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カレーで異世界制覇  作者: 黒犬
スパイスと出会い
6/26

ハンバーグには


 バルさんの衝撃発言後、馬車の中で地理のお勉強です。


 オイルランプに照らされた、かなりおおきな地図を教科書に授業開始です。

 

 自分達のいるのがシューネ大陸の中央辺りにいるらしいです。

 オセロの駒で現在位置を教えてもらい、シナモンがあるかもしれないバルさんの故郷に駒を置いて距離を見るとかなり離れているのが分かり軽くショックです。

 半月以上馬車かかる距離で目的地とはかなり方向が違うらしく場所をメモしながら質問していきます。


 目的地は一週間ほどの距離の貿易都市で多くの種族と貿易品が入って出て行くのでスパイス探しや情報が手に入れやすいとの事です。

 自分の股の間に座ってアムちゃんも一緒にお勉強です。

 いくつか気にある島や地域があるのでバルさんやアニスさんに聞いていきます。


 東端にあるバナナのような形の島の人達や特産品などを、

 島の名前はアマトといい、なんでも自分と同じ黒髪に顔つきも似ているそうです。

 湾曲した細い剣を好んで使うらしく、白い粒のような物が主食で豆から作った調味料があるそうです、

 冒険者時代にパティーを組んだ方が食べているのを見たそうで、これが米や醤油、味噌ならかなり状況が変わります。

 出来たら煮干や鰹節もあるといいんですが、

 メモ帳に赤でアマトを二重丸で要チェックです。


 様々な地域にそうじゃないかと思われる物も見つかり有意義な時間が過ごせました。

 アムちゃんが眠そうにしてるので今晩はお開きです。


 翌朝、朝食にアニスさんが、イノシシとタマネギのスープを作っているのを見ていたら、

 ショウガと果実酒を入れて味付けしていて、馬に飼葉をやっていたバルさん達が戻ってきたので朝食です。

 アニスさんのお手製スープを食べたバルさんとアムちゃんが自分に美味しいといい。

 今日の朝食はアニスさんが全部作って、自分は手を出していないと言うと、驚いたか顔をしてすぐアニスさんに、美味しいといいアニスさんが照れていました。


 次の村まであと2日位あるそうなので今日と明日はずっと移動です。

 移動中はアニスさんに文字の書き方や読み方を教わる事になりました。

 アニちゃんが隣に座り一緒にお勉強です。

 

 言葉は通じるので文字の読み方と書き方を一から教わる事に、幸いノートやシャープペンもいくつか持っていたのでアニスさん達にも使って貰う事にしました。

 始めは白い紙に描き込むのに抵抗があったみたいですが、描いた物を消しゴムで消すのを見せて描いても消せるので大丈夫だと説明したら、普通に使ってくれました。


 2時間ほど経ったらバルさんが馬車を止めて、休憩したらどうだと馬車を止めたので外に出たら一面の花畑です。


 「おはなさんいっぱい」


 アムちゃんが花畑の中に駆けて行きます。


 「おとうさん、おかあさん、おにいちゃんはやく」


 白、赤、黄、青、様々な色の花が咲き乱れる中を嬉しそうに駆けていき飛び跳ねて喜んでます。


 バルさんはアニスさんの膝枕で幸せそうに寝ています。アニスさんは遊んでいるアムちゃんを見ながら花輪を作ったりバルさんの頭を撫でてたりしています。

 僕はアムちゃんといろんな花を見て遊んでます。


 「おにいちゃんきれいだね」

 「うん、綺麗だね」


 いろいろ花を見ていると、さくらんぼの様な赤い実をつけた花を発見。


 「これすっぱいやつ」

 「アムちゃんこれ食べた事あるの?」

 「うん、きれいだからあまいとおもって」


 確かに綺麗で甘そうな見た目してますね。 


 「偽紅玉だな」


 いつの間にかバルさんが達がいました。


 「毒は無いが、酸味があって食べるのには向かないが見た目は綺麗だから観賞用に育てられてる花だ」

 「見た目は果物みたいなんですが不思議です」

 「ああ、だから子供の時に果物と言って食わせたり、いたずらに使われるな」


 少し気になりますね。酸味もスパイスには重要な要素なので、

 毒が無いなら試しに一つ。

 目の前の偽紅玉を口に入れ歯で噛んでみると、軽く抵抗のある薄めの皮を突き破ると中から酸味のある果汁が口いっぱい広がります。

 甘味は無いが青臭さと酸味が程よくて後を引かないさっぱりとした味・・・、


 あっ、コレ、気付くと次々と赤紅玉を口の中に入れて食べていました。

 一家揃って梅干を食べて顔をしかめたみたいな顔でこちらを見ています。


 「皆さんこれ集めて貰っていいですか、最高の夕飯が作れますよ」


 「「「・・・・えっ!!」」」


 三人とも不思議そうな顔をしていますが、すぐに皆で集めるために花を探し始めます。

 結果、木箱一杯の偽紅玉が堪りました・・・、乱獲じゃないですよね多分。


 花畑の休憩と収穫を終えた後、昼飯はアニスさんのイノシシのしょうが焼きを食べて、そのまま次のキャンプ地まで移動。


 火を掛けた鍋の中に大量の皮を剥かれた偽紅玉を入れ潰す様にしてかき混ぜます。

 

