表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/249

神の試練~ダンジョン攻略⑫~

 俺が近づいた事でミノタウロスは斧を振り下ろしてくる。刃物の部分だけで俺の身長を超えるそれを、飛び跳ねるように右に避ける事で回避する。しかし、巨大な斧が振り下ろされる事で発生する衝撃波は俺の体を軽く吹き飛ばしてくる。上空にいた事もあり俺の体はいともたやすく飛び上がった。

 そして落下予測地点にはこちらを見上げ、武器を構えている魔物の集団。あそこに落ちれば呆気なく串刺しとなり僅か20にも満たない俺の人生に終止符が撃たれるだろう。勿論、当たればの話ではあるが。


「ふっ!」


 空中で素早く態勢を整え落下に備える。俺が近づくタイミングで槍や剣を突きだしてくる魔物たち。俺は武器の合間を縫う様に身をよじりその動きで産まれた回転を利用して俺の周囲の魔物を切り刻む。突然の事に切り刻まれた魔物たちは何が起きたのかさえ分からずに絶命し周りの魔物も茫然としているが俺にとってそれは大きな隙だ。

 先ずはミノタウロス方面にいるオークの首に刀を突きさす。抵抗すら感じずにすんなりと刺さる刀に少し不安を感じるも横に振り払い刀を抜き取る。同時にオークの首より大量の血が噴き出すがそれを見る事無く次の魔物に刀を向ける。

 1体、2体、3体と切り殺していくと巨大なミノタウロスが再び動き出した。なんとミノタウロスは味方を巻き添えにする覚悟で斧を振り下ろしてきた。俺はそれを察知してその場から転がるようにして離れる。瞬間、訪れる衝撃と血しぶき。周辺にいたオークとオーガが肉塊へと変貌し周囲を2種類の血で染め上げる。

 しかし、ミノタウロスの攻撃はこれだけでは終わらなかった。地面に刺さった斧から手を離したミノタウロスは右手を振り上げると俺に向かって振り下ろしてきた。かなりのスピードと威力があると思われるそれは斧の攻撃と大差ない脅威だった。とは言えそれを避ける事は簡単だ。衝撃波を受ける事は免れないが。


「くっ!」


 衝撃波が俺の体を襲う。骨が軋み全身に激痛が走る。衝撃波だけでこれである。直撃を受ければ痛みすら感じる事もなく即死するだろう。実際、俺の近くにいたオーガの体は拳の直撃を受け圧死している。


「ーーーッ!!!」

「ちっ!」


 俺が避けた先にいたオークが肉切り包丁のような武器をこちらに振り下ろしてくる。それを紙一重で避けると前のめりになったオークの首を切り払う。骨の感触すら一瞬しか感じない程の切れ味。まるで断面図を見せられるようにきれいに切れたオークはそのまま前方に倒れた。

 これで凡そ半数を倒した事になるだろう。大半がミノタウロスの攻撃でだが確実に数は減ってきているがそれは俺の体力も同じだ。この巨体を相手に持久戦は厳しいしその前に俺が無事ではすまないだろう。

 俺はこの戦いに決着をつけるべくこちらを見下ろすミノタウロスに向かってもう一度駆けだすのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