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0年:サジタリア王国により周辺諸国が統一。

1年:サジタリア王国が統一歴を発布。既存の暦が廃止され統一歴となる。

104年:レオル帝国独立

 アレフの街は中央に分断するように街道が通っている。南東部には商業区や平民が住む住居が点在しており北西部には貴族や金持ち等の居住区に行政などを司る部門が立ち並んでいる。

 俺たちは南東部を中心に見て回っている。ぶっちゃけ北西部に行っても見るべきところなんてそんなないしな。


「軍が通過したおかげか昨日よりも落ち着いているな」

「そ、う?」


 周りを見ながらつぶやいた俺にナタリーはよく分かっていないのか首を傾げている。ナタリーはあまり周囲の変化に気付かないタイプのようだ。俺はそう言うところも強化されているからか敏感に感じる。昨日は民衆の間に熱気が籠っていたが今は普段通りの生活をしているように感じる。漸くアレフの街の本当の姿が垣間見えた気持ちになる。


「さて、今日はある所に行こうと思っている」

「……何処?」

「それはな。図書館さ」


 図書館。そこはまさに知恵の叡智が詰め込まれた神聖な領域だ。流石に現代の様になんでもそろっている訳ではないと思うが知識を手に入れいるにはこれ以上ない最良の場所と言える。最初から向かっていれば良かったと思えるほどだ。何で今日の朝に思いついてしまったんだろうな。


「……ある、の?」

「さあな。あっても入れるかは分からないけどその場合は諦めて別の所に行こう」

「……行き当たり、ばったり」

「あははは」


 ナタリーの非難の視線に俺は苦笑いを浮かべる。確かに行動を立てて行動するより思いつきで行動する事の方が多いように思える。俺もきちんと行動するように気を付けないといけないか。

 そんな事を思っていた時だった。後方より圧倒的な圧を感じた。俺はナタリーを気にする事も出来ずに大きく前方に倒れ込むように前に出た。そして体制を立て直し後方を改めてみる。俺のいた位置からほぼゼロ距離にそいつはいた。真っ赤な髪をゆらゆらと炎の様に揺らす男。そいつからはナタリーと同じ力を感じた。

 つまり


「……勇者」

「へぇ、まさかナタリーの従者程度に見ていたがどうやらそうじゃないみたいだな。もしかしたら俺と同等かもな」

「……」


 サジタリア王国が誇るという勇者、ハバト・マケイラが立っていた。


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