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第十四話 リングベル・フィーアスの実力①





「ん……」

「あ、起きた?」

「ここは……」


 目を覚ますと、見慣れぬ部屋のベッドで寝かされていました。

 少し見渡してみれば、横には例の三人組も寝かされており、私は直前の出来事を思い出して……慌てて、起き上がります。


「……っ。つぅ……」

「こら、まだ安静にしていないと駄目」


 リン様にそう窘められて、私はしぶしぶベッドに戻りますが……頭に響く鈍痛は収まる気配を見せません。

 魔力切れ、……久しぶりに感じる頭痛に私はベッドに倒れこみしばらく安静にしていようと決意する。


「ディーリヤのおかげで被害はゼロ……だけど、あんな無茶はダメ」

「はい……申し訳ありませんでした」

「うん。それと、あれくらい(・・・・・)の魔法なら私でもなんとかできたから」

「えぇ……」


 まさかの事実に、私は悔しさと頼もしさを感じつつ……三人組が起きるのを待つのでした。



***



 マキアさんたちが起きると、すぐさま寝惚けているアレクくんを起こし謝罪させ……そうして、改めて私たちに同行させてほしいことを告げました。


「……まあ、実力……とくに連携は目を見張るものがありましたし構いませんが……最後にマキアさんが使った、あれが気になりますね」

「あ、えと……それは、わたしのご先祖様が使っていた特別なアイテムらしくて……『土塊の魔水晶』って言うんですけど、あれは土属性の魔法を強化してくれるらしいんです」

「へぇ……つまり、聖剣というのもそういった光属性を強めるアイテムだったりするのですか?」

「そう、ですね。詳しくはアレクとかアリスの方が詳しいので」


 といった具合で、気になることも解消できたわけですし……ちょうどお昼時ということで、みんなで食事を摂ることになりました。



「オレはステーキ!」

「私はーサンドイッチでー」

「わたしは……うーん……悩むなぁ」


 性格が現れる選び方ですが、私は魔力切れで頭痛が酷いので、食べやすいリゾットを注文しました。

 リン様は、普通にスープとパンですね。


「よしっ、わたしはこれにしよ!」


 そうして悩んだ末にマキアさんは串焼きを注文して、がつがつと豪気に食べていきます。


「うわーお二人とも食べ方綺麗ですね」

「そうですか? これくらい普通で……」

「はっ、あれだろ? そこのちびは、貴族なんじゃねーの」

「む……まあ、元が付きますが」


 ちびという単語に反応してしまいそうになりますが、そこはなんとか大人の対応でスルーしたあげましょう。

 というよりも、確かに所作なんかは私と三人組で違いはありますが……ほかの冒険者と比べてもだいぶきれいなほうだと思います。

 きっと、育ててくれた人がよかったのでしょう……私と違って。


「んーっ! おいしい!」

「だな! これなんか、脂がのっててうまいぞ!」

「私はー野菜が甘くておいしいですー」


「……」


 仲睦まじいですね。

 見ていて微笑ましいです。……できることなら、ここに兄さんもいてくれたら、もっと楽しかったのに。

 今頃、兄さんは何をしているんでしょうか? 魔法に目覚めたようなので、きっと冒険者として活動しているはずです。

 たしか、冒険者証と呼ばれるものが発行されるので名前も知っているはずですし……食べるものとかに困っていなければいいのですが。今は生きていることしかわからないので、もう少し詳しい情報がほしいのです。


「どうかしたディーリヤ?」

「いえ、少し考え事を」

「そう。……それより、食べ終わったら依頼に行くけど……疲れてるなら、休んでてもいいよ」

「あーそういえば、今日はもともとその予定でしたね」


 三人組に出会って、模擬戦をしてしまったせいかすっかり忘れていました。

 たしかに、疲れてはいますが……ここで休んでいても、もったい無い気がしますし……


「見学だけ、ということになりますが……着いて行きたいと思います」

「うん。無理だけはしちゃだめ」

「ありがとうございます」


「えっ!? なあ、オレも見てみてえ! 『氷上の妖精』の実力!」

「ちょ……っ。声が大きい!」

「けどよぉ……マキアだって見たいよな?」

「うっ、それは……」

「……別に、邪魔しなければついてきてもいい。けどあまり安全は保障しない」

「構いやしねえ!」

「うーん……まあ、勉強と思えば」

「私はーいいですよー」


 ということで、私とリン様だけだった依頼は急遽、五人で向かうことになりました。

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