第二十話 準備
マキアさんが立ち直り、私たちは計画を晴れて実行することが可能となりました。
そこで改めて、立てた作戦の概要をみんなに伝えていきます。
・まず、マキアさんが【土塊の魔水晶】を使用して、リヴァイアサンの周辺の足場を形成して地の利を奪います。
・そして、その間の攻撃を私とリン様で全力で防ぎます。
・水を失い弱体化したリヴァイアサンを温存しているアレクくんとアリスさんで仕留める。
「――という感じです。なにか質問はありますか?」
「……質問っつーか……オレらでまず、リヴァイアサンを倒せるかどうか、分からえねーじゃねーか……」
「そこは、なんとかしてもらわなくては困ります。……いまのところ、マキアさん以外に見せ場がないので、チャンスではないのですか?」
そう発破をかけてやると、急にやる気を出して「やってやらぁ!」と言っていたので、ちょりですね。
とはいえ、そこは不確定要素すぎるので、……私とリン様も防御に余裕があればフォローするつもりですが……あの閃光を何度ども受け止めるとなると、魔力的にそんな余裕があるとは思えません。
とくに私は魔力に依存した戦い方ですし。
「…………それに、敵が魔物だけとは限らないんですよね」
いまだに目撃情報のあった魔族についても不透明なままですし、おそらくリヴァイアサンを討伐したところで仕掛けてくるか……もしくは妨害してくるのか。
それも注意しなければいけないのですが、現状最も有功打を与えられるのは『光魔法』の使い手である私しかいないので、余力は少しでも取っておきたいです。
「さて、それでは……これを配っておきましょう」
私はとりあえず思考を切り替えて、用意しておいた袋をどさりと机の上に置きます。
そして中から、青い液体が入った小瓶を取り出し……その中身を理解したのか――三人は、顔を青ざめてさせていく。
「ね、ねえ……それって、もしかしてだけど……」
「はい。魔力を回復させる――『マナポーション』ですね。それも、そこそこ高級な」
「ひぇっ……!?」
まあ、けっこう値段は張りましたけど――どうせ、経費で落ちますしそこまで気にすることもないでしょう。
ここで惜しんで、失敗しても嫌ですし……準備は万端にしておかないといけません。
「な、何本あるんだ?」
「え……っと、何本でしょう? とりあえずこの街にあるものをすべて買い占めたので、あまり数は数えていませんね」
「えぇ……」
まあ、これは均等に分けて、各自で共有しながら使っていきましょう。
とりあえず、これで魔力の心配もあまりしなくていいですね。……あとは、マキアさんが本番にどこまで、魔法を開花させることができるのか、それにかかっています。




