表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/249

天使と悪魔が存在する都市

「はい!ここが私の家だよ!」


 そう言って少女が指を差したのはそれなりに立派な一軒家だった。一階建ての平屋ではあるが小さな庭もあり壁や柱も外から見た限りでは丈夫そうだ。言い方は悪いがもう少しぼろい小屋のような家を想像していただけにこの家には少し驚いた。


「ここが君の家なのか……?」

「そうだよ。まぁ、驚く気持ちは分かるけどね」


 少女もこういった反応は予想がついていたらしくアハハ、と苦笑している。因みに、ナタリーはあまり興味ないのか特に反応もしていなかった。


「そう言えば君の名前は?あ、俺は鈴木和人。性が鈴木だ。で、こっちがナタリー・ダークネス」

「……ん」

「カズトさんにナタリーさんですね。私はメイアって言います。この家に一人で住んでます」


 少女改めメイアちゃんはそう言いいながら笑う。明るい印象だな。どことなくリーンに似ているな。それにしても一人で、か。それはつまり両親はいないという事か……。少し突っ込み過ぎかもしれないが聞いてみるか。


「両親は?」

「……父は天使の降臨祭の時に追いはぎに遭遇して殺されました。母は悪魔の爪の中毒者に殺されました」

「天使の降臨祭と悪魔の爪?」

「降臨祭は明日から始まる祭りの事ですよ。とても人気のある祭りなんですが、悪魔の爪は……」

「薬物か?」

「はい。凄い禁断症状を起こす危険な物でこの都市でも禁止されているんですがいつの間にか流行していて……」

「天使と悪魔か」


 薬物は本当に恐ろしい。その人を完全に変貌させてしまう上に治すまでにとても時間が掛かる。薬物を使用して人生が狂った人などこの世に沢山いる。一番知られているのは地球であったアヘン戦争だろうな。悪魔の爪も流行っているという事はそれなりの量が必要と言う事だ。それはつまりそれを生産する奴らが居りばら撒いているという事だ。

 もし、そんな奴らがいるのなら一体誰なんだろうか?サジタリア王国と敵対するレオル帝国やスコルピオン帝国か?それとも魔王軍か。俺がまだ知らない国や組織か……。

 ……残念だがこの件に関しては首を突っ込まない方がよさそうだな。場合によっては国と敵対する可能性もあるしここはあくまで通過する予定だった都市だからな。天使の降臨祭と言う祭りが丁度始まるから数泊するだけだしな。

 王都の時みたいに面倒ごとに巻き込まれるのはあまり避けたいな。きちんと賃金が出るなら考えるけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