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Lv1冒険者が神になるまで  作者: 韋駄天使
第二章 ダンジョン攻略始めました
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幼女の魅力と神の無茶ぶり

「ほぉー!あんなチンケな欠片ばかりで中々の額になるんじゃのぉー!」先程ギルドで換金して得た今日の収入見ながらリブが目を輝かせる。


「ん?お前さんや。それは売らなんだのか?」そう言ってリブが近寄ってくる。それとは、僕達が初めて倒した魔獣。ガーゴイルの魔石だった。


「うん。初めて記念で。どうしても取っておきたくて」少し申し訳なく話す僕。ガーゴイルは基本宝を守る守護者であり、強さの割に個体数が少ないため、その魔石は貴重らしい。売れば一つで、今日のダンジョン分以上のお金が貰える程らしい。


「そう構えんでもよいわ。我はお前さんの主ぞ?あの魔獣を、倒した時のお前さんの頑張りも知っていれば、この魔石を小娘から貰ったときの喜びも知っている。あの討伐で我は手出ししていない。それはお前さんのものじゃ。肌身は出さずもっとおくといい。いつか役立つかもじゃしのぉ。それを含めて及第点と言ってやったんじゃがなぁ。ちと言葉足らずじゃったかのぉ?」

そう言って高らかに笑うリブ。

豪快さの中の繊細さ。荒々しさの中の優しさ。神々しさの中の人間らしさ。

それが彼女の魅力なのだろうか。

「はよぉせぇお前さんよ。我は腹が減ったぞ」

そんなことを考えながら僕は彼女たちの所に走って行った。




次の日の朝。ダンジョンの入り口が開放される時間に会わせて、僕達四人は首都はエルダットに来ていた。


「今日はどうしますか?2階とか目指しますか?」ルルムが口を開く。


「えー!もっと奥目指そうよぉ-!僕最近何もしてないからさぁ-!」

「まぁ。地下5階くらいまでいってみるかのぉ?」

やはりこう言う事に関しては僕の意見は要らないらしい。


そうして僕達は五階を目指しダンジョンに入っていった。

ここエルダットのダンジョンは珍しいらしく、毎日夜の間にいくつかの階層を除いて、その地形を変化させるらしい。

だから決まったルートが無いのだ。


「やっと地下五階についたのぉ。もう地上ではお昼くらいかのぉ?腹が減ったぞ。お前さんよ。」基本背中に乗っていただけの赤髪幼女がそそくさとくつろぎ始める。


「リブ。危ないよ?ご飯にするならもうルートも分かったし、3階くらいまで戻らない?」僕が諭すが……


「心配要らんぞ!フェンリル!ドロンじゃ」

「はーーい!ドローーーン!」リブの声にあわせてフェンリルが狼の姿に戻る。


「この姿のフェンリルが居れば、いくらあやつらでも襲ってなどこまい。さっ!ランチタイムじゃー!」

幼女ははしゃぐ。

幼女はお弁当箱を開ける。

幼女はお弁当箱の中にステーキを見つける。

幼女はステーキをみんなに見せつける。

幼女はステーキを落とす。

幼女は泣きそうになりながら僕の元へやってくる。

幼女は僕のステーキを取って逃げていく。

幼女はコケてステーキを落とす。

幼女は顔を真っ赤にしながらフェンリルの元へ歩いていく。

しかし!

幼女がフェンリルの元へ着くまでにフェンリルがステーキを食べる。

幼女は盛大に泣く。

見かねたルルムがステーキを渡す。



「いやぁ!うまい肉じゃったのぉ!!」

何事も無かったかのようにリブは話す。

「小娘よ。本当に感謝しておるぞ!お主への恩は一生忘れぬ。」

………

「ねぇリブ。食べ物の恨みは……!!ハハハ」彼女に一言言おうと振り向くと、そこには変顔した赤髪幼女の姿が。


「笑ってしまったのぉ。お前さんよ。笑ってしまったものはしかた無いのぅ。さっきのことも笑い飛ばすのじゃ。」


そんなわけで僕は食い物の恨みを魔獣達にぶつけることにした。


しかしさすがに駆け出し冒険者からすると五階はなかなか苦しかった。

出てくる魔獣も、ゴブリンからオークへと変わり、他にも、小型犬サイズのアリの魔獣やコウモリなど。種類も増え、必死な僕は新しい種類の魔獣が出てくるたびに、事細かに説明してくれるルルムの話を殆ど聞けていなかった。


何度か危ない場面もあったが、そう言うときはフェンリルがフォローをしてくれた。

フォローざまにフェンリルの背中にしがみつくリブの小言も飛んでくるのだが。。。





ドドドドドド 

凄い地鳴りがして、僕が慌ててそのオトのする方へ目線を向ける。

すると数名が武器を捨てこっちに向かって逃げていた。その先には土煙がごうごうと上がっている。


「たったすけてくれ!」

一番前を走っていた男が強張った声を上げる。


「どうしたんですか?」僕が駆け寄る。


「いきなり!いきなりジャイアントアントが出てきたんだよ!!お前らも速く逃げろ」


そう言って追ってきた残りと共に男達は逃げていく。


「ジャイアントアントですか……」ルルムが真剣そうに呟く。


「強いの?」

「五階のボス魔獣ですね」僕の問いにルルムが答える。緊張しているようだ。声が少し擦れていた。


「ねー!僕倒しちゃって良い-?」フェンリルが楽しげに話す。

「いや。折角良い相手が見つかったんじゃ。ここは一旦引くとするかのぉ。」リブの発言を皮切りに皆急いで撤退準備に取り掛かる。


ドンドン、ジャイアントアントが近づいてくる。

「皆乗ったー?さ♪帰るぞー!!」狼になったフェンリルが背中による僕達に声をかける………

と同時に飛び出す。

確認して無さそう………


4階へと戻る。まださっきの人たちは着いていないようだ。

「まぁあの速さなら、上手く逃げられるじゃろう。それでじゃお前さん。我から。神から。試練を与えようぞ!ルルムと二人であのジャイアントアントを倒すのじゃ!」






はい!?


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