天使の降臨祭・メインイベント4
「っ!」
ぬるぬるした液体が付いた取ってを掴んだ1番は上手くつかめずに滑り、広間へと落下していった。後半に設置された滑りやすいトラップに見事引っかかったのである。これにより一位は二位だった6番の女性に繰り上がった。
現在の順位は6番、3番、5番、7番、8番となっている。7番と8番の間には大分距離があり普通だったらここから挽回するのは難しいだろうという距離だった。ナタリーを応援していた観客も今ではもう勝てないと諦め残った四人を応援している。
そんな優勝を目指している四人は熾烈な争いを繰り広げていた。6番が液体のついていない部分を掴もうとしている所を3番が後ろから押したりそんな3番の足を5番が引っ張ったり、機会を伺う7番など……。優勝を目指す四人は何としても先に進もうとしていた。
「……もう現界よ!」
ついに耐え切れなくなった7番が団子状態の三人を抜き、一番に躍り出る。下の観客たちは逆転した7番に完成を上げ他の参加者を応援する声も上がる。
「あー!行かせるか!」
「しまった……!」
立てる場所まで来た7番に向かって3番が体当たりするように接近する。しかし、3番は足を置いた場所が液体のついている部分であったために大きく滑る。突然の事に驚いた3番はそのまま体が硬直しゆっくりと落ちていく。途中でハッとなり突起を掴もうとしたが運悪くそこが液体のついた部分であったため滑り観客たちの下に落ちて行った。
【3番失格!残り4人と半分までなりました!今は7番がリードしていますがまだ誰が優勝するかは分かりません!ここからは足を滑らせないように注意する必要も出てきます!観客の皆さまも自身が推す参加者の応援をお願いします!】
下からの声援を受けながらさ三人は進む。7番は柔軟性が高いのか足元に注意しつつひょいひょいと進んでいく。それを見て6番と5番は互いに争う事を止めて追いかけていく。
残りは三分の一以下となりラストスパートとなった。何もない、平地なら数秒でたどり着ける距離であり未だ一位をキープする7番を追いかける5番と6番。誰が優勝するのかハラハラドキドキで見る観客たち。
そんな三人に注目する中遂にナタリーが動き出した。
「……ハンデは、上げた。ごぼう抜き?韋駄天?そんな感じ」
ナタリーはそう言うと紫のオーラを身に纏い一気に駆けだした。




