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アタンドット資料

アタンドット資料1 【世界】

atandd.〈アタンドット〉

 メンコン社からリリースされたMMORPGでVRと思われがちだが実は思考融合型である。

 有線ケーブルと言う手法を用いているが、これは技術的な問題ではない。


 人間の脳と脳を繋ぐ仮称〈揺籠計画ようらんけいかく〉の残骸にアクセス成功したことから始まる。

 〈揺籃計画〉とは、終末医療の一環で末期患者の脳と脳を繋ぎ互いを保管しながら夢の世界で暮らすと言う基本骨子を持ったもので失敗した。

 失敗の原因は基本時間軸の設定をしなかった事に始まる。被験者の意思次第で時間すら遡る事が可能である。

 当然実体時間は遡れないが、実時間が流れるたびに乗数倍の時間と世界が発生し、被験者の意識を侵食し霧散させた。

 しかし、その時間軸に接触できないものも発生した。

 アバターである。アバターは被験者の世界を彩るキャストである。基本的に思考は存在し、当然時間軸にも干渉できない。夢に登場する脇役と言ったところだ。例外的に時間遡上ができると設定されたもの【時間旅行者】などは例外だ。


 このアバターたちが世界の住人になり、様々な物語が生まれた。


 この世界の住人で英雄【ガルド】の意識体に接触し、協力を得られた事が開発の発端である。


 ガルドは非常に特殊なアバターで、英雄と言う側面の他に竜王の転生体という設定を持つ。正確にはなりそこないだが。当然、実際の神話が干渉したかは定かでは無いが、このシステムにそう認識されているというのが要点である。

 つまり、ガルドは神の権能を許されている上、逆にシステムを従僕とし、使役し実世界に干渉することが出来る。

 見方を変えれば最強最悪の電脳ウィルスなのだが、人間に好意的というのが最大の祝福と言えよう。


 そこでメンコン社は第二期〈揺籃計画〉を実施する。


 第二期〈揺籃計画〉は第一期と完全に別組織によって運用されたと言っておく。


 一期の反省を踏まえ、以下の事が追加された。


 ・共通時間軸の設定

 ・被験者の裁量の限定

 ・世界の作成をメンコン社に一任

 ・被験者の安全確保


 前回の暴走の原因と目されるものは全てメンコン社に用意させた。このおかげで、ユーザーが世界に干渉しづらくなる。

 安全面を考慮して有線方式を採用。無線方式では任意切断ができないと言う観点の他、ノイズの混入などの観点からも優れているとの判断。


 極端な話。ガルドが『そうあれかし』と思うだけで世界は現出してしまうのだ。だが、メンコン社は全て既存のプログラムで作った。

 メンコン社は世界を作って、神様に同意の上でそこに住んでもらう契約を結んだのである。


 メンコン社の利益


 終末治療もそうだが、アバターの持つ能力はいわば超一流のプログラマーに匹敵する。ナビゲーターとしても現実世界に引っ張り出したいところだが、その教化が重要になる。

 ロボット三原則など基本的に持っていないのだ。そこにプログラムからの制約は難しいし、ガルドも難色を示した。

 単純な負荷なら、いずれ克服してしまう。

 不要になったからと言って、即座に抹消できるものでもない。

 そこで、アタンドットが中継局となる。

 現実世界に疲れたアバターの帰る場所を用意し協調を教える。教えられなくても、現実世界を希望するものだけで十二分に賄える。

 アバターはコピーが容易で、ホロンはそのテストケースだ。

 劇中でもその活躍は見られると思う。

 ホロンも等級が存在し、最上位がガルドだ。

 アリューシャやミシャラダが元の世界からの輸入品なのは精神がある程度成熟した固体として選ばれた背景がある。基本的に彼女達は自分の人生を裏切れない。人間のように。


 当然これだけで十分な成果のなのだが・・・


 メンコン社は今や巨大企業だ。アタンドットだけでもその運営は多岐に渡る。当然営業部も存在する。あれば良いだけのゲームでも、その顧客数は営業部の成果と判断される。

 その他の部署でも、アタンドットシステムの有効活用は模索している。

 風俗産業への進出もその一環である。


 元々、そのシステムの基本骨子から痛みの削除は難しいが、色々な思惑の上で残されることが決定された。


 ただ、アバターは情報生命体とも言える存在。それを搭載するかも意見が分かれている。


 ここまでも情報を総括すると、夢を見させるプラグラムというのがアタンドットの正体である。

 そこに矛盾点が無いようにプログラムと多数の観察者によって常に現在進行形で作られている。

 劇中での主人公はメンコン社に取って得がたい存在で、異常な観察力はそのまま世界のクオリティアップに貢献する。


 まだ開発中のゲームゆえに当然想定外のバグも生じた。


 主人公の操るキャラクターの装備が移動した一軒がそうだ。

 先ず強力すぎるアイテムをガルドが観測データとして位置付けた。キャラクターの産毛や指紋などがそうだ。

 有るのが当然だが、アイテムとしてはカウントされない。このレベルのアイテムは実はユーザーが無意識に作っている。

 そこに主人公が前後不覚に陥る。

 取得アイテムを忘れてしまう訳だ。

 更に最悪なことに主人公は戮丸・次郎坊のダブルキャストである。

 次郎坊で製作したアイテムを、戮丸で『あるはずだ』と思い込んで作成してしまった。

 これがアイテム移動の顛末である。

 それに気付いたガルドが対処はしたが・・・例外中の例外のケースと言っていい。


 スキルの正体

 実はユーザーが無意識に作っている。正確にはその感覚を持っているユーザーが『そうあれかし』と望んでしまう結果である。

 ただ、常軌を逸してしまう代物はシステムがスキルとして制約を掛ける。

 【アクセル】【キャンセル】はその作ってしまったシステムをアンロックした結果である。

 当然主人公の体術もスキル化の憂き目に会うのだが・・・現行のシステムで再現可能なので、負荷が生じないのである。


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