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神の試練~ダンジョン攻略⑨~

 右の通路を進んでいるがどうやら当たりだったようだ。

 通路を進んだ先に現れたのは宝物庫と思われる一室。金銀財宝が棚から溢れるくらいに存在している。宝箱も10は超える程存在している。一般的な価値観ならこの財宝を持っていこうとするのだろうな。それだと動きは鈍くなり殺される確率が高い。それに取った影響でより凶悪な敵になる、という可能性だってある。あのアポロン神ならやりかねないだろうな。

 故に俺はいつも通り慎重に対応をして宝箱を1つ1つ開けていく。


「まずは……、うわ!?」

「ーーーッ!!!」


 宝箱に剣を突き刺すと急に震え体液を噴き出した。いきなりミミックだったらしい。俺の突きを喰らい絶命したようだ。奇襲能力は高いがそれ以外の能力は平凡以下というミミックは奇襲さえ気を付ければ問題ない相手だ。


「次は……。当たりか」


 曲刀を突き刺してすぐに感じる硬い感触。どうやらそれなりにデカいものが入っているようだ。宝箱を開ければ少ない装飾が施された立派な盾。なんでも切り裂ける曲刀に当たったのに傷一つついていない事からも飾り用ではない事が分かる。もって見ても重さはそこまでなく左手に付けて防御に使えそうなくらい有能だ。何なら背中に付けて背後からの奇襲にも役に立ちそうだ。


「3つ目は……。駄目か」

「4つ目……。これもか」

「5つ……」

「6つ……」

「7……」

「8……」

「……」


 結局それ以外はミミックだった。残りは1つ曲刀を突き刺せば肉を切る感触はなく堅い物に当たった後の空虚な感触。本物で間違いないようだな。中身を確認すると入っていたのは一振りの刀だった。綺麗な湾れ刃(のたれば)が特徴的な逸品だ。この世界に持ってきた俺の刀に勝るとも劣らない。そしてこのダンジョンにあるという事は能力も一級品で間違いないだろう。早速虫眼鏡を用いて確認する。


【無名刀】

【アポロン神がダンジョンの為に作り上げた刀。切れ味、耐久性共に他の追随を許さないが刀に名はなく世に広まる可能性は限りなく低い】


「やはり最高の一品だな」


 刀が好きな物にとっては色々とみるべきところがあるのかもしれないが俺にとって刀は戦いの相棒だ。求めるのは切れ味と耐久性、そして扱いやすさだ。それ以外は二の次だ。

 早速腰に差し、ゆっくりと引き抜く。曲刀とは違った、まるで最初から持っていたかのように馴染む。一振り、二振りと刀を振れば小気味よい音を立てる。俺は刀を仕舞うと息を吐く。曲刀も悪くはなかったが刀とは違い扱いなれている訳ではない。これからのダンジョン攻略でとんでもないミスを犯しそうな気がする。それよりは使い慣れた刀を使った方が良いだろうな。

 とは言えこれで俺の装備は潤った。移動・行動の制限にならない軽くて頑丈な盾。能力は未知数なれど使い慣れた刀。あらゆる物を鑑定できる虫眼鏡。そしてダメージを受けても回復できるポーション。ここまで装備を整えさせられている事に若干の不安を感じるがここまで来た以上絶対にクリアしたいと決意を再確認して部屋を後にした。


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