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カレーで異世界制覇  作者: 黒犬
スパイスと出会い
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ママチャリとスパイスで異世界入り

「なんだこれ!!」


 バイトの帰り道に愛用のママチャリ帰宅中、

 光に包まれたと思ったら、草原のど真ん中に立っていた。

 携帯の時刻は夜の8時だが、照らしている太陽は日中の暖かい日差し。


 ひとまず現状を確認する事と、気を落ち着かすために体と荷物のチェック。

 記憶障害が無いか自分の事を確認する。


 香坂圭太、17歳、高校2年生、趣味はカレー作り、カレー屋巡り、部活はカレー研究会、ただのカレーが大好きなどこにでもいる一般人。

 よし記憶に問題は無い、次は体と荷物のチェック。


 屈伸や伸びをしてみたが体には異常なし。

 ママチャリの後ろにはバイト先で手に入れた大量のスパイスと、料理道具が入ったダンボール、

 背負っていた大きめなリュックサックには教科書と筆記用具とトランプなどのゲーム、

 帰宅途中に立ち寄った、業務用スーパーで購入した大量のカレールー、

 安売りしていた500ミリペットボトルのコーラ3本。


 学生服のズボンに入っている財布をチェック、

 大量のスパイスや食材を購入して減ってはいるが、

 お札が一万円札一枚、五千円札一枚、千円札7枚と小銭入れには硬貨がたくさん入っている。

 あとはクーポン券やポイントカードが数枚、行きつけのカレースタンドのクーポン券が、

 あと一つで全部溜まって無料になるのにと 軽く現実逃避していると遠くから獣のうめき声や遠吠えが聞こえ現実逃避タイム終了、

 手早く荷物をまとめ移動開始。


 ひとまず人がいる場所か人の通りそうな道を探す事に決め、ママチャリを引きながら移動開始。

 方向もわからずひたすら直進する事1時間ほどで道に出ることに成功したが、

 アスファルトの様な舗装された道じゃなく地面がむき出しの道が延々と続いている。

 何かいやな予感を感じつつその道を進めば人の要る所に出れるんじゃないかと、

 淡い期待を抱いていた時期もありました。


 それから4時間ほど経過し体力の限界が来て、道の脇の木陰でブレイクタイム中。

 飲み物買ってなかったらやばかったかもしれなかったと思い。

 飲み終わったペットボトルをしまい、少しボーとしたら急激に睡魔に襲われ。


 (そういえば、明るいけど深夜の時間帯だったな)

 

 と思ったらもう睡魔に勝てず夢の世界に旅立ちました。



 「きろ・・・、起きろ」

 

 体を揺さぶられる感じがしたので、すぐに起き目の前の人の顔を見て。


 「おやすみなさい」


 再び、夢の世界に旅立ちます。

 だって起こした人、人間じゃなくて犬なんですもの。

   

 とはいえ寝ていても事態は変わらないので、起きて現実を直視する事から始め様と思います。


 「はじめまして、香坂 圭太といいます」

 「おっおう、俺はバル、獣人で旅の商人している者だ」

 

 起こしていた対象がいきなり目を開けて、自己紹介を始めた事に驚いたようだ。

 言葉は通じるみたいなので助かります。

 バルさんの後ろには2頭の馬が引いてる馬車が止めてあり。 


「起こして下さって、ありがとうございます」

「いやなに、あと半日は馬車で行かないと、村も無いような所で行き倒れているから、何事かと思ってたが」

「すいません、疲労と睡眠不足で、つい寝てしまいました」

 「ここらの獣や魔物は夜行性だから危なかったな」

 

 やばかったです。いるんですね魔物。

 たぶんママチャリを引いたまま、その村に辿り付ける自信はありません。

 このバルさんよく見ると顔は大型の秋田犬みたいでかわいい顔してます、声はダンディーですが。


 「ところでその荷物はなんだ、色々な匂いが入り混じってよくわからんが香辛料のようだが」


 見た目だけじゃなく本当に鼻がいいみたいです。


 「はい、この箱に色々のスパイスや調味料や道具が入っています」

 「じゃあ料理人か、体からそんなにたくさんの香辛料の匂いする奴は初めてだ」

 「カレー関係しか作れませんけどね」


 何か少し考えた後に、


 「おい、大丈夫だ」


 馬車に向けて手招きすると、女性と女の子が顔を出し近づいてきます。

 女性はは20歳半ば位の赤い髪の少しそばかすのある美人さんで、胸も大きいです。

 女の子は5歳位で赤い髪で頭の上の方にバルさんのような犬耳、お尻には尾も付いていて、とても可愛らしいお嬢さんです。

 

 「家内のアニスで人間で娘のアムはハーフだ、危険じゃ無いと分かるまで姿を出すわけには行かないのでな」


 バルさんの手に大振りなナイフが握られているのは見ていない事にしましょう。


 「はじめまして、アニスといいます。ほらアムもご挨拶なさい」


 アニスさんのスカートの端を握りながらモジモジしながら。

 

 「アムはね、アムっていうの、おにいちゃんはじめまして」


 効果は抜群だ、犬耳幼女にお兄ちゃんと呼ばれる至福。何かに目覚めそうです。

 いけないいけない、それよりバルさんにお願いしないといけません。

 

 「バルさんお願いします」

 

 日本人らしくしっかり90度まで頭を下げる正統派スタイル。

 

 「次の街まで乗せていって下さい!!」


 三人ともぽかーんとしてこちらを見ています。こちらでは頭を下げるのはタブーだったのかもしれません。


 「いきなり立ち上がって頭下げるから、何かと思えば構わんぞ、仕入れに行くから馬車にも空きがあるしな」

 「ありがとうございます!!」

 「荷物積んだら、すぐ出発するぞ」

 「はい!!」

 

 バルさんがダンボール降ろして積み込もうしてたら自転車を片手でひょいと持ち上げ馬車に積み込み出発です。30キロ位あるのに獣人のパワー恐るべし。

 

 移動中はアムちゃんの面倒は自分が見る事になりました。

 リュックの中にコンビニで売っているマグネットのオセロがあったのでそれで遊ぶ事にします。

 小さい子でもすぐルール覚えて遊べますからね

 

 「おにいちゃんの番だよ」

 「ごめんごめん、じゃあここ」

 

 すでに5回以上ゲームしているんですが、一回も勝てないのでムキになっています。

 考えてる時、耳がピクピク動くのも可愛いです。

 

 バルさんとアニスさんは、前の方で寄り添いながら手綱を握っていて、

 かなりピンクな空気を出しているので近寄りづらいです。

 アムちゃんは次の手を考えて可愛らしく唸っている。


 「ここ」

 「じゃあ、お兄ちゃんはここ」

 「ああーーーーー!!」


 四つ目の端を取った直後にアムちゃんが絶叫あげる。

 勝負の世界は非情です。頬を膨らませながら逆転の手を考えているアムちゃんを見ながら、


 「師匠、どうも困った事になりました、どうやら異世界にきたらしいです。」


 と現状を理解しつつ呟いた。



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