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(2)A 2018年1月 学校・生徒自治会連絡会議

2018年1月 日向肇


 冬休みが明けると来期行事日程を学校側と調整する会議があった。といっても双方が新年顔合わせを兼ねて行う会議での確認作業に過ぎない。2017年6月の会長選で古城が対抗馬の公約に相乗りした文化祭日程の2日間化は校長先生の計らいで秋から実施されていたしあとは定例的なものばかりで懸案事項はなかった。


 会長たる古城を筆頭に副会長の陽子ちゃん、加美さん、監査委員を代表して俺が職員室脇の会議室に行った。

学校側からは教頭先生、宮丈みやじょうこと宮本先生が出席して滞りなく日程書の交換、確認をした。


「こちらからは以上だ」


 そう宮本先生がまとめた。これに古城が応じた。


「生徒自治会からの追加事項はありません」


 宮本先生は俺たちを見回して言った。


「例年言っている話だから言っておくだけだが、まずは決算を終わらせて新年度は新入生受け入れ関係イベントとその後の会長選挙の対応も進めて欲しい」

「はい。言われた事項は生徒自治会の重要事項だと思ってますので、バックアップをよろしくお願いします」


 古城は笑顔で応じた。こいつ、全面論争になったら完全勝利を目指す攻めの性格をしているが平常運行モードでの折衝能力はソツがない。陽子ちゃんに言わせればモノグサな性格のおかげで普通の折衝事はわりと右から左に流して対応しているおかげかなという事らしい。そしてどうでもいいと思っている事は陽子ちゃんに回そうとして押し戻されるというコメディがよく起きるのだった。

 そして先生お二人と生徒自治会三役、つまり古城、陽子ちゃん、俺が書類に署名して会議はあっさり終わった。教頭先生は去年のいざこざのせいかこういう時はダンマリだ。宮本先生が普通に進めてくれるので助かる。


 出席者全員で生徒自治会室に戻ると古城執行部名物のコーヒータイム。毎度お馴染みになった光景がまた繰り広げられた。


「なんで、また私なのかな」

「冬ちゃんが弱すぎるのよ」


 またもや古城が負けた。ぼやく古城に対してみんな微笑みで応じてる中で容赦ない陽子ちゃんの指摘。3回に1回は古城だものなあ。これにはタネはあるが案外本人が気付かないものだなと思ってついニヤニヤしながら眺めている。気付かないあいつが悪いのであって見抜いた我々に過失があったとは考えらえれない、なんてね。


 ちょっと気になった事があったので聞いてみた。


「古城、お前、ひょっとして家では妹さんにジャンケンをよく負けてないか?」

「えー。どうしてわかるの?」

「なんとなく、だな」


 いやあ。ミアキちゃんも観察眼が鋭そうな子だから気付いてるみたいだな。本当に古城は気付いてないのだろうかと不思議になって来た。


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