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43話

 


「チャラい男に美佳を奪われるのは我慢できなかっただろう?居ても立っても居られなかっただろう?」


 脂汗でギトギトになっている男を見つめる。


「どんなに邪魔したくてもお前にはその術も時間も無い。残された手段は襲撃くらいしかない。最初から分かっていたよ」


「この野郎ぉ………!」


 目出し帽の中から渾身の力で睨みつけても鯰は薄ら笑いを浮かべているだけで、その様子がさらに松田を苛立たせる。


「殺しにきてくれてありがとう」


「あ!?」


 場違いな謝礼に松田は思わず声をあげた。


「そのために極真空手をやっているという情報を与えた。素手じゃ勝てないから武器を持って行こう、そう思わせる為にな。赤な嘘だ。僕は極真空手なんかやってない」


 歯ぎしりしながらバットを強く握りしめる。


「そのバット、買ったのか?」


「………黙れ」


「可哀そうに、せっかくバットとして生まれたのにボールを打つことは無さそうだな」


「うるせえっ!!」


 激高されても鯰の笑みは消えなかった。


「お前が二度と教師なんか出来ないようにさせること、これが重要だった。前の学校を辞めることになったのは、女子生徒への付きまとい行為が原因だろ?」


「ちがう、あれは違う!」


「そんなやつでもまた教師が出来るんだからこの世の中おかしいよ。というわけで俺たちの狙いは最初から殺人未遂の現行犯逮捕だ、見事に罠に掛かってくれたな」


「舐めやがって糞餓鬼がぁああああああああああ!!」


 喉がつぶれるほどの唸り声。


「武器を捨てろ!」


 鯰の後ろからじりじりと距離を詰め声を張り上げるのは、拳銃を構えた3人の警察官。


 数こそ少ないが、武器を持った犯人に対し動じずに対処できると、日向によって認められた精鋭達である。


「逃げ場なんか無いんだからとっとと捕まってくれよ。警察官が発砲すると世の中がうるさいんだから」


 目出し帽の目の中が血の色に染まっていく。


「黙れ黙れ黙れ!誰がーーー」


「お前は美佳に毎日「剣道部に来い」って言ってたそうだな?」


 松田の叫びを遮って鯰の声が通った。





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