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ベアード砦攻防戦5

「ば、馬鹿な……!?」


 オーガは血を吐きながらあり得ないという表情で叫ぶ。ナタリー・ダークネスの突きは心の臓を的確に貫いており血を大量に噴き出していた。


「……弱い」

「ぐっ!」


 ナタリー・ダークネスは手を引き抜きそれによりオーガは膝をつきその場に倒れこんだ。敵将、それも幹部クラスの敵を屠った事でこちらの兵の士気は上がった。


「ぐっ、……きさま、何者だ!」

「……ナタリー、ダークネス」

「……そうか。まさか餌としか思っていなかった人間にもここまで強い者がいたとはな」

「当然」


 オーガは上空を見ながらそんな事を言う。段々とオーガから生気が抜けていくのが分かる。恐らく数分もしないうちにオーガの命は潰える事となるだろう。


「ナタリー・ダークネスよ。貴様の様な強者に、殺される事、を。我は、誇りに思う……ぞ」

「……別に、誇り。じゃ、ない」


 命が尽きたオーガにナタリー・ダークネスは眉を潜めながらそう言った。

 ……さて、ここからは俺たちの出番だな。俺は壁の上に立ち高らかに叫ぶ。


「敵将!闇の勇者、ナタリー・ダークネスが討ち取ったぞぉ!」

「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」」」


 俺の言葉に騎士たちは声を上げた。敵のゴブリン達は明らかに動揺している。後方の敵に至っては逃亡している奴すらいる。これは追撃するチャンスかもしれないな。

 俺はレナードさんに声をかける。


「レナードさん。今のうちに敵の戦力を削っておくべきだ。今なら敵の指揮は混乱している」

「ええ、そうですね。門を開けよ!全軍で魔王軍に突撃するぞ!」

「「「「「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」」」


 レナードさんは数十名の騎兵と共にいの一番に突撃する。その後に続くように歩兵たちが槍や剣を持ち突撃する。俺も刀を手に歩兵に混じって続く。ゴブリン達は逃げ出したり交戦したりとまとまりに欠けていた。


「ギャッ!?」

「イテェヨォッ!」

「チクショウ!」


 近場のゴブリンを一刀で殺しながらレナードさんの後を追っていく。レナードさんは混乱するゴブリン達を殺しながら敵の中を進んでいく。騎兵が孤立しないように後方からは俺を含めた歩兵が必死で付いていき退路の確保を行う。

 ……いや、たい路の確保ではないな。レナードさんが開けた穴は既に開ききり修復は不可能といえる所まで来ている。後はゴブリンが逃げるかこちらが殲滅すれば勝利だ。どちらの事象も起こりうるし既に時間の問題だろう。それまでは武功を稼ぐとしますか。


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