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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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勇者と魔王の二律背反 ~幼馴染みに裏切られジョブとスキルを奪われた俺は、魔王に殺して欲しいと頼まれました~

作者:しろさい
「悪い事は言わないわ、冒険者は……諦めた方が身の為よ?」

あの日、ギルドの受付嬢は心底面倒臭そうにため息を吐きながら、夢見ていたシャルルに深い絶望を与えた。

幼なじみ三人でパーティーを組み、仲間を集めて、目標は大きく魔王討伐のはずが……
他の二人は選ばれし【勇者】と【聖女】で、シャルルが『神託』を受けたのは、最底辺なジョブと使えないスキルが一つのみ。

数ある魔法系統職の中でも最底辺──【毒魔法使い】
覚える魔法は、微々たる継続ダメージを与え続けるしか価値のない《ポイズン》一つだけ。
いわゆる、外れスキルと呼ばれる──『スナッチ』
敵を倒す事でスキルを習得出来る筈なのに、余りの確率の低さからか、成功したと言う記録は残っていない。

荷物持ちとしてパーティーに残ったものの、潜ったダンジョンであり得ない強敵に遭遇し、仲間の取った行動は……シャルルを囮にしての敵前逃亡。
シャルルに迫り来る、死の抱擁。
絶望に抗え、運命を覆せ、最底辺から脱却しろ──

「あなた──、本当は勇者だった癖に、その役割を奪われたのね? なんて……面白い生き物なのかしら。【魔王】になれるのは、【毒魔法使い】だけなのよ。私が、かつてそうだったように。──ふふっ、お願いがあるの。私を……殺してくれない?」

蠱惑的な笑みを浮かべながら、魔王を名乗る可憐な女性はそういい放った。
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