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ワナにハマる

甲上は取調室の前で大きく息を吸った。

「準備いい?」

桜木が聞く。

その手には剣が握られていた。

「うん」

甲上は桜木の目を見てから、取調室の扉を開けた。

クゥンマと机を挟んで座る。

クゥンマの横には桜木が立った。

「監査官の甲上です」

思ったより落ち着いてる自分に気づく甲上。

「甲上!

お前の父親が裏切ったところから計画が狂ったんだ!

あの時、リアン王を殺し損ねなければ!」

思った通りボロを出した。

興奮が抑えられないクゥンマに桜木は剣を向けたままだった。

リアン王を殺すのは、4年前から計画されていたらしい。

この証言があれば、現カイル王を訴えられる。

いや、引きずりおろせるかもしれない。

あとは伊竜が王の座につけば、こちらの思惑通りだ。


取り調べを終えた、二人は慰霊碑の前にいた。

「今度は私に協力して下さい」

慰霊碑を念入りに掃除している桜木に甲上が言った。

「なに?」

「私の質問に答えてください」

「質問?」

「密かに何か調べてるそうですね?」

「…」

桜木は黙り込んでしまった。

「また、何か重大なことを調べてるなら…!」

「別に国に関わることじゃないよ」

桜木は鼻で笑った。

「なら、あなたにとって重大事案なのですか?」

その質問に桜木は手を止めた。

「輝夜を殺したのはカイルの人間じゃない」

輝夜(かがや)とは殉職した伊賀崎(いがさき)少将のことだ。

桜木の恋人でもあった。

そして、神矢(かみや)と合わせて3人は天才3人組と言われ、将来は神矢か伊賀崎のどちらかが元帥になると言われていた。

桜木の話に思わず、言葉を無くす甲上。

「それは、本当ですか?」

後ろからいきなり声が聞こえた。

入澤(いりさわ)少将だ。

入澤は年下の伊賀崎の船の副船長をしていた。

甲上はこの桜木と入澤の間のことをいくつか聞いたことがあったのだった。


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