昔はSF好きだったな
A氏はとある雑誌の新商品の体験記事を見ていた。
「さあ今日紹介する新商品はぬくぬく君です。名前は可愛らしいですが、最先端の科学技術の結晶です。こんな商品見た事が無い、だけどこんな商品欲しかった。そんな消費者にとって夢の様な商品です。使い方の難しい解説とかどんな商品なのか?の見なくてもすぐに話せば分かります」
(もったいつけないで早く機能を書いて欲しいな…)
「冷え性の方なら良く分かるのじゃないか?なと思うのですが、厚着をしても足が冷たくてすべて台無しって経験はあると思います。そんな人にお勧めのグッズです。靴自体を温めてしまえば良いじゃないか?とアイデア自体は子供の思いつきの様な商品ですが、これを実現するに今の時代まで人類は待たなくていけませんでした。どうですかね?多分使わなくても大体この商品の良さ分かるじゃないでしょうかね」
(まさに子供の玩具じゃないのか?効果はどうなんだ?)
「ただ一つ伝えきれないのが私の満足感。何に例えると分かりやすいのかな?ホットカーペットの上を歩く暖かい心地良さをアスファルトの上を歩いてて実現できます。大げさだと思うでしょう。そんな事は無いです。元々別口で尋ねた時、商品開発秘話などを研究の現場で聞いたのですが、まあすぐ出来たんですよ。ただ温度が満足いくものにならなかった。靴が熱くなっても足が暖まらないと意味が無いわけで、ここから試行錯誤が始まって苦節30年」
(おいおい最初の研究者辞めてるだろ、それ)
「大げさじゃなくて、数世代の社員が繋いで今の形になりました。何度も会社からは研究開発中止の意見が出たようですが、最初の時決定した社長さんが頑張ってくれて、後の役員達もその計画を維持してくれて今に至ったわけです」
(ほんとだったのか)
「こういうものはデメリットと言うものがあって、そういうのは大体記事しませんよね。私もしません」
(なんだよそれ!)
「デメリットがないんですよ。もちろん思いつく限りのね。まずすぐ考え付くのが耐久性ですよね。5年は保証できます。開発期間の中で、耐久テスト期間が長くて30年にそれが含まれています。ここで具体的に話さないといけないと思います。商品の写真を見れば分かるのですが、靴自体が商品じゃないです。だから靴の耐久年数のクレームはつけないでくださいよ(笑)。
靴につけるアタッチメントと言う形でですが、ものすごく小さくて靴の外見にに完全に隠れます。じゃ履き心地悪いんじゃないか?これこそ体験記事の良さです。全くそんな事が無いです。どうなってるの?と気になりますが、企業秘密だそうです。最先端の技術でまるで靴下、靴底の様な自然な履き心地になります」
(ほー)
「靴と言うのは、安物だとすぐに悪くなると感じる人多いと思います。それは靴が受ける衝撃激しいからです。この衝撃テストかなり過酷にやったそうです。サッカーなんてどう?ってアイデアが出て、サッカー選手使わないでしょ?とは思うのですが、不測の事態に備えてテストに加えられて何試合もこなしてテストしたそうです。
元々、雪山登山用の専門シューズとして始まったそうです。そのため温度テストもかなりハードにされています。靴が溶けるんじゃないの?って温度から南極北極(実際現地でテストしたわけではありません)は当然の氷点下まで行われてるそうです」
(良くこれ中止にならなかったな…)
「後デメリットとなると、そうこれエネルギーはどうなってるのか?これこそ企業秘密。これ外部からエネルギー必要ありません。一つだけ教えてもらったのは歩くエネルギーを上手く変換してるらしいです。でもそれだと履いた時事前に暖めておけるのは?何故って体験から疑問が沸きました。企業秘密と笑ってしか答えてくれませんでした。いろいろ熱を作る秘密の仕掛けが施してあるそうです」
(ようするに商品の値段だけで良いって事か)
「気になるお値段はとなりますよね。これは普通欲しくなりますよね。当初は雪山登山極限地域とかそういう専門的なものとして開発されていたので、履く車のような値段じゃないと回収できないってなってたんですよ。でもそれがすぐに大衆向けグッズとして計画が変わったためお手頃なお値段です。小売でいくらは?分かりませんと付け加えて、高くても5000円程度じゃないか?と。実際私これ買ってきたんですよ。開発秘話は別口で尋ねてついで聞いて来ただけで、今回すでに実際売ってる商品を買ったものでも試しています。そりゃそうですよ。開発用と実際が違うといわれると困りますからね。ちゃんと両者とも確認しました。全く変わりません、これが消費税込みの3000円(正確には2991円)で買えました」
(おいおい)
「計画が変わったのは低コストで作れる画期的な方法が見つかったらしく、いろいろ言ちゃって特許も取ってるし、似た方法では他社多分真似出来ないだろうなと、企業秘密を連発する開発者さん語ってくれましたけどね。
是非、ぬくぬく君手にとって見てください。いや、足にはめてみてくださいですかね(笑)」
A氏はすぐに、ネットで調べぬくぬく君を購入するため外出した。