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侵略日和  作者: ことさん
2/12

大根の味噌汁を食べました。

「おおお。ダイ。コン。これが大根のお味噌汁という存在」

「うん、大根のお味噌汁。美味しいかな?」

「すごく良い。すごく。柔らかい水っぽい大根。歯ごたえが優しく、そして体が温まる。心地が良い」

 またキッチンの床に座って二人で味噌汁を食べている。びじょんは、とても幸せそうだ。

「なんだか、わたしの心も温かくなってきたよ」

「嬉しいという感情は久しぶりな気がする」

「そこまで感激してもらえちゃうなんて、光栄だよー」

 思わず、全力で微笑んでしまった。びじょんは笑ってくれないが。笑わない種族なのかもしれない。

「そういえば料理の話だけど、存在しないなんて、いつもなにを食べてるの? もしかして、なんにも食べなくても平気なの?」

「なにかしらのエネルギー源がなければ、どんな生命体も活動はできない。食べるという話ならば、エネルギー源を得るための行為が経口摂取に限定され──」

「う、うぇあ?」

「変な声を出してどうしたの」

「ちょ、ちょっとわかりやすく話してもらえたらいいなって」

「普段、なにを食べているのかという問いへ答えるなら、すごく美味しくないゼリー状の物体を口内へねじ込んでいる」

「ね、ねじ込む!?」

「そうでもしないと堪えきれない。不味い。すごく」

「そんなに不味いの!?」

「我々の独自の名称で呼ばれているゼリー状の物体。なので、地球の言葉へ翻訳するのは難しい。難しいけど、近い言葉で表現するなら、『ヘドロ』かな」

「へ、ヘドロぉ!? それは不味そうだね……」

 さらっと彼女は口にしたが、びじょんの言葉は地球の言語へ翻訳されているのか。それはそうか。地球内でも様々な言語が使われている。

「ただ不味いだけじゃない。あんなもの栄養価が高くなければ、原料ごとガス惑星へ投げ込みたくなるくらい忌むべき存在」

「それじゃ、日本のご飯は果てしなく美味しく感じるのは……当然かも知れないね」

「生命活動を助けてくれる栄養価の高い食物を、ヘドロ呼ばわりして罵るのは悪いと感じる。感じるが、日本の食べ物と、比べるのも恐れ多いくらい不味い」

「そこまで言われると、ちょっと食べたくなってきちゃう」

「こんなに美味しい食べ物を日常的に口にしているというのに、正気なの?」

「どんなに不味いのか興味ひかれない……?」

「あなたの価値観を否定するわけじゃないのは、予め伝えておく」

「う、うん」

「まったく興味をひかれない」

 きっぱりと言われて、ひよ子は口淀む。

「実は、わたし……超絶不味いとか、美味しくなさすぎて危険って言われる食べ物って興味ひかれちゃう人なんだよね……」

「それはアレかな。変態というそんざ──」

「ち、違うと思うよ!? ゲテモノ好きって言って、せめて……!」

「なんて非合理的なの。個人の嗜好は尊重したい。したいが、料理が趣味で、実際に美味しい物を作れるのに、わざわざ不味いものを食べるなんて」

「まあ、うん……地球外生命体に変人を見るような目で見られちゃうと、なんとも言えない気持ちになってくるよ」

「それは申し訳ない」

 びじょんは心底、悲しそうな表情で、そう謝罪してきた。

「冗談だよ、冗談。責めてるわけじゃないからね」

「冗談か。我々にも、その文化はあるが、わたしは得意じゃない。重ね重ね、申し訳ない」

「びじょんさん、真面目そうだもんね」

「真面目か、そうでないかと問われたら、真面目ですと答える」

 クスっと笑い、ひよ子は食べ終わった食器を流しに置く。

「ちょっと洗っちゃうね。洗い物はすぐしないと気になっちゃう人なの」

「あ。ごちそうさまでした。お味噌汁。美味しかった。本当に」

「お粗末さまでした」

「粗末なんて物じゃない。豪勢だった。素晴らしい。誇って欲しい味だった」

「そ、そこまで褒められると照れちゃうなぁ、あはは……」

 キラキラした純粋そうな目で言い切られると、さすがに恥ずかしくなってくる。

「ところで洗い物とは? 器を洗う行為?」

「うん、そう。うちには食洗機がないから──自動で洗う機械のことなんだけどね。それがないから、手洗いなの」

「そうか。援護させてもらっても?」

