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シェダル村を出てケラースへと向かう俺とナタリーは三日ぶりの野宿を行っていた。明日にはケラースに到着できる距離まで来ており日持ちしない食料を使い切ろうと少し豪勢な料理となった。


「ナタリー。料理が出来たぞ」

「……ん」


 少し元気のないナタリーが俺から料理を受け取る。……クレイナスと戦った日の朝からずっとこんな調子だ。普段から無表情のナタリーだがある程度は感情を読み取れるようになった。ナタリーが元気がない理由はクレイナスに呆気なく眠らされたせいだろう。ナタリーは戦闘が終わるまで目覚める事がなく気づいたら全てが終わっていたからな。

 とは言え、その後のゾンビの掃討は共に行ったし特に何も言う事はなかったのだけどな……。

 もそもそと食事するナタリーを見ながら俺は考える。正直、どう慰めれば良いのか分からない。こういった事は知識としてすら持っていないから正直に言うべきなのか時間経過に任せるべきなのか判別できない。それに個人差があるだろうし他の人にとっては最良の選択でもナタリーにとっては最悪の選択になってしまう事だってあるだろう。

 ……仕方ない。なるべくフォローしていくか。


「ナタリー。まだクレイナスの件を引きずっているのか?」

「……」


 ナタリーは返事する事はなかったが首を縦に振った事から肯定しているのだろう。


「俺は別に気にしてはいない。むしろ、無事であったことの方が嬉しいよ」

「……」


 納得しているとは思えないナタリーを俺は隣に座り抱きしめる。ビクリと体を震わせたがそのまま俺の体に顔を埋める。


「……役に立ちたかった」

「ナタリーが一緒にいてくれるだけで助かっているよ」

「もっと頼って欲しい」

「いつも頼りにしているさ」

「気を抜かなければ眠っていなかった」

「それはそうかもしれないがそれは俺だって同じことだ。クレイナスがナタリーを標的にした時点で俺より厄介と判断したって事だ。そんな人が俺と一緒に旅をしてくれる事が何よりもうれしいんだよ」

「……」


 ナタリーの顔に触れている部分が濡れてくる。体を震わせながら声を押し殺して泣くナタリーに俺は何も言わずに強く抱きしめるのだった。


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