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鏡の世界  作者: あにやん
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コーヒー(1)


 滅多に飲まないコーヒーを注文してみた。でも残念ながらブラックでは飲めないんだ。ミルクと砂糖は一つずつ。ブラックで飲めたらちょっとかっこいいのに。ただし一つ言わせていただくと自分はココアが好きだ。

 昨日は忙しい日になるかと思ってたのに、単刀直入に言うと、実に暇だった。ついでにいうと今日も暇を持て余している。

 最近読書にはまってる。嘘。本当はさっきぶらりと入った本屋で目についたベストセラーらしき本を買っただけ。本屋で衝動買い。ちゃんとカバーをつけてもらった本を開いて知的人間を気取る。読めない。頭で昨日のことを回想してしまう。脳というものはけっこう一つのことに集中してしまいがちだ。目は活字などおっていない。読まない。本は開いたまま。

 昨日の予定は確かこうだった。朝DVDを返却しに行って友人の家にしばしお邪魔し、15時から髪を切りに行き、再び友人と合流しそのままコンサート会場に直行。

 しかし、実際はこうだった。朝DVDを返しに行くまでは予定通り。あとはずっと自分の家にいた。

友人にこう言われたんだ。

「なんで約束通りに来るわけ?」

わけがわからない。

「普通来るでしょ。」

「なんで普通に生きるわけ?」

もっとわけがわからない。腹が立つというより混乱したので黙ってると、最後のとどめは

「そんなに普通に生きてちゃ友達いないでしょ。」

ポカーンとしてるうちに、気付けば自宅待機。あんなやつだったっけ?あんなやつだった気もする。いやいや、違う違う。自分に対して「変わってる。」との評価を下したのは紛れもなくあいつではないか。矛盾というやつか。反抗期か。お年頃っていつまでか分からないけど、そういうことにしとこう。そうだね、お年頃は難しい。なんて、そんな簡単に済ませていい話なのかこれは。

 思ったより早く時間が過ぎたようで髪は諦めなければならなくなった。コンサートはどうするんだ。もういいや。

 なんなんだ、このぐだぐだな感じは。我ながら喝を入れたくなる。しっかりしろはちべえ。自分ははちべえではないけど。

 普通に生きてると友達がいないってどういうこと?普通じゃない方が孤立することもあるこの世の中でこの期に及んで何を言うか。おっと、ほかのことにも気づいたんだけど、もしかして自分は友人と呼んでいるのにあいつは自分をそう呼んでくれないのか。対等関係じゃないのか。そいつは問題だ。なんて考えてたら夜が明けた。途中寝たけど。


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