第十九話 決意
短い……許して
――マキアさんの協力なしでは、リヴァイアサンを倒すことは不可能に近いだとういう結論に至り……なんとか説得しなければいけなくなりました。
けれど、肝心のマキアさんは自信がなく――さらに言ってしまえば、あの閃光を間近で見てしまったことが原因なのか……立ち向かう気力すらないように見えてしまいました。
なので、私はとりあえず話しかけてみようとマキアさんの部屋を訪れることにしたのでした。
「……マキアさん。私です……入ってもいいですか?」
「どうぞ……」
きぃ、と扉を開けると……布団にくるまって、完全に殻に閉じこもっているマキアさんがそこにはいました。
……そういえば、兄さんも一時期こんな姿になっていたことがありましたね。そう思うと、なんだかすこしかわいく見えてくるのはなんとも不思議で――ちょっと笑ってしまいました。
「……なんですか。なにか用でもあるんですか?」
「いえ、ただ少しお話をしようと思いまして」
「……情けないって、そう思っているんでしょ?」
「……」
……まあ、なんとも、めんどくさいことこのうえない発言ですね。とはいえ、別にそこまで面倒でもないので、私はマキアさんに近づいていき……布団のうえからそっと手を当てて話しかける。
「……そんなことは思いますけど……ですが、あんなものを近くで感じれば仕方ないというものですよ」
「っ、で、でも! ディーリヤさんは何ともないじゃない!!」
「それは――まあ、人それぞれというやつですよ」
実際、私は兄さんのこと以外であまり感情が動くとは思えませんし……私のすべては兄さんのためといっても過言ではないので。いえ、まあ、それはひとまず置いておくとして……
「だから、別に怖くてたって……逃げたっていいんですよ。でも、……それでいいと思えないからこうして、ふさぎ込んでいるんですよね?」
「そ、そんなことは……」
「……まあ、正直あなたが立ち直ってくれないとリヴァイアサン攻略は厳しいんですけどね」
「……っ」
でも、そこは私の『光魔法』で、なんかこう都合のいい魔法でも開発すればいいだけなので……できないとは言い切れないんですよね。
まあ、いまここでそれを言う必要はないので黙っておきますけど。
「ご、ごめんなさい……」
「……いえ、あまり気にしていません。まあ、無理強いはさせられませんし……まあ、マキアさんが無理な時は、船でも漕いでやりますよ」
といって、なんてことのないように振る舞う。
実際は荒れた海の中で船を漕ぐなんてことはできないのですが……まあ、どうとでもなるでしょう。
ですが、マキアさんがいれば……成功率は一気に跳ね上がります。
「……」
「まあ、今日のところは帰ります。……また明日」
私はそうして、部屋を出て……自分の部屋に帰るのでした。
***
来る日も来る日もマキアさんの説得をし続ける――なんてことにはならず、翌日になるとマキアさんは自分の意思で部屋からでてきて……
「リヴァイアサンの討伐は……わたしがやります!」
といって、その目は決意に満ちていました。