「手伝ってくれるの?」

「手伝いたい」

「うん! お願いね」

「わかった」

 びじょんは嬉しそうに立ち上がった。




「うわあ、洗い物って泡がすごい。とても」

「泡、凄いね。洗剤使いすぎだねー」

「泡がフワフワしていて、わたしの心もフワフワのモチモチなスプラッシュ」

「そっか。洗い物をそこまで楽しくやってくれる人なんて、多分、そんなにいないんじゃないかな」

「そうなのか。泡担当は楽しい。もちろん、日和見ひよ子がしている水洗い担当も楽しそうではある」

「そかそか」

 嬉しそうに食器を洗う、地球を侵略しにきた宇宙人。まだ他人とも言えるレベルの関係しかないはずの二人が、シンクに並んで洗い物をしている。


──なんだろう、この状況。


 カチャカチャと食器が鳴る。

「泡がフワフワなのはわかるけど、モチモチはなに?」

「フワフワな気持ちをモチモチしているという感じかな」

「そっか。テンションが高くて、自分でもなにを言ってるのかわからないんだね」

「そうかもしれない。……あ」

「どうしたの?」

「洗う物がなくなってしまった……」

「残念そうだね」

 そんな様子のびじょんに、ひよ子は微笑む。

「お昼を食べたら、また洗ってもらおうかな」

「任せ…………え? お昼? お昼というのは、お昼ご飯のこと?」

「うん。お昼」

「おおおお。まさか、お昼までごちそうしてもらえるの?」

「もちろんだよ。一人で食べるのも寂しかったし」

「わーい」

 素直に喜んでくれる彼女に、ひよ子は心を許しつつある。いや、許している。

 なんだかもう、びじょんが宇宙人だろうがなんだろうが、どうでも良くなってきていた。

 むしろ、ここまで凶暴性の欠片もないと、本当に侵略者なのか疑わしくなってきたが。

「そうだ。わたしの生活費として、お金を渡す」

「え、いや、いいよ。お金なんて別に……」

 ひよ子は慌てて首を振る。

「そんなわけにはいかない。一ヶ月の間、一人分の生活費がかさむ。それは単純計算でも二倍の負担」

「い、いいってば。もう一人分くらい、なんとかなるし」

 ひよ子には両親がいない。それは二人が今年の初めに交通事故で亡くなってしまったからだ。だから二人が遺してくれた財産がある。それも相当な額だ。遺産は未成年後見人をしてくれている叔母が管理しているのだが、生活費に困ったらもちろん補填してもらえる。それに学業の合間に絵の仕事も手伝って小遣いを稼いでいる。叔母がアニメの作画監督をしているので、ひよ子はその手伝いをしていた。

「それに言いにくいけど、びじょんさんのお金って、どうやって稼いだものなのか不安だし」

「どうやって稼いだかは知らされていない。リーダーから必要ならば、あなたへ資金を渡すようにと指示されているだけ」

「う、うーん。やっぱり受け取れないよ」

「わかった。必要ないなら」

「なんだか、ありがとね。気をつかってもらって」

「こちらこそ、強引に押しかけてしまったのに、丁寧に接してもらって、ありがとう」

 びじょんにペコリとお辞儀をされて、ついひよ子もお辞儀を返した。

「それじゃ、せっかくだし、同居の挨拶。びじょんさん、一ヶ月間、改めてよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 お辞儀しあって、ひよ子は微笑む。びじょんも心なしか、笑ってくれているような気がした。




「お昼ご飯も美味しかった?」

「うん。カレー。無数の香辛料が漂う茶色い海。鼻に抜ける辛い味。素晴らしかった」

 昼食にカレーを作ったら、冷蔵庫の食材がほぼなくなってしまった。

 なので、ひよ子とびじょんの二人は食材を買い足すべく、自宅からスーパーへ向かっている。

 ちなみにパジャマからは着替えて、ひよ子はシャツにジーンズというラフな格好である。

「楽しそうだね、びじょんさん」

「楽しい。スーパーで、夕ご飯のお買い物。それは初めての行為」

「ふふふ、そっか。わたしもお買い物、好きだけどね」

「それなら、一緒に楽しむとしよう」

 住宅街の中、青空に小鳥が飛んで綺麗な鳴き声を聞かせてくれた。近所にある小学校の生徒たちが楽しそうに笑いながら、どこかへ走っていった。夏休みなのに学校で元気に友達と遊んでいるのだろうか。ひよ子には遊ぶ友達はいないが。

