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神の試練~ダンジョン攻略⑬~

 ミノタウロスの攻撃は腕でも斧でも俺にとっては即死級の一撃だ。攻撃の余波の衝撃波だけでも大分ダメージを受ける。完全に避ける事は出来ない以上相手が攻撃をするたびに衝撃波のダメージを受ける事は確定的だ。そうである以上長期戦になればこちらが不利になる。ダメージを受け続けて動きが鈍く成ればいずれミノタウロスの攻撃が直撃する。そうなれば待っているのは肉塊か砕け散った肉片のどちらかだろう。

 それを避けるためにも俺はミノタウロスに攻撃を仕掛ける。周囲にいた魔物は半分まで減っている。更に俺を攻撃しようとミノタウロスが動けばその数はさらに減るだろう。


「っ!」

「ーーーーーーーーッ!!!!!」


 俺はミノタウロスの頭部、目のあたりに向けて火の玉を投げつける。剛速球で飛んでいくそれだが距離があるため途中で失速。当たる前にミノタウロスに避けられた。意外と俊敏に動けることが分かったがこんなのはただ討伐を困難にさせるだけだ。知らないでカウンターを喰らうよりはずっとマシだが。


「ふっ!」

「ーッ!?」


 だがあくまで火の玉は囮だ。俺は火の玉を投げると同時に別の光る球を生み出し避ける方向に向かって投げた。避けたばかりのミノタウロスだがそこから避けようとしたところで球は破裂し強大な光を生み出した。それをがっつり見ていたミノタウロスは目を閉じて両手で抑える。だがばっちり見た以上失明、まではいかなくても暫くは目を潰しただろう。

 そして目をやられた事でミノタウロスは暴れ始めた。誰も近づけないという勢いで拳を縦横無尽に振り下ろしているが俺に当たらない。むしろ味方の被害を増やしている。このままでいれば全滅させる事も出来そうだがその代償はミノタウロスの復活だろう。故にここで畳みかける!

 俺は無差別に振り下ろされる拳に注意しながらミノタウロスに接近する。足元に到着した俺は初球魔法で風属性の魔法を使い突風を下方向に向けて放つ。イメージ的にはロケットの打ち上げみたいなものだろうか。

 とは言え勢いはそれほど強くはなくギリギリミノタウロスが着ている腰布に手が届くくらいまでしか出来なかった。これなら立ち幅跳びの要領で飛んだ方が楽だし確実だったかもしれないな。

 そう思いつつ俺はミノタウロスの体を登っていく。体に触れる感触で分かったのだろう。ミノタウロスは体に止った蚊を潰すように手を広げて俺を押しつぶそうとして来る。ここが身動きが取りにくい場所だ。避けるのは不可能に近い。勿論ここからどうするかは決めている。

 俺は体を蹴り手の方に飛び手のひらに着地する。そして、丁度近くにあった薬指に刀を振り下ろす。やはり抵抗すら感じない程滑らかに刀は薬指を両断した。


「ーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」

「うおっ!?」


 指を切られた痛みでミノタウロスは俺を吹き飛ばそうと手を乱雑に振り回す。そしてしばらくするともう片方の手で切り落とされた部位を抑えようと近づけてくる。その為に動きが止まった瞬間を狙い俺は腕に飛び乗るとそこから頭部に向けて走り出す。そんな俺にミノタウロスが気付くもその時には既に手遅れだ。

 俺は首のとある場所、人間なら血管が通っている箇所に向けて刀を根元まで突き刺し正面の方に向けて横なぎに払った。


 瞬間、俺の視界は一色に染まった。


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