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第二十二話 海の支配者③



「やった!?」


 爆発して、よく見えないが直撃したことは間違いない。


「ギュアアアアア!!」

「な、なんで!? きゃあっ」


 ――わたしの鉄の槍は確実にリヴァイアサンの頭部を捉えていた。

 それに、切り札の影響で魔法の威力はあがっているし……周囲の環境も最悪。だというのに、リヴァイアサンはなんでもないように、その魔法を防いでしまっていた。

 ……やっぱりわたしなんかの魔法では、あの鱗を貫くだけの威力を用意することができないのだろうか。


 ――いや!


「そんなことで、諦めてたまるもんですか! ハアアア!!」


 再び魔力をかき集めて、魔法を放とうとするが……先の魔法の反動が酷く、思うように魔法が制御できない。

 だけど、諦めたりなんてしない。

 死に物狂いで、必死に魔力を操作して――再び、リヴァイアサンに魔法を放とうとしたその瞬間の出来事だった。


「――ッッ、痛っ!?」


 ズキン――と脈打つように頭の横が鳴り響いた。

 すると、不思議なことに枯れかけていた魔力が湧き上がるように、あふれ出てくる。……泉のそこから水を引っ張り出してきたような感覚……一瞬で、これはいけないものだと思うけれど――あいつを倒すにはこれしかないと、わたしはその泉から大量の水を救い上げて――


「――――【アイアン:スピアフォーム】、【フルメタルエンチャント】!!」


 生み出した鉄の槍を飛ばすのではなく、手に持って、全身に金属の性質を付与する。重さのない全身鎧を纏う、という表現をすればわかりやすいだろうか。

 それでわたしは、今度こそ貫くという意思を込めて……その目まで駆け上がり、


「うああああああ!!」


 思い切り突き刺して……その衝撃は、遠く離れた海まで届いていて――終わったと思った瞬間に、力がふっと抜けていき、意識を失ってしまうのでした。





 ――なにやら、ものすごい衝撃がとどろいていました。


「う、がっ……まさか、リヴァイアサンがやられるとは……」


 私は寝込みを襲ってきた魔族を返り討ちにして、地面に叩き伏せていると……ズシン、と巨体が倒れたような音を感じ、無事に倒せたのだと察知することができました。


「さて、あなたにはここで――」

「……っ」

「死んでもらいましょうか」


 とくに目新しい情報もなく、用済みな魔族を光の剣で首を撥ね……一応、布でくるんで持ち帰る準備をしておく。

 リン様はすでに目を覚ましており、冷凍漬けにして死体が腐らないようにしてくれる。


「さて、早く回収して……陸地に戻らないといけませんね」


 おそらく、気絶してしまったであろう三人組を……崩れ始めた大地を見ながら、回収しに行くのでした。

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