「悲しそうな顔をして、どうしたの?」

「な、なんでもない。びじょんさんが来てくれて、ちょっと嬉しいなって思っただけ」

「嬉しい? わたしこそ侵略者だけど、歓迎してくれて、こちらも嬉しい」

「変な感じだね」

 ひよ子の言葉に頷き、びじょんは目を輝かせてながら周囲を見回している。彼女にとって目に映る物、全てが珍しいようだ。真夏の日差しと蝉の鳴き声。

「ミーンミン。ジー」

「なにそれ? 蝉のモノマネ?」

「この音はセミというの?」

「うん。ミンミンゼミっていう虫なの。……虫はわかる?」

「わかる。この星についての、ある程度の知識は有している」

「そかそか。わたしにとっては、小さい頃からのお馴染みな、蝉さん合唱だけど、場所によってはいなかったりするんだって」

「ふむ。面白い生き物」

 びじょんは足を止めて、木の上に止まっている蝉を見上げた。

「このミンミンゼミたちが、とてもすごい音を立てている理由は一体。なんのために必死になっているの?」

「確か、メスへ求愛行動をしてるとかだったような……」

 曖昧である。

「きゅうあい?」

「うん。愛を求めると書いて、求愛だよ」

 セミとひよ子を交互に見て、びじょんは首をかしげる。

「それはなんのためにする行動なの?」

「え、えっと。簡単に言うと子供を生むためかな? 自分の子孫や仲間を増やすために」

「必死に鳴くと仲間が増えるの?」

「え、えええっと。生物にはオスとメスがいて、鳴いてるセミはオスで、あの叫びはメスを呼んでいるというか……」

「有機生命体が行う生殖行動、繁殖行動。つまり、そういうことかな」

「うん。そういうこと」

「わたしは、いや、わたしたちの種族は、製造されて増えていく。だから繁殖行動はしない」

「そうなの?」

「寿命が極端に長いから、子孫を残す必要はない。もしなにかしらの要因で数が減っても、必要になれば、資源から新たな個体が造られる」

「お父さんやお母さんがいないってこと?」

「いない。従って、愛情という感情も理解できない」

「え? 愛情がわからないの?」

 セミに再び視線を戻し、びじょんは頷く。

「愛情。それは、ある程度の知性を持つ生命体にとって、繁殖を助長するための感情だと認識している」

「地球の認識もだいたい、そんな感じだと思う」

「うん。つまり、わたしたちの種族は、愛情も必要としていない」

 なんだか悲しい話に聞こえる。そういう種族なのだから、文化が違う、で済む話なのかもしれないが。とは言っても、ひよ子が愛情のなんたるかを理解しているかどうかは、怪しいものである。

「当然、友好関係にある同族には、仲間意識のような感情を持ってはいる」

「友達?」

「うん。友達。という呼称が相応しい相手はいる」

 宇宙からやってきた侵略者にも、友達くらいはいるのに、ひよ子にはいない。

 ちょっと寂しい。

「わたしを好きになれば侵略はしないーみたいな話って、それは愛情的な意味じゃないんだね」

「好意を覚える程度な関係に発展すれば、日和見ひよ子の勝ち。愛情を抱く段階まで、関係をすすめる必要はないし、それは不可能」

「勝ち負けなのかな……? まあいっか」

「行こう」

「え? どこに?」

「スーパーに行くのでは?」

「そうだった!」

 すっかり目的を忘れて、立ち話をしていた。

「それじゃ行こっか」

「了解」

 歩き出した二人は、女の子を連れた女性とすれ違った。多分、親子だろう。母親と思われる女性は、女の子に夕食のメニューはなにがいいかとたずねた。

 ハンバーグがいい! と、女の子は元気に返事をした。

「そうだ、びじょんさんは夕ご飯に、なにが食べたい?」

「そんな重大事を、わたしが決めていいの?」

「うん、いいよ。そんなに重大なことじゃないし」

「少し考えさせて」

 びじょんは険しい顔で、唸り始めた。

「とても悩ましい」

「スーパーまで、もう少しかかるから、ゆっくり考えてね」

「ありがとう、日和見ひよ子」

「いえいえ」

 それにしても、のどかな町だ。ここ廻沢町は、それなりに治安も良く、住みやすい。近くにスーパーもあるし、大きな服屋もコンビニもある。ただ娯楽的なお店はないに等しいが。最寄りの駅まで行けば本屋や雑貨店などもあるが、歩きで二十分くらいかかる。ひよ子は歩くのが好きなので、特に不便を感じていない。通っている学校も近いので、徒歩で通学できる。なので、廻沢町はとても住心地が良い。

