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困惑

「それで、良いよ」

「え?」

「?」


 予想外の返事に俺は思わず間の抜けた声を出す。まさか約束を反故にして自分だけ逃げたりしないよな?そうなったら全力で逃げるけど。


「本当にいいのか?約束を反故にして逃げたりしないよな?」

「む、心外。……大丈夫、ちゃんと戦う」

「……こう言っては失礼かもしれないけど敵国の為に戦うなんてな」

「別に、好きであそこ(レオル帝国)に、いる訳、じゃない」

「そうなのか?」

「うん」


 以外だ。てっきり国に忠誠を誓っているとばかり思っていたが……。

 まぁ、完全な信用は出来ないが今は信用するしかないな。

 俺はレナードさんから予め渡されていた牢の鍵を使いナタリー・ダークネスを開放する。ナタリー・ダークネスは相も変らぬ無表情で俺を見てくる。……ちょっと、恥ずかしいんだが……。


「……不思議」

「ん?どうした?」

「初めて会った時も?そうだった。人間じゃないみたい」

「っ!」

「人間よりも強い?頑丈?そんな感じ」

「……そうか」


 本当に勇者ってのは何でもありだな。まさか見抜かれるとは思っていなかった。正直この体には感謝こそすれあの組織には感謝の欠片も無いからな。あいつらのせいで自衛隊に追い回される羽目になったからな。


「それで、どうするの?」

「簡単だ。襲い掛かって来る魔王軍を片っ端から倒す。お前は好きに暴れてくれて構わない。ただしこちらに被害がないようにしてくれよ」

「……ん、分かった」


 ナタリー・ダークネスは淡々とそう答えた。正直無表情のせいで何考えているのか分からないがこの際しょうがない。


「ま、魔王軍だ!魔王軍が来たぞぉっ!」


 俺が地下牢から出てくるのと同時にその声と敵の接近を伝える鐘が鳴り響く。どうやら魔王軍がやってきたようだな。俺は後ろにナタリー・ダークネスに話しかける。


「準備はいいか?」

「勿論」

「よし!ならこれより、開戦である!」


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