暖かい夢を見る
初めての作品なので見切り発車に近いです
拙い部分や間違いが多いと思いますが
暖かい目で見て頂けたらと思います
男は夢を見ていた。
ここでは無いどこかで自分は友人と思われる人達に囲まれていた、姿形も年齢も性別も違う様々な人達と笑いあっていた。
各々が話しをしながら笑ったり、怒ったり、顔を真っ赤にして俯く者もいた、そんな不思議な夢だった。
男は楽しそうな奴らだなと思いつつ
「お前らが楽しそうに笑ってて俺も嬉しいよ」と小声で呟いた。
近くで大酒を飲んでいた男の耳に入ったらしく
「楽しそうじゃねんだよ、楽しいんだよ!
お前も人事みたいに言わないでこっち来て酒飲んで騒げよ!俺が馬鹿みたいだろ」
「実際馬鹿だろう?」
近くにいた女性にはっきりと言われてる
「おう!難しい事はお前らに任せて俺が馬鹿みたいに真っ先に突っ込んで切り進んでるからな!実際馬鹿だしな」
「馬鹿だってことを誇るんじゃないよ…」
このやり取りをしている女性は溜息をつき、男は豪快に笑い、周りは笑いながら囃し立てる。
「また宴会恒例の夫婦漫才か!」
「いい加減付き合えばいいのに…」
「もしくは振られろ、後はもげろ」
各々が思い思いの事を口に出す。
女は俯き、男は豪快に笑う。
楽しい時間は刻々と過ぎていく。
かなりの時間が過ぎた頃に解散をした、飲み足りないものはほかの店でまた飲むらしい、俺もあの男にかなり飲まされて帰る方だが、ふと名前を呼ばれた。
『〇〇、楽しかった?』
「あぁ、久しぶりに楽しかったよ」
『そいつは良かった』
反射的に返したが違和感があった、名前を呼ばれたと分かったのに自分の名前が聞こえなかった、何より名前を呼んだ相手の顔も名前も俺は知らない。
俺は振り返り呼んだ相手を見た、女性だった、だが顔を認識できてるのか分からなかった、彼女は声色に寂しさを含みながら
『声は届くけど、私達の名前と顔はまだ分からないんだね…』
「そうだな」
『寂しいなぁ、早く戻ってきてね』
彼女はそう言いながら悲しそうな声色でそう言った。
俺の視界は暗転していった。