 涼しげな風が頬をなでて、びじょんの真っ白で綺麗な髪がなびく。

 夕食のメニューを真剣な表情で思案している少女。地面を見ながら歩く彼女を、見つめていて改めて思った。

 びじょんはとても美しくて可愛い。

 日本人を代表できる感性かどうか、そう問われると完全な肯定はできないが、ひよ子的には彼女は可愛いんじゃないかと思う。

 そこが不思議に感じた。可愛い地球の女の子に見える。彼女の種族は、みんな地球人と似ている見た目をしているのだろうか。

 ジッと、びじょんを見つめながら、思考にふけっていると、いつの間にか彼女と視線が合っていた。

 その深い赤の瞳を、最初に目にした時、宝石のようだと感じた。みずみずしく、ちゃんとした『目』なのだが、どこか無機物のような。

 その目は、なにか違う。日常で目にしている人々の持つ、それとは。

 本能で感じるのだろうか。やはり見た目は似ていても、びじょんはひよ子と同じ『人間』ではない気がする。

「日和見ひよ子」

「え?」

「ぶつかるよ」

「……んぐぁ!?」

 ゴウゥンと鈍い音が響き、ひよ子は歩道に尻餅をついた。びじょんを見つめながら歩いていたので、標識の柱へ突っ込んでしまったようだ。

「い、痛ったぁ……」

 肩がズキズキと痛む。

「つかまって」

 差し伸べてくれた手を掴み、ひよ子は立ち上がった。

──温かい。

 彼女の手から、体温が伝わってきた。

「眼鏡がズレている」

「あ、うん、ありがと」

 眼鏡の位置を直し、ひよ子はお尻についた塵や砂を払う。

「びじょんさんって、地球人とあんまり変わんないんだね」

「地球人というか、哺乳類から進化した有機生命体を模して、わたしたちは造られている。わたしが製造される以前の話になるけど、この星に来る前、我々によって滅ぼされた惑星に棲んでいた人型の生命体を模していると記録にある」

「え、えっと。つまり、異星人の姿を真似てる宇宙人ってこと? ちょっとややこしいけど……」

「あなたの視点からすると、そうなる」

「違う星の人間を真似てるのに、地球人とそっくりって不思議……」

「地球人のルーツを、わたしは知らない」

「え?」

「この星の技術では、たどり着けない星々にも、あなたたちと同じような種族が、かつては存在していた。発見されていない星には、まだ存在しているかもしれない」

 興味をひかれ、ひよ子はびじょんを食い入るように見つめた。

「哺乳類が進化したら、最終的に人型で落ち着くのかもしれない」

「人間の手とか便利だもんね……」

「そう。道具や機械は、目的により進化するとある程度は似通った形になるはず」

「ペンキや、絵の具みたいな?」

「それは塗装の道具だったかな。形の例えに不定形な物をあげるのは適切とは言い難いけど、その通り」

 地球人がペンキなら、びじょんたちは別の場所で開発された絵の具を真似た別の塗料というわけ……ややこしい。

「なので、まとめると、地球人を模したわけでもないが、あなたたちに似ている姿なのは、同じような環境で、似たような種族が進化した生物を、別の惑星で模したため」

「ま、まあ、ちょっとは理解できたよ」

 ひよ子は唸りながら、頭をかく。

「もっと聞きたいことがあるような気がするけど、頭が追いつかないから、とりあえず、これくらいにしておこうかな」

「了解」

 話していると、木々に囲まれた神社が見えてきた。あの先にスーパーがある。大きな公園や神社があり、そこには木が多いせいか、この辺は割と虫が多い。なので神社の近くは、ひときわ蝉の鳴き声が大きい。

「日和見ひよ子。思い入れがありそうな目で見ているけど、あの建物になにかあるの?」

「神社のこと?」

「ジンジャというのか。その呼称は、生姜の米国名を指すのでは?」

「それはジンジャー……って、びじょんさんの知識って食べ物に偏ってない!?」

「この星の生命体が開発した最高の産物は、料理や食べ物だと、わたしは確信している」

「食べてる時、幸せそうだったもんね……」

「すばらしい気分だった。今も楽しい」

「楽しいなら良かった」

 ひよ子が微笑むと、びじょんは視線を神社へ向けた。

「それで、あのジンジャという建物は?」

「神社はね、神様を祀ってる場所なの。神様ってわかるかな」

「様々な種類がある、崇拝の対象。実在を信じているものは多い。技術を超えた不思議な力で、地球人に関与すると考えられている。だったかな」

「そんなとこかな」

 ひよ子は、びじょんを連れて鳥居をくぐる。

「わたしは本当に神様がいるって、心の底から信じてるわけじゃないけど、好きなんだよね、神社って」

「どこが好きなの?」

「鳥居を抜けると……鳥居って、その赤いのだけど、そこを抜けると不思議な空間に迷い込んだ感じがして」

「不思議な空間」

「そうそう。神様っていう不思議な、なにかがいて、神社の中は神聖な場所な感じがするっていうか。思い込みかもしれないけど」

「あなたたちの文化を、わたしはまだまだ勉強不足で、いまいち理解できないが、日和見ひよ子にとって特別な場所なのかな」

「うん。小さい頃から、よくお参りに来てたからねー。お母さんやお父さんと一緒に」

「お参り?」

「神様へ挨拶に来て、いつも見守ってくれて、ありがとうーってお礼言いに来ることかな。神社に来る理由は、人それぞれだけどね」

「見守るとは?」

「神様が、どこかで見ていてくれて、良くないことから守ってくれてる気がするっていうか。だから、いつも元気でいられるお礼を伝えに来るっていうか。うーん。説明が難しいなー」

