表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/249

デネブ・アルゲディ攻防戦4

亡者の津波ヴェイザー・ナルヴァヴィルですか……。随分と古い魔法を用いるのですね」

「こういった場合には効果は絶大だからな」


 部下の魔族の言葉にフリードリフは簡潔に答えた。亡者の津波ヴェイザー・ナルヴァヴィルは発動時に込められた魔力の分だけ指定された場所にゾンビなどのアンデットを召喚する魔法である。しかし、一体のアンデットを召喚するのに膨大な魔力を必要とするためクレイナスは本来なら数年で発動するはずだったが十数年もの時間を要してしまっていた。

 しかし、フリードリフは魔王に匹敵する魔力を保有しており簡単に発動する事が出来た。それだけではなく上位の存在であるデュラハンの召喚すら可能にしていた。

 悲鳴が聞こえてくるデネブ・アルゲディの方を冷めた目で見るフリードリフ。


「クレイナスが王都西部の村で発動したと聞いたが完全に場所を間違えていたな。こういう魔法こそ王都で行うべきだった」

「十数年の潜伏が無駄になったのですね」

「そうだ。全く、この術を教えてやったと言うのに無駄にしやがって……」


 フリードリフは吐き捨てるように言った。ヴァープの推薦で彼女、クレイナスは”魔国残党の性奴隷”から魔族となって幹部へと上り詰めた。あのクソ野郎を上手く誑し込んだな、と当時は思っておりその気持ちは今も変わっていなかった。それ故に彼女に魔法を教える事に忌避感があったが仕方なく教えていた。その結果がクレイナスの死亡なので教え損だとフリードリフはいら立った。


「どちらにしろデネブ・アルゲディは終わりだ。デュラハンも召喚できた以上精鋭を失ったやつらに勝てるわけがない」

「……万が一という可能性もありますが」

「だからその”万が一”を確実に消すのだろうが」


 フリードリフはそう言うと後方を振り向き魔法を使用中の魔族たちを見る。


「魔法攻撃停止せよ」

「攻撃停止!」


 フリードリフの指示に従いピタリと魔法がストップする。彼らは直立不動になりフリードリフからの新たな指示を無言で待つ。


「これより我らは敵の最後の抵抗を挫くために”決戦魔法”を発動する。その準備に取り掛かれ」

「「「はっ!!!」」」


 フリードリフの命令に彼らは威勢よく返事をするのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