をしていたためこれは確実だろうな。とはいえそう言う事なら俺は追撃の心配もなく自由に動けるという事だ。俺を作った組織のせいで追われる身となった俺だがここならその心配はない。好きに出来るという事だ。

 山賊に関しては情報を聞いた後は解放したため彼らはレオル帝国の方へと逃げていった。俺が向かっている方向と同じ方向に逃げるのは嫌だろうしな。


 そうして俺はとりあえずベアード砦に向けて歩き始めたが直ぐにあらたな出来事に巻き込まれた。俺の後方から喧騒が聞こえてきたのだ。それと同時に蹄の音、誰かが馬に乗ってこちらに向かってきている。

 俺は双眼鏡を取り出し確認する。すると緑の体をした化け物に騎士風の三人が襲われていた。金髪の女性を先頭にその後ろに二人の騎士が続く形の彼らを十は超える化け物がその後ろから襲い掛かっている。化け物は馬と並走するくらい早く、いや馬がかなり遅い為化け物に追いつかれている。

 そんな風に見守っていると遂に騎士の一人が化け物に捕まり馬から落とされた。そこを残りのバケモノが一斉に襲いかかっている。血しぶきを上げている様子からあの騎士は助からないだろう。

 とはいえこのままいけば俺とあの騎士、化け物はぶつかるだろう。そうなれば化け物がこちらに狙いを変更する可能性がある。そう思った俺は直ぐに行動を起こした。テロリストが開発していたスナイパーライフルを構える。スコープから化け物を確認した俺はその内の一体に狙いを定め引き金を引いた。破裂音のような音と共に弾丸が勢いよく飛び出し化け物の頭にぶち当たった。化け物は呆気なく頭部を吹き飛ばしその場に倒れ込む。突然の事に驚く騎士と化け物だったが直ぐに俺が放った第二射が命中する。

 そうして残り八体もヘッドショットで殺していき騎士がここまでくる間に化け物は全滅していた。


「何方かは存じませんが助けていただきありがとうございました」

「いえいえ、こちらに向かっていたようなので対処をしただけですよ」


 実際その通りだが騎士にとってみれば窮地を救ってくれた恩人に見えるようだ。


「私はサジタリア王国東部辺境騎士団団長のレナード・ウィルトニアと申します」

「俺は鈴木和人だ。……あ、名前は和人で性が鈴木だ」

「あ、そうだったのですね」


 名前の響きから西洋の様に名前と性が逆の可能性があったから一応補足したがやっぱりそうだったらしい。それにしても騎士団長か……。見た目はどう見ても10代後半から20代前半なのにな。東部”辺境”騎士団と言っているからこの騎士団の地位が低いからなしえたのかそれとも親のコネか、はたまた実力からか……。少なくとも感じる覇気から実力を兼ね備えている事は間違いないな。


「……もし、宜しければ私達の砦でお礼をしたいのですが」

「もしかしてベアード砦ですか?」

「はい、そこは東部辺境騎士団の本部なので」

「それはちょうど良かった。俺はそこを目標に向かっていたので助かります」


 こうして俺はベアード砦に入れる機会とこの世界で初めての権力者と思われる者との接触に成功するのだった。


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