#02 超能力
千欧の前に現れたパーカーの少女とそれを追う謎の男、その男の狙いの矛先は千欧にも向く事になる。
「嘘!? まさかこんな所で第2位と出会えるとはな……ちょうどいい、俺の実力を試してみるか。」
えっ待てよ、コイツはまさか俺と戦う気なのか?…俺はもう記憶のあった頃の僕じゃないんだ…とか言っても許してくれないだろうね。
僕は逃げた、全速力で…。
第2位が他の能力者から必死に逃げる姿は笑い者にされても可笑しくないものだった。
だからってどうすれば良いんだよ! 仕方ないじゃないか、能力の使い方も覚えていない僕じゃどうしようもないじゃないか。
「ねぇねぇねぇーなんで逃げるの第2位様、強いんでしょ? なら逃げないで戦ってよ。」
逃げた先は行き止まり、詰んだ…。
なんでだよ、なんで僕がこんな目に遭わなくちゃならないんだよ。
「はっ? 馬鹿にしてんの、逃げてないで真面目に戦ってくれませんかね。」
ヤバい…この窮地をどう打破するか。すると目の前で炎が吹き上がり、渦を巻いた。
すると身体が急に持ち上がっる。
気付くと歩道の真ん中に立っていた、何だか分からないけど僕は走った。
また後ろから曲線を描く光線が飛んでくる。
と、いきなり裏路地に引きずり込まれた。するとそこにはあの助けを求めて来た女がいた…そうか、あの炎はこの子が使って…僕を助けてくれたのか。
「早く逃げますよ、こっちです!」
手を引かれ路地裏の方に入って行く、路地裏を抜けると何処の公園だっだ。
なんとか撒いたようだ。
この子は何故あの男には追われていたのだろう?…その事を聞くと、この子は魔法使いなのだがあの男が急に襲い掛かって来たので自分も何で狙われているのかは知らないと言った。つまり目的はあの男にしか分からないという事か。
言葉を余裕で搔き消すほど爆音が……。
またか、さっきの男がまた来たのか!…どうする早くここからーーーー!? 横を振り向くとかあの少女が倒れていた、どうやら壊れた何かの部品が当たったのだろう。
「おい!お前、何故この子を狙う!?なんの恨みがあって…。」
男はニヤリと笑い、返答無しで攻撃を仕掛けてくる。ヤバい、殺される!!…なんとかしないと。
飛んできた光線を紙一重で回避した。
もしかしたら次は当たるかもしれない…でももうそれでも避け続けるしかないよな。
「おいおい、避けるだけじゃいつか当たるぜ。」
そうだ、避けるだけじゃ駄目なんだ…アイツを倒す算段がないと。
でも避けるに少し慣れて来た、これなら…。
光線を回避した、と思った瞬間にもう一つ放たれ光線が……。
「うわっ! 直撃、第2位は無事かなぁ?」
光線は真っ直ぐ千欧の身体目掛けて放たれ直撃、だが煙が立つの中で立つ人影がそこにはあった。
魔法使いの少女を追いかけていた男には曲線を描く光線を放つ能力があった、そしてその攻撃が千欧に命中する。