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深遠に在る呟き  作者: 望月あさら
■ 序 ■
2/42

序-1

 口の中で呟く。


   ……力が…………


 唱えるようにして。

 何度も、何度も繰り返す。


   ……力を…………


 祈りにも似た、願い。

 深く、深く、入りこむ。


   ……力が、…………


 自分でも見てやることのできない深み。

 沈んでいく。

 浸食していく。


   ……力を、…………


 それが何のためなのか。

 何が、そうさせてしまうのか。


   ……力が、欲しい…………


 守りたいから?

 助けたいから?


   ……力、が、欲しい…………


 何を?

 どうして――?


   ……力、を、ください…………


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