狙われていたユウ
辺りには夜の帳が下りる10時頃、俺は、自分の部屋で悩んでいた。ユウの事だ。
突然、俺のスマホがなり出した。
一時期、さらに、ハイテクなケータイがあったが、セキュリティなどの問題で無くなり、今ではまた、スマホが主流になっている。
俺は急いで画面を確認した。
氷華からだった。
そのまま電話に出た。
『ゴウ!緊急事態!』
『ど、どうした』
風見乃さんが、黒いスーツを着た人に追われていたの!』
まさか、ユウも狙われていたなんてあの時、言おうとしていた事に何か関係があるのかわからないが、ユウが危ない事は確かだ。
『今、何処にいる』
『廃工場だよ』
『分かったすぐ行く』
と言い、電話を切り急いで支度をし、部屋を飛び出し
『いってきまーす』
と言い家を飛び出した。
俺は全力で走り、廃工場に向かった。
夜風が俺の頬を撫でた。
5月の夜はまだ肌寒い。
俺は走り続けた。始めは肌寒かったが走っていたら、心地よくなっていた。
俺は考えていたあの時、言おうとしていた事と関係があるのかを。
廃工場の付近まで着いた。
『おーいゴウー』
氷華の声がした。
それにすかさず、剣が注意した。
『気づかれるだろう静かにするんだ』
『はぁはぁ、着いたぞ、ユウは?』
『あそこの廃工場の中だ』
『それじゃあ、行くぞ、強行突破だ』
俺達は、走って廃工場に向かった。見張りをしていた3人に見つかった。
『闇の剣』
剣の手には黒い禍々しい光を放つ剣が現れた。剣の得意技の闇の剣だ。
そして、剣は闇の剣を構えた。
氷華は弓を構えた。
『俺の力を見せてやる!』
『やってやるぞ』
『かたずける』
3人の黒いスーツの人達は、構え同時に炎を繰り出した。
『火炎』
だが、剣の前では無意味だった。
剣は突撃していき、ダークソードで3つの炎を一気に真っ二つにして、消した。
そこにすかさず、氷華は弓を構え、
『氷の矢』
氷の矢を立て続けに3本放ち、3人を一気に仕留めた。
そのまま、廃工場の中に突撃したが、敵は全て倒れていた。
ユウは最後の一人と戦っていた。
だが、ユウは押されていた。
ユウに炎が命中し、ユウは、吹っ飛び、壁に激突し、ユウは呻き声を上げた。
『うっ』
『これで終わりか!風見乃 ユウ!』
『くっ』
見ていられなかった。
俺はとっさに叫んでいた。
『おい、てめえ!ユウにこれ以上危害を加えるな!』
一人残った黒いスーツの人が言った。
『こっちは仕事なんだ!邪魔するな!』
俺の中で何かが切れる音がした。
『ぜってーゆるさねーぞ』
俺は叫んだ。
黒いスーツの奴は言い返した。
『随分な物言いだな』
と言い、異能を放った。
『激しい火炎』
俺は攻撃を受け切った。
『その程度でユウを狙うのか』
と、言い黒いスーツの奴に向かって走っていった。
『ふざけんなー!ぶっ殺す!うおぉー』
黒いスーツの奴の頬を渾身の力で殴りつけた。
黒いスーツの奴は吹っ飛んだ。壁に激突した。
『ぐはっ』
俺の怒りはこのままでは収まらない。
俺は力を込め、放った。
『炎』
ものすごい業火が立ち上がろうとした黒いスーツの奴を襲った。
『ぐ、ぐあああぁ死ぬぅやめろぉ仕事の邪魔をしやが』
敵は断末魔と共にチリものこさず、消えていた。
だが、そんな事より、今はユウの元に駆け寄った。
『ユウ!大丈夫か?ユウ!』
ユウは消え入りそうな声で、
『ごめんなさい。あなたに話して無かった事がありました。こういう事が2〜3日に1回あります。でも、今回の組織の人達は強かったみたいです』
ユウは目を閉じた。
『ユウー』
俺はユウを抱きしめ泣いた。後ろで剣も氷華も悲しそうな顔をしてたが、俺は泣き続けた。
もう、1時間はだっただろうか、
俺はあること思い出した。
『病院に連れて行かないとな』
俺は急いで病院に向かった。剣と氷華も急いで付いてきた。