対策班、入室!
「俺が、対策班に……」
「いや、待ってください。まず、対策班は何をするんですか?」
透磨が留めるように間に入る。
「っと、ごめん。流石に単刀直入すぎた」
「対策班ってのは、今回みたいに大型モンスターと呼ばれる異常なモンスターの討伐が目的なんだ」
「……それだけですか? 活動内容が具体性を帯びてませんが」
「だってそれ位しかないんだよ。後は……人命救助?」
「人命救助って……光坂、もうお前に任せるよ」
「そ、そうか」
何か反抗してるように見えたが。
大型モンスター……確かに強かったし、アンリーシュしなきゃ全く勝てなかっただろう。
そのアンリーシュ、死の宣告だって使った後にぶっ倒れるのは、色々大変かもしれない。
だが……
(あの気持ちよさ、白熱した戦いをまたやってみたい! 楽しみたい!)
例え代償付きの力でも、いや、だからこそ!
「いいですよ。対策班、入室します。透磨もいいよな?」
「……あーあ、はいはい分かりましたよっと。俺も入室しますよ、怪しい班に」
「……」
透磨が言った瞬間、みんなが黙りこくる。
すると……
「おめでとう!」
パン! パパン! パン!
「え、え? え?」
対策班の4人がクラッカーを引いた。
急のことで唖然としてしまう。
「いや~無事入ってくれて嬉しいよ。もし無理って言ったらどうしようかと」
「ありがとね光坂、透磨! これは大袈裟かもしれないけど」
「……おめでとう」
「全く、掃除が大変になりますね。まあ、先輩方、ありがとうございます!」
クラッカー……なるほどドッキリってやつか! 驚いた。
透磨を見ると、何か思いつめた様になってる。
「透磨、お前も素直に喜べよ」
「……まあ、分かったよ」
「ふふ、2人とも驚かされたね」
俺のポケットから綿、いや律葉さんが出てくる。
そう、なんとこの綿……どんな隙間にでも入り込めるらしい。
移動も目立たないようにポケットに入っていた。
「あ! お姉ちゃん! って、光坂には説明したんだね」
「うん、まあ大体はね」
空飛ぶ綿はこの部室内をぐるぐる回る。
様子を見る限り他の奴とも知り合いみたいだ。
「おい、光坂。お前のアンリーシュの力、教えてくれないか?」
通雷先輩が待ちかねてたように質問する。
さっきまで妙に暗かったが、いつもの先輩だった。
「俺のマギアの能力は……!」
ブラック・イデアリズムとバッド・エンドを生み出した能力名も、頭の中で分かる。
このことも伝えておこう。
「条件付きの即死能力と、強力な術技を生み出す想造です」