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転生したらブラジャーだった件

作者: マエソノジュン

 ご覧いただきありがとうございます!

 楽しんでいってくれれば幸いです!

 よろしくお願いします!!

――ブラジャー!!!

  女性が胸部に着けるその下着は、乳房を保護し、形状を整える効果がある。

  その上多くの男性にとっては……おそらく画面の前の諸君にとっても……そう、ロマンである!!

  その一枚先には何が待っているのか?

  そう考えると妄想が止まらないのは全世界の健康男子共通なのだ!!!


 それはこの男も例外ではなかった……。



☆★☆★☆


 あれ、ここは??


 気づくと、そこはいつものショッピングモールの中だった。

 脳内地図を参照するに、ここは女性用下着売り場。

 ああそうか、と俺は少し前のことを思い出した。


 無類のブラジャー好きである俺は、いつものように、お使いついでに女性用下着売り場を眺めていた。

 だがその時の俺はひと味違った。


 ――今日こそは買ってみせる……ブラジャーを!!


 そういうわけで客の少ない朝早くを狙って、俺はその店に侵入した。

 

 俺は手近にあったブラジャーを手に取った。

 赤くてレースの着いたブラジャー。

 ……俺の好みだ。

 タグを見るとGと書いてあった。

 ……俺の好みだ。

 

 そのときの俺は羞恥心はまとめてどこかに捨ててしまっていて、それがよくなかった。

 魔が差したのだ。


 ――どうせなら、試着してみようかなあ


 俺にぴったりなブラジャーを見つけたぞ! と浮かれていた俺は、すかさず店員さんに話しかけに言った。


 だが、さすがに羞恥心を捨てたと言っても、

「このブラ、試着しても良いですか?」

 なんて言えない。


 だから俺は彼女に買っていくんだという設定で、話しかけに言った。


「あの、すいません」


「はい、どうされましたか?」


「えっと、その、彼女へのプレゼントで悩んでるんですけど、このブラジャー試着してもいいですか?」



…………



「……えっと、すいませんもう一度お願いします」


ーーおっと、彼女へのプレゼントって言ってるのにこの人は分からないのか?


「だから、彼女がそろそろ誕生日で、」


ーーお、リアリティーが増したな!


「はい」


「そのプレゼントに下着を買ってあげようと思って、」


 よくある話だよな。


「はい」


「試しに試着してもいいですか?」



…………



 あああああああああああああああああ!!!!!!

 ミスったあああああああああああああ!!!!!!


 おかしいじゃん、絶対おかしいじゃん!!!

 はずかしいいいいいいいいいいいいい!!!


 と思って、失禁して、気絶したんだ、俺。

 やだ、恥ずかし!


 ということは、俺は下着売り場にそのまま放置されたんだな。

 試着は諦めて、さっさとブラジャー買って帰ろう。


 そう思って立とうとしたその時だった。


 あれ? 足が……ない?


 どれだけ足を動かそうとしても、体が動かない。


 いや、それだけではない。

 体全体が動かないのだ!

 しかも異様に身体が軽い。

 

 いや、この感触……どこで知っているような……

 

 あ、俺もしかして……

  もしかして!?


 ……ブラジャーに、転生した??



☆★☆★☆


 

 どうやら俺は、ブラジャーに転生したらしい。

 それも俺が握りしめていた、赤い、Gカップのやつだ。


 素直に言おう。

 うれしい。


 ただでさえ憧れのブラジャーになれただけではない。

 ともすればピチピチ美女の胸を包み込むことができるのだ。


 これはチャンスだ。


 そう思った俺は、良い客に買われることを願って、買い物客を待つことにした。



☆★☆★☆


 午前十時。


 さっきからずっと、40過ぎのおっさんが店の回りをうろうろしている。

 なにしてるんだろう。


 そのままずっと観察していると、ぱっと目があった。

 

 あー、この人、昔の俺と一緒だ。

 下着売り場をちらっと見るタイプか。


 その程度の度胸じゃブラジャーは買えないぞ?


 でも意外とチラ見してるのバレバレなんだよな。

 本人は気づかれてないと思ってるんだけどな。


 あ、じゃあもしかして俺がよくチラ見してたの、店員さんにバレてた?

 恥ずかし。てへ。


 流石にこのおっさんには買われたくないが、このおっさんにその度胸があるとは思えない。


 というかこのおっさん、平日の昼間から何やってんだよ…………



 と思ったその時!


 ブラジャーと目があったおっさんが、こっちに向かってズンズンと歩いてきた。


 ヤバイ!!

 決意に満ちた目をしている!!!


 俺は必死で目を逸らした。


 こいつどんな思考してんだよ!!

 男性がブラジャーなんて買うわけないだろ!!!


 まあブーメランだが。


 と、そのおっさんは店に前で立ち止まった。

 握り締めた拳はプルプルと震えている。


 すると、おっさんは叫んだ。


「ずっと、お前に会いたかった!!」


 は??

 このおっさん、ブラジャーに話しかけてんの!?


