ルナーリア
パンパンパン!
ヘイが両手を叩きながら、軽快な音を鳴らせる。
「風呂に向かいますよ!
二人とも、行きますよ。」
シロとクラコの手をつないで、ゆっくりと整備された山道を登って行く。
「西日が眩しいですね。」
「そうだね!ヘイ」
「そうでありんすね~」
シロとクラコは、これまでにどんな鍛錬方法をしたのか、話し合っていた。
そこで、初期の魔力操作の鍛錬の話になり、道中行っていた。
それは、ヘイの魔力を流され、それを押し返すものや。
魔力に同調し、自らの魔力に還元するといったものである。
「この道、魔獣が良く出るんでありんすが…」
「大丈夫です。私の技をくらって生き残れる生物は、片手で足ります。」
「それって、さっきの七転八倒ってヤツ?」
「that's right」
「え?え?なんて?」「なんてありんしょう?」
「その通り、と言う意味です。
着きましたよ。
王族専用露天風呂」
三人は、暖簾を上げて入った。
その暖簾には、獅子の絵が刺繍され、地面に付きそうなぐらい長かった。
服を脱いだ後。
三人とも髪を纏めて、かけ湯をしてから太陽が沈む前に、風呂に入った。
シロとクラコがお互いを讃え会いながら、次の戦いが楽しみだと言っていた。
そんな、二人を眺めながらヘイは、湯舟から上がった。
先に髪と身体、最後に肌のお手入れがあるからだ。
ヘイ自身は、肌の手入れは面倒なのだが、ある存在によって、やる様に契約させられている。
今夜は、満月。
その存在が顕現する日だ。
「満月かー」
「どうしたでありんすか?」
「いや~なんて説明したらいいのか、考えてる」
「なんの話でありんすか?」
「まあ、見たら分かるか。
ヘイのところに行こう」
二人がヘイの居た所に行くと知らない人が居た。
銀髪に青と赤のオッドアイ。
しかも、彼女が瞬きすると左右のオッドアイの色が入れ替わる。
銀髪には、黄金の光が生まれ漂う。
「誰でありんすか?」
「私も分からない。
名乗られたことないから。
ヘイと共生してるらしいよ」
美の女神様は、綺麗でありながら身近に感じる声で、
「ルナーリアと申します。
言いにくければ、ルナと」
クラコは、大きな胸を見て一言。
「反則級でありんすね」
「Gは、あるわね」
【星浄なる月の領域が展開されました。
黄金領域に浸食、、、確認。
二つの領域は、星浄なる黄金月の領域となりました】