「それなら礼は必要ないのでは?」

「え?」

「あなたの両親は亡くなった。神は守ってくれていない」

「……!」

 その言葉に、ひよ子はうつむいてしまった。とても悲しかったからだ。

「そう思った時もあったよ」

「悲しそう。両親は大切な存在だったのか」

「当たり前で──」

 ──違う。この子にとっては当たり前なんかじゃない。家族はいないんだ。愛情も知らない。親を好きだった子供の気持ちは理解できない。それなら──

「びじょんさんにも友達がいるって言ってたよね」

「うん。いる」

「その人が亡くなったら悲しい?」

「かなり悲しいと予想できる」

「その気持に近いと思う。わたしにとっての両親」

「ただの製造者ではないのか。あなたを勝手に製造しただけの存在では」

「うん、違う。とても愛してる。失っちゃった今でも」

 びじょんは呆然としている。

「神様が守ってくれなかったから、家族が死んじゃったなんていうのは違うと思う」

 涙をこらえきれなくなってきた。

「お参りしてたのも純粋に楽しかったからだし、今でも好き。それに家族との思い出は、ここが一番強いから、だから……今でも……ううぅ」

 両手で顔を抑えたが、嗚咽は隠せなかった。そんなひよ子の肩を、びじょんは優しく撫でてくれた。

「ごめんなさい。わたしは酷い発言をしてしまった」

「一人ぼっちは辛いよぉ……うああ」

 頭を撫でられて、ひよ子は溜まっていた悲しみが溢れてしまった。

「わたしは、あなたを悲しませてしまった。二度とあんな発言はしない」

「……うん」

「気が済むまで泣いて。そばにいるから」

 びじょんが、そっと抱き寄せてくれた。温かくて柔らかい感触。

──なんだろう。この宇宙人、優しい。やっぱり良い人なんじゃないだろうか。

 ひよ子は、びじょんの優しさに甘えて、思い切り泣いた。




「あんなに泣いたの久しぶりだよ」

「わたしは涙を見たのは初めてだった。知識としては知っていたが」

 神社に誰も来なくて良かった。あんなに泣きじゃくっているところを、人に見られたら恥ずかしい。

 そんなひよ子とびじょんは、既にスーパーへ入店して、野菜売り場を物色している。

「そういえば、びじょんさんも泣いたり出来るの?」

 人参と玉葱を、買い物カゴに入れながら、ひよ子は質問した。

「理論上は可能なはず。そこまで感情が動く機会がなかっただけ」

「そっか。いつか感動モノの映画でも見て、一緒に泣けるといいな」

「映画。概要は理解している。食べ物じゃないから、あまり興味がなかったけど、一緒に観たいと望むなら、観る」

「素直で良い子だ、びじょんちゃんはー」

「『さん』から『ちゃん』に変化した」

「だめだったかな……?」

「構わない。こちらはフルネームで呼び捨てにしているし」

「長いから、ひよ子って呼んでくれればいいのに。とは思った」

「了解。ひよ子と呼ぶ。……どうしてニヤニヤしているの?」

「なんだか親しみが増した気がして」

「そうかもしれない」

 カゴに入っている人参を見つめながら、びじょんは深刻そうな顔をしている。

「ど、どうしたの?」

「なにを食べたいか、わたしはまだ決めていないのに、食材が選ばれていく。なので焦燥感を覚えているの」

「そ、そんなに焦らないで? 適当にお野菜、選んでるだけだから。わたしってば、お野菜好きだから……」

「夕ご飯の決定権は、まだわたしにある?」

「あるある。食べたい料理があるなら、遠慮しないで言ってね。値段が高すぎる物はダメ──って言いたけど、今日は出会った記念に認めるっ」

「おおおー」

 びじょんは無表情だが、どことなく嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。

「そうだ」

「思いついた?」

「蝉の話をしていた辺りで、すれ違った女性二人」

