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詩集:青空なき獄中の記

背中の疵

作者: 歌川 詩季

 背中の傷は、恥とよく言いますが。

 (かお)(きず)なら 鏡が知っている

 胸の疵なら 誇りが知っている

 (はら)の疵なら 性根(しょうね)が知っている

 背中の疵は 過去が知っている


 斬りかかられてから

 背を向けたのなら

 つけられた疵を おのれで恥じろ



 (かお)の疵なら 鏡に映ってる

 胸の疵なら 誇りに刻んでる

 (はら)の疵なら 性根(しょうね)に響いてる

 背中の疵は 過去が憶えてる


 背を向けてから

 斬りかかられたのなら

 つけられた疵は やつらが恥じろ



 後ろ指さされて 標的にさだめられた

 後ろ髪つかまれて 振り返るのも許されず

 後ろ手に組まされて (あらが)いを封じられた

 後ろめたさも 後ろ暗さも無いのならば

 正面から口上述べて 姿を晒せばいいものを


 背を向けてから

 斬りかかられたんだ

 背を向けてから

 斬りつけられたんだ

 つけられた疵を 恥じるのはおのれではない

 つけられた疵を 恥じるのはやつらのほうだ

「逃げ傷」とは、限りません。


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【企画提案】
立花 優先生
― 新着の感想 ―
[良い点] 「青空なき獄中の記」の詩集、今日からだったのですね! つけられた疵、おのれかやつらか、おのれは何者か! [一言] 更新楽しみです。
[良い点] いよいよ、投稿開始ですね。まずは、ポイント稼ぎましょう。レビューもします。 [気になる点] 無 [一言] 無
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