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小説を書こう!  作者: 小説家の集まり
第三回 テーマ:憎めない人
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テーマ:憎めない人 "ドジは治らない" 作者:友達(ry

禁則事項:ツンデレ


あれ? これ主人公軽いツンデレじゃ……

 白い天井、白い壁、窓の外から見える青い空。

 なんだか、嫌でも穏やかな気分になってくる。病院の個室とはこんなモノなのだ。

 別に休んでる分のワークをやらなきゃとか、下手すれば出席日数足りずに中学のくせに留年とかそんなことは考えていない。と、いうか考えたくもない。

 なんというか……、ヤツが居ないだけでこんなにも日常って静かになるんだな……。

「やっほ……」

 俺は無言で布団に潜り込む。

「あれ? いないのかな?」

 よしよし、俺は散歩だ、散歩に行っている。そう勘違いしろ……

「わかった! あまりにも病院の暇な生活に飽きて脱出したんだね!」

「ちっがあああああああああああああああああああああああああう」

「あ、舞い戻ってきた」

 どう見れば戻ってきたように見えるのか、舞い戻るという表現は適切なのだろうか、そもそもこいつは本気でこんなことを言ってるのだろうか?

 ……いつもそうなのだが、こいつの思考回路に対して考えるとキリがない。

「舞ってないから」


 現在、大腿骨あたりの骨を粉砕だが複雑だかの骨折して、入院中。

 そして仲の良い幼なじみがお見舞いに来てくれた。

 事実だけを述べればこんなに充実している。

 だが──現実は甘くない。


「手術大変だったでしょ? どう? マッサージでもしてあげよっか?」

 そう言うなり、返答なんか聞かずに俺の足を揉み出した。骨折した方の。

「はぐああぁあ!!?」

 この女は俺に殺意でも持ってんのか!? 刺客なのか!?

 と、思うくらい痛かった。

 だけど、それも当然なわけで。

 原因は

「あ、ご、ごめんね? つい、うっかり忘れてた」

 この幼なじみなのであって。

「じゃ、体でも拭いてあげよっか?」

「いいよ、自分でする」

「じゃぁ舐めて……」

「変態だ! ここに変態がいる!!!」

 もう考えたくないくらいの天然なのだ。

 おかげで怪我は慣れているし、病院の院長とは顔見知りになった。意味ないけど。

「じゃ、枕だけもらっていくね~」

「さっきから軽いノリで変態行為を繰り返すな!」

「あれ? ちゃんと頭洗ってる? 髪の毛が結構落ちてるよ?」

「人の話を聞け!」

「んもぅ、じゃあお花に水あげて帰るからね!」

「ああ、ありがとうな」

「え? あ、ああ、気にしないでよ。私が悪いんだし……さ」

 花の水を取り替えるとアイツはそそくさと部屋を出て行った。



 今は三日月をのんびりと眺めているが、やはり綺麗だ。

 四六時中太陽や月を見ていると、心がだんだんと穏やかになっていく。

 穏やかになりすぎて自殺しそうだ。

 あれ? まてよ? ここ六階だったな。

 よし飛び降りよう!

 ……

 待て待て待て待てマテマテ待て待てマテマテ待て待て

 暇過ぎて頭がおかしくなってきたようだ。

 月は人を狂わせるとは、よく言ったものだな……。

 やはり穏やかすぎるのも考えものだ。

 こんなときにでもアイツが来れば……

「添い寝してあげるー!」

「帰れ!」

 なぜ俺の心が読めた!?

「なんで心が読めたのか気になってるんでしょー」

 え? マジで読んでたの!? ヤバい、無心になれむs……

「そりゃあ性欲が貯まる周期くらい私にも分かるよー」

「……ちがうから」

「へ?」

「っち が う か ら !」

 柄にもなく大声で叫んでしまった。

 相手が女子なのもあるのだが……

「も、もう知らない!」

 それでも、俺は言いすぎたのだろうか? 

 そうでなければこのモヤモヤは何なんだろうか?

 天然相手に罪悪感を抱くなんて、俺はアホなのだろうか?


 アホな考えを早く捨てて、一人、布団に潜り込んだ。



 次の日、日が登っても沈んでも、アイツが現れることはなかった。

 なんとなく、売店へ菓子を買いに行こうとしたら、

 アイツが、いた。

 ドアの外で、独りで、座っていた。

 独りで。

 たまたま、向の部屋から出てきた看護婦さんがこちらに気づいた。

「ああ、その子ね。昨日の夜から、ずっと座ってるの。何があったかは知らないけど、中に入れないんだってさ」

 よくみると彼女は眠っていた。膝を抱えて。

 そう、彼女は悪くないのだ。むしろ可哀想なくらいの。

 だからこそ、そこが愛おしいのだ。

「ごめん……ね? もう骨折なんてさせないから、そばにいさせて……」

 微かに聞こえた寝言は、素直すぎる感情だった。

 分かってた。でも、恥ずかしかった。

 とにかく、

 好きだった。

「わーったから、俺はオマエのことが好きだ。お前もそうなのか? ま、いいか」

 そう呟いて、ベッドにあった毛布を彼女の背中にかけた。


「あったかい」

 その言葉を寝言かどうかは、面倒なので確かめなかった。



「よかったねー! 退院だって!」

「もー危険な場所でははしゃぐなよ?」

「はーい!」

 すっかり足の骨折も治り、ギブス程度でどうにかなるくらいまで回復した。

 だが。

 アイツとの帰宅、それが俺の最大の試練だ。

 まぁ、アイツとなら、ヒマだけはしなさそうだな。

「ありがとうございました~」

「お大事に~」

 担当の看護婦さんと挨拶を交わして、外へ出る。

 暫くのんびりと歩いてると、急に、アイツから声をかけてきた。

「ねぇ」

「うん?」

「ケータイ買ったんだよ。アドレス教えて!」

「ん、ああ、赤外線通信だっけ? できる?」

 あとはケータイを暫く弄って、アドレスを交換した。

「お、オマエこれ……」

「「〇〇君ぺろぺろ」 私らしくっていいでしょ?」

 アイツに対して後ずさりをする。

 たまたまそこが歩道の橋で、ちょうど車道に出てしまった。

 見計らったかのように軽自動車が通りがかり……

 俺は、吹き飛んだ。










 結局肋骨三本で済んだ。

 それよりも、心の傷は永遠に治ることはないだろう……

ふぅ。


シリアスが苦手なので短くするという対応策を練りました。

主人公の性格を「ツンデレ」から「保護者」っぽくしてみました。

禁則って、かいくぐるものですよね?


……とまぁ、実際はそれも技量のうちだと思う友達です。

今回は参加者があまりいないとか……。

まぁ、自由ですしね-_-


リア充ネタは極力避けています。

何故か? 答えは簡単

殺したくなるから☆

今日だって独りで勉強してたのにリア充どもは教室でキャッキャと多人数で勉強……

妬ましい妬ましい。


by.アドレスはリアルに「〇〇ぺろぺろ」な友達。

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