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37話 ~餌~

 


「緋色の研究はホームズ作品の中で美佳が一番好きな話だね」


「原点にして頂点よ」


 自分で書いたみたいに胸を張る姿が可愛い。


「それじゃあどういう感じで罠を仕掛ければいいのか考えるために、まずは緋色の研究の事を思い出してみようか」


「それなら任せて!私は暗記するくらいに覚えているんだから」


 これは誇張じゃなくてただの事実だろう。


 今まで美佳とはホームズについて何度も話しているけど、僕がふんわりとしか覚えていないのと違って、美佳はすぐに言葉が出て来て、確かめてみるといつもその通りなのだ。


「あの時ホームズは新聞に広告を出したよね?」


「うん。犯人は現場で落とした指輪を取り戻しに絶対にやって来るはずだってね」


「今回もそれが使えるんじゃないかと思うんだよね」


「おお!なんかワクワクしてきた!」


 なんかルフィーみたいなことを言ってるなと思ったけど、そんなことを言ったら話が脱線しそうだったので止めておいた。


「緋色の研究での犯人にとって大切なものは指輪だった。それならこの犯人にとっての指輪は………」


 僕と日向さんは同時に視線を移す。


「美佳だね」


「わたし?!」


 椅子からちょっと跳び上がった。


「そうね、犯人の目的は明らかに美佳。異常ともいえるほどの執着心を持っている」


「こんな偽物の手紙を出すくらいだから間違いないですね」


「犯人はきっと鯰君のことを相当嫌っているでしょうね」


「間違いないですね。大切な美佳を僕に奪われるかもしれないと恐れたからこんなことをしたわけですからね。でもまあ、美佳のように好かれ過ぎるよりは、嫌われた方がまだいいですよ」


 僕の言葉に日向さんが苦笑いした。


「私が餌だなんて、なんかちょっと嫌な気分………。でもどうやって犯人を罠に嵌めるのよ?」


「そこが難しい所なんだけど、利用できそうなものはあるよ」


「利用?」


「盗聴器だよ」


「あ!?」




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