「あー。いたね」

「あの二人が話していた。ハンバーグという料理」

「ハンバーグがいい?」

「うん。ひき肉に手を加えて、そして焼く料理」

「わかった。ちょうど、玉ねぎもかごに入れたし」

「わーい」

 とても嬉しそうだ。

「地表への偵察任務を主に行っている『こんふぃ』という者がいる」

「うん? こんふぃさん?」

「その子が以前に、この星で食したハンバーグの話をしてくれた。以来、食べた瞬間を想像して、眠れない夜を幾度すごしたことか」

「そ、そう言われちゃうと、美味しく作らないとってプレッシャーが……」

「ひよ子を信じている」

「が、頑張るね!」

 そして、ひよ子とびじょんは、買い物の時間を楽しんだ。




 ひよ子が食材を精算するためにレジで並んでいると、こちらへ熱烈な期待の眼差しを向ける少女がいた。

 びじょんである。購入した商品を、買い物袋へとせっせと詰めている奥様やお父様方の中で、一際目立っている少女。


──表情と口調は硬いけど、びじょんちゃんって素直で良い子で、小さい子みたい。

 ひよ子が思わず笑みを漏らした瞬間、ふと思い出した。

 あの時は聞き流していたが、『我々によって滅ぼされた惑星』と、びじょんは口にしていた。

 考えたくなかったが、その言葉どおりなら、びじょんたちは地球を侵略する以前に、別の星を滅ぼしてきたことになる。

 ひよ子は、既に彼女を友達と思っているので、恐ろしいというより悲しくなってくる。

 侵略者。軍隊を既に倒したとも言っていた。

──それは本当に本当なのかな。

 確かめなければいけない。

 でも、それは今でなくてもいいと思いたい。

 もう少し今を楽しみたい。誰かと食べる夕食は、久しぶりだから。




「ひき肉。コネコネ。混ぜ混ぜ」

「うんうん。お塩も入れるよ」

 二人は仲良く、キッチンに並んでいる。ひよ子がハンバーグを作っているのを、びじょんは横で楽しそうに眺めていた。

「おおお。塩って、こんなに美味しそうな匂いがするのか」

「このお塩は、ニンニクが混ざってるの。風味も味も、ちょっと特別」

「ニンニク。美味しそうな匂いがするけど、息が臭くなるという食材」

「そうそう。お塩でお肉を混ぜ混ぜして、下ごしらえだよ」

「牛乳にパン粉。そして、あらかじめ焼いておいた玉ねぎや、その他の食材を混ぜ込むのかな」

「うんうん。混ぜるよ」

「練って、コネって、ハンバーグ」

 まるで、びじょんは歌ってるみたいだ。音程は取れていないが。

「ハンバーグの形を整えて、しっかりコネて、優しくギュッとして空気を抜くと、美味しく焼けるよ」

「わたしも手伝う」

 そう言うと、びじょんは子供みたいに、両手をソワソワさせた。実に微笑ましい。

「練習に、この小さいのお願いね」

「了解。ギュッとするのは得意」

 びじょんの手に肉の塊を置くと、不思議な現象が起きた。

 肉が文字通りギュッと圧縮されて、白っぽくなったのだ。

「ど、どう? どういうアレ!?」

「落ち着いて、ひよ子。ちょっと、わたしの力を使っただけ。空気が入る隙間は、多分もうない」

「な、なんか、お肉が白いんだけど……!?」

「タンパク質に力を使うと、たまにこうなる。わたしはあまり賢くないから、よくわからないけど、変性によって白くなる…………これは食べれない?」

「わかんないけど、それも焼いてみよっか」

 びじょんの悲しそうな表情を見ていると、つい励ましたくて、そう言ってしまった。言ってしまったが、このお肉は食べられるのだろうか。

「そっか。びじょんちゃんの能力って、圧力みたいなのを操る感じ?」

 圧力から解放された肉は、少し膨らみを取り戻してきた。それを見て、今朝の潰されたテーブルを思い出したのだ。まだその辺に転がっているだろう。

「わたしは分子の結合を強くできる。結果、圧力がかかったような状態にはなるかも。ギュッと」

