とあるセールスマンの自己紹介1
TiTicompany:時間の取引を行う,国際的な大会社。たとえばAさんが,外国人と話す時間が欲しいと当会社に注文した場合,当会社は,その時間を売ってくれる外国人を募集し,取引を成立させる。
TiTicompany:時間の取引を行う,国際的な大会社。たとえばAさんが,外国人と話す時間が欲しいと当会社に注文した場合,当会社は,その時間を売ってくれる外国人を募集し,取引を成立させる。
時間の買い手:30代男 時間の売り手:職業セールスマン
やぁやぁこんにちは。会えてとてもうれしいですよ。おやおや,緊張してるんですか。オンラインの画面上でもわかるほどの硬さですね。まぁ,いいでしょう。あなたは,時間を買うのが初めてだと聞きましたよ。でも,リラックスしたほうが,時間を無駄にせずに済むと思うんですがね。
えぇーーっと。あらかじめいただいておいた資料によると,あなたはセールスマンになりたい。でも,なかなかコミュニケーションがとれない。あぁ,なるほどね。セールスマンに向いてないとは思わないの?あっ,思うんだ。でもあきらめたくないわけね。んーーーじゃぁさ。ちょっと,僕の話聞いてみない?んっ,そんなことして,意味があるのかって?あるんだなぁそれが,まぁちょっと聞いて,ちょっと。うん。
君さぁ。なんか,しゃべりたくなくなったことってある?まぁ,一回ぐらいはあると思うんだけど。おれはまぁ一回決めちまったらそうそうやめられない性格なんだよね。まだ,おれが中坊の時,よくわからんゲームに巻き込まれちまって,たぶん,主催者は先輩達かなぁ。でさ,今からやるじゃんけんに負けたら,一か月,後輩にも先輩にも二重敬語で話せっていうんだ。1ヶ月だよ。こりゃ相当きついなと思ってさ。でね,負けちまったのよ。いやぁ,我ながら相当の運の無さだよね。敵は10人もいたのにさぁ。だけどな,二重敬語なんてまっぴらごめんだろ。だから俺は,1ヶ月喋らないことに決めたんだ。どうなると思う? そんなことできないんじゃないかって思うだろ。案の定できなかった。なんせ苦しかったからなぁーー。だってよ,うなづくことと,首振ることしかできないだろ。一番辛かったのはねぇ,あの・・今でもはっきり覚えてるんだけどさ、、、先輩が、なんかカツアゲしてきたんだよ。なんか金出せおらーってかんじで。ぶっちゃけ、殴ってやろうと思ったんだけど、そんなことしたら俺の学生時代ほんとに詰むじゃん。想像してもらえるかな、目の前になんかイケイケどんどんなムカつく奴がいて、俺はしゃべれない。なんか顎あげて見下ろしてくるよぉ。ほっそい目でさぁ。あのへそまがりな口。胴体だけ大いにでかい。おぉっと、顔を近づけてきたぁ! その距離は言葉どおり目と鼻の先。慌てて俺は後ろに一歩ついに壁にぶち当たる。あぁ、喋りたい!けどだめだ。ついに相手は、なんか痛そうなもんを持ち出してきたぁ。これカツアゲじゃなくて、強盗なんじゃないのかねぇ。そんなこと考えている余裕はもうない。やばいぞぉ、殴られるぞぉ。さぁ!来るか!来ないか!あっ遠くに人だ。叫べば聞こえる距離だが、一向にこっちには気がつかない。さぁどうする?
さぁ!
さぁ!!
どうするんだ!?
____時間終了
そう,うまく喋れない時は、相手をカツアゲしてくるデカブツだと思って話せばいいの。そしたら自然に声は出る。うん!