4-10
――何も、見えない。
暗闇の中、一人でいる。
「『浄化』!」
体が小さくなっている。
そんなことが分かる。
それと、今自分に分かることといえば、自分の両手が震えているということ。
顔を覆う両手。その振動が頬に伝わっていた。
その振動のせいなのだろうか。
唇も、震える。
「後三匹っ!」
額からは水滴が流れ出ていた。
そうしたくてしているわけではない。けれど、水滴は止めなく流れ出る。
暑い……? いや、むしろ寒い。
だからこれだけ自分は震えているのではないのか?
「邪魔だっつってんだろ!? いい加減にしろよなぁっ。たくっ、『炎』!」
――――。
気のせいか。
呼吸が、苦しい。
痛い?
どこが?
……胸?
なんで?
「『浄化』ぁっ!」
くるしい。
いたい。
めのまえがくらい。
なにもきこえない。
きこえ――。
「ラストぉっ!」
《――イタダク――》
《――クウ――》
「『浄化』っ!」
聞こえ……。
「……な……」
聞こえる。
こえ。
なに?
「……う……った……」
――こえ。
じぶんの、声。
「な、ぜ……なぜ、……った……?」
自分の、声。
「――なぜ、裏切ったんだ……!!」