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対神聖ゼルビア帝国戦争Ⅳ~ライオネス街道野戦Ⅱ~

視聴者の皆さんのおかげで総合評価が200を超えました。これからも「人体強化人間の異世界旅路」をよろしくお願いします

「フハハハハハ! どうした! この程度か!」

 マーグ侯爵当主アルバンス・オー・マーグは鉄で出来た槍を縦横無尽に動かしながら神聖ゼルビア帝国の兵士を刺し殺していく。マーグ侯爵が総大将を務める諸侯軍1万と神聖ゼルビア帝国の1万の戦闘はマーグ侯爵側有利で進んでいた。敵陣の奥深くまで突き進んだマーグ侯爵はぶつかってから変わらない敵兵に嘲笑する。


「ここまでくれば敵の精鋭と相まみえる事が出来ると思ったのだがどうやら見当違いだったようだな」


 マーグ侯爵はそう言って(神聖ゼルビア帝国)を貶す。彼にとっては強敵と戦えれば十分だが弱者を相手にするのは面倒でつまらなかった。今、神聖ゼルビア帝国の兵士はその弱者としてマーグ侯爵の中で分類された。


「父上! そんな事をおっしゃらずに。弱者を一方的に殺すというのはとても楽しいですよ!」


 しかし、マーグ侯爵とは違いその息子であるマーグ侯爵子息は強者との命の削り合いより弱者を一方的に殺す事を好んでいた。自分を見て恐怖し、逃げる兵。槍や剣を突き出しても簡単に弾ける程度の力量。そんな兵を殺す事をマーグ侯爵子息は趣味としていた。

 その行いは狩りの様であり安全と言える場所や地位から一方的に殺す。時にはサクッと殺し、時には時間をかけて嬲り殺す。それが彼の最大の趣味にして好みだった。

 とは言えここは戦場。趣味を全開にする倅に対してマーグ侯爵は呆れる。安全でもない場所でそんな風に思っているのは自殺行為に等しかった。


「息子よ。もう少し周囲の敵に気を付けろ。弱兵とはいえ四方八方より攻撃されれば流石に回避や切り抜けるのは難しい。特にお主は我が嫡男なのだ。その身を大事にせよ」

「父上……。分かりました! 父上の子として父上より先に死ぬような事をいたしません!」

「よく言った! では、我らが勝利の為にもうひと暴れするぞ!」

「はい!」


 二人は自分たちの武器を振るい神聖ゼルビア帝国の兵士を殺していく。それに触発されるように彼らの兵も敵兵を殺していく。

 後の世にライオネス街道野戦と呼ばれるようになるこの戦いの序盤はマーグ侯爵の活躍により右翼は敵を大きく押し込む形となるのだった。


挿絵(By みてみん)

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