表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/249

吸血鬼軍団との死線・参

 左右から向かってきた吸血鬼の攻撃をしゃがむ事で避ける。同士討ちを避けるためか剣と剣がぶつかり合い甲高い音を立てる。これなら剣にのみ負担がかかるから同士討ちは避けられるのだろう。こちらにしてみれば嬉しくない状況だが。

 とりあえず右側の吸血鬼にフルパワーのパンチを繰り出す。俺の拳は見事吸血鬼の腹にめり込み内臓や骨を破壊する感触が伝わって来る。しかし、普通の人間なら確実に貫通していた俺の攻撃は腹にめり込むところで止っていた。吸血鬼が人間よりも堅い存在と言う事が判明したがさすがに完全に防ぐことは出来ないようだ。


「ぐぁ、ぁ……」

「まずは一人!」


 体の内部を破壊され、その場にうずくまる吸血鬼の頭を思いっ切り踏み抜く。堅い物を砕く感触を感じた後に柔らかい物を潰す。頭部を完全に破壊した俺はその場を離れる。そこを先ほどとは別の吸血鬼が槍を持って襲い掛かってきていた。


「ぐっ!」


 そうして攻撃を加えようとした時、俺の背中を炎が襲った。柔らかいボールが高速でぶつかる感覚の後に背中に焼ける痛みが走る。魔法によるロングレンジ攻撃でさらに続けて氷の槍と雷が向かってくる。これを動き回る事で避けていくが背中に受けた攻撃のせいで痛みが走る。我慢できない事はないが何発も喰らう事は出来ないし長時間の戦闘も無理だ。

 ステージの方からはイベントが始まっている様で歓声が聞こえてくる。そのせいかこちらの異変には誰も気づいていないようだ。……もしくは吸血鬼にありがちな洗脳を受けてこちらの異変に気付かないようにされているのかもしれない。どちらにしろ現状は俺一人で対応するしかないという事か。


「ヴァープ!よく狙え!避けられてるじゃねぇか!」

「そう思うのなら無策で突撃させるのを止めさせろ!味方に魔法が当たるぞ」

「そうならないようにアイツに当てろ!」

「無茶を言うな!」


 俺に対して攻撃を繰り出しながらマインラートが吼える。内容は仲間同士でいがみ合う形となっているがそれで同士討ちに発展してくれないかなとは少し希望を持ち過ぎか。現状だと相手は脱落者は一名のみ。だが俺によって成すすべなくやられている事を考えれば同士討ちに走る可能性は皆無だろう。それに、そんな事をするような奴をこの場に連れてくるはずがないからな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