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75 ハーレム?純愛?

「マックス様、お呼びですか?」


「レナ、フィッシャー嬢とのお茶会は無事に済んだみたいだね。……友人にはなれたのかな?」


「……まだ考え中のようです」


「だろうね。バルディ家は男爵家だし、レナも騎士爵の娘として育ったから平民と同じように感じるだろうけど、次期伯爵夫人だからね。フィッシャー嬢もしり込みするだろう」


 ま、それは俺にも言えることで、領民は気さくに接してはくれているものの、やはり一線を引かれているところはあるからな。

 逆にフィッシャー嬢がしり込みせずに、レナに対して友人になりますと即座に応えていたらびっくりするよ。


「で、レナ。どうして急にフィッシャー嬢に友人になろうなんて言い出したんだい?」


「……お友達になりたいと思ったからです」


 うん、レナの目線が若干泳いでるし、友人なりたいのは本当だろうけど、それ以外にも目的がありそうだな。


「友人になるだけなら応接室で……俺やトーマス叔父さん、ヨーゼフの前で話すだけで十分だろう?」


「……威圧したくなかったので」


「レナ……上位の者が下位の者に友人になろうと言い出すなんて、どんな状況でも威圧にならないわけがないってことはレナもわかっているよね?」


 他でもないローズマリー嬢から友達になりたいと言われて、戸惑っていたレナがそれをわからないはずはない。


「何か、目的があったんだろう?」


「……マ、……マックス様を共に支えてほしいと……願いました」


 ん? ドユコト? 共に支えてほしい?


「…………え? どういうこと?」


「ですから! 私と共にマックス様を支えてほしくて……だから、お友達になりたかったのです!」


「? 支えて? え? 別にレナが傍にいればそれで十分だけど?」


「私では……私では次期領主としてのマックス様しか支えられません」


 え? 別にそれでよくない?


「次期領主としてのしか……とか言われても、別に領主にしかなるつもりはないけど?」


「でも、マックス様はこれまでのように色々な商品を考えるのでしょう?」


 ん? ん~、まあ、そう言われたらそうか? この世界はゲームの世界で日本の物がありふれているけど、それでもないものもなくはないからいろいろ作りたいのは本当か。


「まあ、そうだけど、それはユリア叔母さんとかトーマス叔父さんがいればなんとかなるよ?」


「でも、お二人はマックス様よりも前に引退なされるでしょう?」


「それはそうだけど……」


「だからこそ、アイリーンに支えてほしいと思ったのです」


 筋は……通るか? 確かにフィッシャー商会は新興ではあるものの、勢いがある商会だし、俺が作り出す商品を扱うには十分だ。

 フィッシャー嬢に対しても、サブヒロインとかそういうのは抜きにしても、即座にアンドレ商会と繋ぎを作ってゲルハルディ家にきたのは良い判断だったと思う……多少、勇み足感はあったが。


「……御用達商会をアンドレ商会からフィッシャー商会に変えようと?」


「いいえ、いずれアイリーンにはマックス様の第二夫人になってもらおうかと。そうすれば、御用達商会にフィッシャー商会を加えても問題はないでしょう?」


 あー、そうね。第二夫人ともなれば、身内だから御用達にしても問題はないわなー。

 ……って第二夫人? 誰の? 俺の?


「…………え? 第二夫人? 嫌だけど?」


「マックス様のためでもあるのです」


「いやいや、レナと結婚もしてないのに、もう第二夫人の心配? え? 普通に伴侶は一人が良いんだけど」


 この世界は美少女ゲームの世界だけあって、ハーレムが認められている……というか、そもそもハッピーエンドがハーレムエンドってゲームだったからな。

 だから、一夫多妻も問題はないが、現在のトレンドは一夫一妻だ。

 国王陛下もそうだし、父上と母上もそう。

 ま、裏で愛人を囲っているなんていうのは貴族にはありがちだろうが、それでも現在の主流を離れて第二夫人を娶るというのはかなりの覚悟がいる。


「いずれです! 私と婚姻をして、その後にアイリーンを第二夫人として娶るのもありでしょう?」


「いやいや、商品なんて、そんなポンポン思いつくもんじゃないし、別に第二夫人にする必要はないだろ?」


「マックス様のお考えは分かりました。……ですが、私はマックス様を支えるのは一人では難しいと考えています」


「……えー? ……うん、まあレナの考えは分かった。でも、俺は自分の妻は一人が良い」


 うん、レナの考えは分かる。そもそも伯爵夫人というだけでも大変なのに、俺は商品の開発を行って陛下たちにプレゼンをしているからな。

 後々のことを考えたら、策を張り巡らすというのもわかる。

 だけどな! だけど、それでも、俺は結婚相手は一人が良いんだよ!

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