 昼飯の時に使う分は茹でて、馬車で移動に皮を剥いて置きました。

 アニスさんやアムちゃんにも手伝ってもらいかなり時間短縮できましたが、

 剥いてる時に力を入れすぎたアムちゃんがお顔に潰した赤い汁が顔に掛かり、笑ったら怒ったアムちゃんに、またもうもういいながら馬乗り殴打されました。

 アニスさんはあらあらといいながら微笑んでこちらを見てましたが出来るだけ早く助けて下さい。


 火が通りジュース状になったら、摩り下ろしたショウガ、果実酒、砂糖、塩で味の調整をして、香り付けにペイリーフ、シナモンを入れもう少し煮ます


 その間に今日のメインのイノシシのハンバーグを作ります。

 イノシシの肉を粘りが出るまで叩いて叩いて、皆さん多く食べるので多めに作ります。

 途中、洗濯や家事がおわったアニスさんが来て手伝ってくれましたが、

 両手に厚手の包丁を使い高速で叩いた肉を量産してくれましたが、少し怖かったです。

 

 後は炒めておいたタマネギ、摩り下ろしショウガ、、肉のつなぎにパン粉、小麦粉を入れて味付けに塩を入れ肉にそれを混ぜ合わせたらイノバーグのタネの完成です。


 火に掛けていた鍋もいい感じにソース状になったので火から下ろしてハンバーグ作りです。


 フライパンにイノシシの脂身を入れ油を引いたら、小判型にしたタネを入れて火を通していきます。

 いい感じに焦げ目が付いたらひっくり返して蓋をして蒸し焼きに、数分待ったら出来上がり。


 ソースを掛ける前にコレだけで食べて貰います。


 「どうぞ、イノシシのハンバーグです」


 三人ともお皿に盛られたハンバーグをパクリ、


 「「「美味しい!!」」」

 「肉汁が出てほんのりショウガの香りがあってうめぇ!」

 「叩いた肉、固めて出来たお肉がこんな食感になるなんて!」

 「おいしい、アムこれすき!」


 好評なようです、では今回のメインをもっと美味しく食べるのに必要な物を。


 自分の皿に偽紅玉のソースを掛けてみます。

 皆さん不安そうにしています。

 では一口。


 うん美味しい。ハンバーグの肉汁にほのかな酸味と甘味が加わり美味しいです。

 ソースが出来たたてなので、野菜を加えて煮込みハンバーグ風でもいいですね。

 これがあればレシピも増えます。


 最初にバルさんが自分のハンバーグに掛けて一口。


 「うめぇ何だコレ、ソース掛けたほうがもっと味がいい」

 

 残りの二人も自分のハンバーグに掛けて食べ始めます。


 「酸味があるのに甘味があって全然違う」

 「アムこのあかいほうがすき!!」


 やはりハンバーグには、この味付けが最強ですね。

 カレーなら無敵ですけど。


 皆さんの皿が空になったのを確認してから今回の種明かしをします。


 「美味しかったですか『トマト』は」


 ヨーロッパがメキシコから持ち込んで栽培が始まったナス科の植物。

栽培された当時は毒があると食用じゃなく観賞用だったがイタリアの貧困層が食べてから食用として世界中で食べられるようになった植物。


 「トマト?ケイタの所じゃ食い物なのか」

 「はい、世界中で食べられてますよ。生でも食べますし、加工してソースやケチャップにして食べ物にか掛けて食べます」

 「酸っぱい料理はいくつかあるが、これとは比べ物にならない」

 「そうね、生ならあんなに酸っぱいのに」

 「トマトは熱を加えると甘味が出てきて食べやすくなるんですよ。消毒した瓶に詰めておけば日持ちしますし」

 「すげえな」

 「日持ちまでするなんて」

 「アムとまとすき」

 「今は何も具材加えてないですが、野菜やキノコを加えるともっと美味しいですよ。チーズを加えるとコクも出ますし・・・」


 三人が同時にこちらを見る。


 「食べますか?」


 三人同時にうなずく、保存用のソース残るといいんですが、


 結局、ハンバーグのタネが無くなるまで様々なバリエーション作ることになる。

 トマトカレー、キノコ、チーズ、煮込みなど。


 どれが一番美味しいかと議論する一家を見てこの世界に争いのタネを蒔いたのを見た。




某カレーショップでのトッピングはハンバーグ、チーズ、ナスの3辛

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