「テーブルみたいに?」

「うん。あのテーブルにはかなり強めに力を使ったから、この肉みたいには、簡単に結合が解けない」

「すごいね!? 圧力鍋みたいに、うまく能力を使えたら、お料理に活用できるかも!」

「料理に? それはすごい。わたしの力が料理の役に立つなら、本望すぎる」

「びじょんちゃんってば、圧力鍋子!」

「おおおお、圧力鍋子ー」

 変なノリになってきた。

 今日一日で、ちょっとお互いのことを知って、それなりに仲良くなれた気がしたひよ子だった。




「ハンバーグ。焼けるのまだかな」

「もうちょっと待ってね」

「この匂い、たまらない。ニンニクサイコー」

「うんうん、ニンニクサイコー!」

 口をポカーンと開けて、びじょんは今にもヨダレが垂れそうな顔をしている。

「びじょんちゃんのコネ……潰し……クシャッた? なんて言ったらいいんだろ。圧力をかけたお肉? ちゃんと食べれそうだね」

「良かった。肉になにが起きたのか、リーダーなら詳しく説明してくれたかもしれない」

「リーダーさんって、どんな人なの?」

「小難しい話をよくしてくる人」

「あ、あはは。賢い人なのかな。わかんないけど」

「賢いか知らないが、わたしより長く生きていて、知識も多いはず」

「そうなんだ。びじょんさんって、そういえばいくつなの? ……歳、聞いても良かった?」

「聞くのはかまわないし、答える。実際に流れている年月から考慮すると……いや、ひよ子の星の年月で答えなければ」

 びじょんは首をかしげ、悩ましい表情になった。

「計算も得意じゃない……」

「ゆっくりでいいよ。ハンバーグが完成するには、もうちょっとかかるし」

「三歳。かな。多分」

「さ……三歳!?」

 驚きのあまり、フライパンを落としそうになった。

「冗談? だよね?」

「冗談は得意じゃないと、伝えたはず」

「そ、そうだったね。びじょんちゃん、若すぎだよ」

「確かに、ホムサイダーズで一番若い。でも、わたしが三歳なら、驚くようなことなの?」

「地球で三歳っていったら、もっと小さくて、やっとお喋りが出来るようになってきたくらいっていうか……」

「それは知らなかった。わたしは造られた時と肉体的な外見は、今とあまり変わらない。外傷などをうけたり、髪を故意に切らなければ、ずっとこのまま」

「生物としてのあり様から、地球人とどこか違うみたいだね……」

「うん。違うね」

 それでも仲良くなれてきた。と、ひよ子が勝手に思っているだけかもしれないが。

「ちなみにリーダーさんは、おいくつなの?」

「正確な年齢は知らないが、千年は生きているはず」

「せんねん!? びじょんちゃんとリーダーさんって年齢差ありすぎ!」

「そのリーダーが、わたしを造った。従って少なくても彼女は三歳以上、歳をとっている」

「それはそうだね……」

 ひよ子は苦笑し、フライ返しを取る。そしてフライパンの蓋を外して、ハンバーグをひっくり返した。

「そういえば、びじょんちゃんは、自分を造ってくれた人を好きじゃないの?」

「どうして、そう思う?」

「神社で、『製造者』の話をしてた時、とても冷たい感じだったから」

「好きじゃない、とまでは言わないけど」

「……苦手?」

「そう。少し苦手」




「少し苦手ですか。少し傷つきましたね」

 床まで届く長い黒い髪の少女は、そう言って、自嘲するように片眉を上げた。その目には深々と青黒いクマが刻まれている。

 薄暗く真っ黒な部屋の中央にある椅子に腰掛けて、めでぃはモニターを眺めている。

 その画面には、ひよ子とびじょんが映っていた。

 テーブル部分には鍵盤のようなものがついており、彼女はそれをパイプオルガンを弾くように押した。するとモニターが暗転し、かわりに音楽が流れ始めた。パイプオルガンを奏でるような曲だ。自動演奏のように、鍵盤が弾かれていく。