 俺より上の人がいたのか!

 ヤバイ奴だ!


 と、その直後。


「え、お父さん……?」


ーーブラジャーが喋ったぁぁぁ!!


 怖いよー、何これ怖いよぉぉぉ。


 と思ったら、店の奥の方から1人の店員さんがやってきた。


 あ、声の主は店員さんか。

 ビビったー。


「セツコ、お前こんなところにいたのか!」


「お父さん……なんでここに……!?」


「お前がいなくなってから、ずっと探してたんだよ」


「20年も!?」


ーーおいおい何があったんだよ。


「ああ、長かった。でもやっと見つけられたと思ったら、女性用下着売り場の担当だったから」


「ああ、そっか」


「そこに男性1人が入っていくのは流石に非常識かと思って、悩んでたんだよ」


 グサっ!!!

 痛いぞ、胸が痛いぞ!!


「そっか、でもよかった」


 見ると、2人とも目に涙を浮かべていた。


 うん、なんか、よかったね。

 ちょっとあったかい気持ちになったよ。

 20年前何があったのかは気になるけどね。


 その後、そのおっさんは帰っていった。



☆★☆★☆


 午後4時過ぎ。


 それまでも何人かのマダムが店内に入ってきたが、俺と目が合うことはなかった。


 そんな時、学校帰りと思われる女子高生がやってきた。


 黒い髪は、ツヤツヤのストレート。

 真面目そうだが、めちゃくちゃ美少女だ。

 多分無口なタイプだろうな。

 JKではなく、いかにも女子高生って感じだ。


 そんな少女と目が合った。


 少女は、俺と目が合うと少しだけ顔をパッと輝かせた。

 が、すぐに自分の胸元に目を落とし、「はぁ」とため息をついてしまった。


 そうだよね。Gはまだ大きいよね。

 大丈夫、まだ未来はある!

 

 その女子高生は、少し落ち込んだ様子で帰って行った。



☆★☆★☆


 午後6時。


 これはまずい。

 俺は今ピンチだ。


 Gカップのブラジャーには、主に使う人が2通りある。

 1,ピチピチ美女(胸がでかい)

 2,おばあちゃん(胸が垂れてきた)

 3,中年男性が被る。(俺を含む)


 すまない、3通りになってしまった。


 そして俺の目標は、1番のピチピチ美女に買われることである。


 それなのに……


「あら、これいいわねぇ」


 そう言うのは2番のおばあちゃん。

 多分60歳くらいだな。

 すごく優しそうなんだけど、でも、でも…………

 

 ちがうんだああああ!!

 俺が求めてるのはそっちじゃないんだああああああ!!!


 必死の抵抗をしようにもできない。


 おばあちゃんの手に取られる。


「これでいいわね」


 あ、終わった。



 そこからは速かった。


「ピッ」


「5000円になります」


「カードで」


「ワオン」


「ありがとうございました! またお越しください!」



 あー、終わった。

 夢が崩れたよ。

 

 もういっそのこと、このおばあちゃんのことをピチピチのお姉さんだと思うことにしよう。

 電子マネー持ちなんて、それこそ若々しいではないか。

 うん……うん。

 無理だわ。


 

☆★☆★☆


 そんなこんなでおばあちゃんに連れられて、おばあちゃんの家に帰った。


 すると


「はい、これ、買ってきたわよ」


「あ、ありがとう!」


 そう言って手渡される俺。

 

 ……お?

 おっと?

 娘の分だったのか……!!

 

 期待してパッと目を開ける俺を持っていたのは、1番のピチピチ美女であった。


 が……がががが…………!!


 俺は声にならない叫び声を上げた。



☆★☆★☆


 少し経って風呂から出てきた、某美女。


 自分の部屋と思われる場所で、俺とにらめっこをしている。


 いやあ、美人だなあ。

 背も高いし、細身なのに出るとこは出ているし。


 ……と、


「つけてみるか」


 まじか!?

 きちゃった!?

 きちゃったぞ!?


 そそくさと服を脱ぎ始める某美女。

 デンッと彼女の胸がお出ましになった。


 でけええええ。

 これがGカップか、まじかよ。

 でかすぎるわ。

 言うならば、そうだな……

 ワールドカップだな。(うまい)


 その回りに巻き付けられる俺。

 

 あ、やばい!!

 柔らかい!!!!

 ちょっと突起物があたるけど、それもまた良い!!!

 これは、至福だ!!!!!


「お、ちょうどいいかな」


 と言う声が聞こえるか聞こえないかの内に


 ふぁーーーーーーーーー

 という音と共に、俺は成仏した。



 じゃあこの世界よ…おっぱい!!


 じゃなくてグッバイ!!!

 ご覧いただきありがとうございました! 

 感想、アドバイス等々ありましたら、是非お願いします!

 少しでも面白いと思っていただけたら、ポイント、ブクマ等してくれると非常に嬉しいです!

 本当に、読んでいただき、ありがとうございました!!

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