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教会

祝200話!

こんな小説を読んでいただきありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします

 教会での手伝いも半年行っていれば慣れてくる。最初は覚束無い動作だったナタリーも今では助祭の補助を行えるまでに成長していた。


「ナタリーさん、申し訳ありませんがケラース郊外のアロ村に向かって貰えますか?」


 助祭は申し訳なさそうな声と表情でそう告げる。最近は和人の事が気になりすぎて心ここにあらずの状態が多くなってきている彼女に対して頼むようなことではないと思いつつも現状の人員では適切だと判断した結果だった。


「実はそこの村で魔物が出現したらしいのですが、討伐をするはずの騎士団は先の戦争で被害が大きく動けません。しかも村人では対処出来ない程強いらしく申し訳ないのですが代わりに討伐をして欲しいのです」

「……」


 助祭の言葉に対するナタリーの返答は首を左右に振ること。拒否だった。しかし、それは助祭とて分かっていた事であり、次の言葉を続ける。


「アロ村には私たちの教会の支所が存在します。見捨てるわけにはいきません」

「……」


 それでもナタリーの返答は変わらない。無言のまま首を左右に振るだけだ。


「……どうしても無理ですか?」

「……和人が心配」


 ぽつりとつぶやいたその言葉がすべてを語っていた。今のナタリーにとって和人の傍にいることがとても重要な事だったのである。

それは勿論助祭とて理解している。しかし、今の教会にとっても重要なことであるために譲歩するわけにはいかなかった。


「分かりました。ですが私たちとしても見捨てるわけにはいかないのです。なので一つ情報を。その村の近くではとある薬草が採取されます。それがあれば和人さんに飲ませる事も出来るでしょう。覚醒に至るかはわかりませんがこのまま何もしないよりはマシだと思います」

「……」

「魔物がいる限り我々では近づくことはできませんしナタリーさんもどれが薬草かはわからないでしょう? 村の人に案内を頼むのが一番いいですがそのためには魔物を倒す必要があります」


 効くかは分からないが試してみる価値のある薬草。ナタリーは少し考えると今度は首を縦に振った。それを見た助祭は嬉しそうに笑みを浮かべるのだった。

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