 ここは、いわゆる宇宙船の中の一室だ。船は、ひよ子の自宅の上空に位置している。

 モニターの光源がなくなり、広い部屋の闇は深まった。高い天井には光も届かず、ただ頭上には暗がりが広がっているだけだった。

 そんな部屋の隅からクスクスと笑い声が聞こえてきた。めでぃは床を蹴って椅子を回転させ、気だるそうに声のほうへと体を向けた。

「飼い犬に手を噛まれる気分はどうデスカネ、めでぃ」

「その気分については、キミのほうが詳しいのではありませんか? ねぎ」

 部屋の隅の床に木が生えている。その太い枝には大きな鳥かごが下げられていた。中には深々とフードを被った少女が、ペタリと鳥かごの底に座り込んでいる。

 ねぎと呼ばれた少女は、抱きかかえている二つの人形に頬ずりをしながら、微笑んだ。

 黒い人形に、白い人形。ねぎの服は、ちょうどその二つを混ぜたような色をしている。

「まあ、例えに使っておいてなんデスケド、犬という存在は、知識上でしか知りませんネ」

「キミより、地球人に飼われた犬のほうが、まだ自由な生活を送っていますよ」

 違いありません、と笑い含みに言い、ねぎはニヤつくように口角を上げた。

「びじょんと交わした約束。本気デスカ? 条件を満たしたら刈り取りを止めるとかイウ」

「今日は鳥がよく鳴きますね。かごの中の生活に慣れてきたからですか?」

「意外と快適デスヨ。なんなら今すぐ交代しましょうカ?」

 アンティーク調の鳥かご、中には鳥をイメージしたかのようなデザインの、灰色のケープを着ている少女。それは一つのオブジェのようだった。

 めでぃは彼女の言葉には答えず、再び椅子を回転させて、モニターのほうへと体を向けた。そして鍵盤を弾くと、モニターに地球上の映像が、いくつも表示された。

 草原や砂漠、海上や山林。汚い町から、綺麗に整った都市部まで映し出されている。

「様々な生物が、様々な行動を取り、この星の中で蠢いています」

 めでぃの言葉に、ねぎは興味がなさそうにフフンと鼻を鳴らした。

「刈り取る対象を観察して、なにが楽しいんですかネ」

「約束の時間までの暇つぶしです。砂が落ちきるまでの」

 その言葉に、ねぎは自身が入っている鳥かごの対角にある大きな砂時計に顔を向けた。

 人が一人、すっぽり入れるくらいには大きい。中央部分のくびれが邪魔で、実際には入れないが。

 その砂時計はサラサラと音を立てて、時を刻み続けていた。

「この黒い砂は一ヶ月で落ちきります」

「一ヶ月後にアラームが鳴るように設定してるくせに、無駄な装置デス」

「好きなのですよ。こういう不思議な雰囲気のある地球の装置が──」

 言葉を言い切る前に、会話を遮るように部屋の扉が開く。扉は中央が開くと同時に、左右へ収納される機械的な物だ。

「お話し中、失礼しますわよ。お邪魔しますわ」

 やたらと高圧的な笑顔を浮かべた少女が、水色の髪をなびかせて部屋に入ってきた。彼女の瞳や、ドレスのような服も髪と同じ色をしている。身長が155cmのめでぃに比べて、半分程度しかない背丈を補うように、少女はフワフワと浮かぶ機械に乗っていた。

 球体を半分に割って、その下半分が浮いているような、そんな機械だ。

挿絵(By みてみん)

「なんの用ですか、みっしょん」

「わたくし、暇ですの」

「約束の期日まで、部屋で暇しててください」

「お断りですわ」

「……みっしょん」

「びじょんも、どうせ資源少女なんかに好意は抱きませんことよ」

 資源少女とは日和見ひよ子のことだろう。確かに、めでぃたちからすれば資源にすぎない存在ではある。あるが資源少女とはなんだろう。

 水色の小さな少女、みっしょんは常に他人より高い位置にいなければ気がすまないという妙なこだわりを持っている。なので、めでぃやねぎが見上げなければいけない位置に、彼女は浮いていた。

「やってみなければ、わからないでしょう」

「資源は刈り取り、邪魔は排除する。それが、わたくしに課せられた任務ですの」

「間違ってはいませんが」

「びじょんが資源少女を好きになるかどうかで、刈り取りを遂行か否かを決めるなんて、ナンセンスですの」

「そう言われましてもですね」

「どうせ、搾取されて滅ぶ命。わたくしが直接、手を下してあげますわ」

「……え?」

「びじょんも、目の前で日和見ひよ子をキルされれば、好きになるもなにもなくってよ!」

「なに勝手なことを言ってるのですか」

「資源少女の日和見ひよ子。あなたを今回の刈り取りの、ファースト・ブラッドにしてあげましてよ、おーほっほっほ!」

 高笑いをしながら、みっしょんは部屋から出ていってしまった。

「しょうがないチビッ子ですね」

 めでぃはこれ以上、彼女を説得したりするのも動くのも面倒くさいので、成り行きに任せることにした。

 鳥かごからクスクスと笑う声が届いた。




「ごちそうさまでした」「ごちそうさまでした」

 ひよ子とびじょんは同時にハンバーグを食べ終えて、器へ向かってお辞儀をした。

 キッチンの床に置かれたトレイには、デザートの夏みかんも並んでいる。二人は、そのトレイを挟んで、向き合って座っていた。

「美味しかった? ハンバーグ」

「とてもすごかった。素晴らしい味としか言いようがない、本当に美味しかった」

 目を輝かせ、びじょんは全力で喜んでくれている。

 手料理を食べてもらって、喜びの感想を頂戴する。なんだか幸せを感じる。

「まだ一日も経っていないけど、楽しかった」

「わたしも楽しかったよ」

 ひよ子に頷き、びじょんは夏みかんをジッと見つめた。

「信じてくれてありがとう」

「なにを?」

「わたしの目的や話を」

「まあ、信じない理由もないし、お客さんは歓迎だったというか」

「とても、もてなされている。その客は満足しているらしい」

「そかそか。ふふ、嬉しいよ。夏みかん食べる?」

「うん、食べる」

「みかんも美味しいと思うよ」

 びじょんは嬉々として、みかんへ手を伸ばす。

──こんなに温かい一日は久しぶりかも。

 ひよ子は微笑み、みかんを頬張る。

 二人の生活初日は、こうして和やかに幕を閉じた。



次回更新は来週金曜日です。

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