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暗闇で見張る者

二か月ぶりの投稿です

「ふう」


 アレフの探索を終えて宿に戻ってきた俺は一息つく。ベッドの上ではナタリーがうつ伏せで寝転んでいる。時々足をパタパタさせているがその仕草が可愛いと思ってしまう。これも性行為を行った結果かな?


「戦争しているせいか微妙に浮ついてたな」

「そう、だった?」

「ああ。多分戦争で勝った時の事を考えているんだろうな」


 スコルピオン帝国への侵攻は領土を奪うためではなくどちらかと言うと略奪がメインの気がする。国境を超えて直ぐに村や町を襲撃して直ぐに撤退する。恐らくその程度だろう。首都まで行って自国の旗を華が得るまではしないはずだ。戦争の準備を整えている国相手にそれは危険すぎるからな。


「明日はどうするかな」

「王都、行く?」

「いや、流石にもうちょっとここに滞在しようぜ。こんだけ大きい都市なんだから今日見ていないところに掘り出し物があるかもしれないだろ?」

「……そう?なら、行く」

「よし、決まりだな」


 明日の予定を決めた俺はベッドで横になる。そんな俺の懐に潜り込んでくるナタリーは猫の様に体を丸めるとあっという間に寝息を立て始めた。

 闇の勇者なんて言われているがこうしてみれば普通の少女と変わらないな。俺は襲ってくる眠気に抗う事なく身を預けながらそんな事を考え眠りについた。




















「いるな」


 一部の区域を除き暗闇に支配されるアレフの町。そんな街のとある家の屋根に立つ一人の男の姿があった。炎の様に揺れ動く真っ赤な髪、高温の熱が如き橙色の瞳。引き締まった体からは敵対者を威圧させる圧が込められていた。そんな彼は眼下のアレフの街を見ながらそんな事を呟いた。


「一人ではなく、二人……か。あいつ(・・・)にしては異常とも言える行動だな」

「あいつ……、ですか?」


 そんな男の背後より疑問の声を上げる人物が一人いた。黒い髪を肩にかからない程度にそろえた理知的な女性である。そんな女性の疑問に男は笑みを浮かべて答える。


「ああ、これまで人との関りを拒み城に籠って出てこなかったあいつが|ここ|《サジタリア王国》にいてしかも連れがいるんだぞ。十分異常と言えるだろ」

「……それだけを聞けばそうですね。それでいかがなされますか?排除、しますか?」


 女性の言葉に周囲の空気は重くなる。しかし、男は軽い口調で返した。


「いや、怠惰を貪っていたとはいえあいつも勇者(・・)だ。こんな街の中でおっぱじめる訳にはいかないだろ。……とは言え奴らの目的を知ってい置く必要があるな」


 平時ならともかく今は戦時だからな、と心の中で呟く。サジタリア王国の守護者として男は無視するわけにはいかなかった。


「ジェーン。夜が明けたら接触する。万が一に備えて後方から何時でも動けるようにして置いてくれ」

「分かりました。ハバト(・・・)様」


 女、ジェーンの言葉に笑みを浮かべた男。サジタリア王国の勇者ハバト・マケイラは屋根から飛び降りアレフの闇に溶け込むようにその姿を消した。


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