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重蔵さん頑張ってます(仮)  作者: りがじい
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9話 アンの心変わり

翌朝

重蔵は少ない荷物を持って孤児院へ向かうことにした


孤児院へ到着すると子どもたちが歓迎してくれた

「重蔵今日からここに住むんでしょー?」

「じゃあ僕たちの部屋ねー」

「だめだよ、僕たちの部屋だよー」

「私たちの部屋ー」


ワイのワイの嬉しいこと言ってくれる

「ほら!重蔵が困ってるでしょー!」

「まだ、お掃除終わってないんだから手伝ってきなさい!」

とアンが仕切りフフン、どうよ!みたいな顔をしていた


シスターが来て

「重蔵さんが来るからか、昨日どこかから帰ってきてから急に態度が変わったんですよ」

というシスター

「これからずっとあの調子でいてくれれば助かるんですけど」

「重蔵さんお昼まだでしょ?用意してきますので後ほど」

とシスターは言い食堂へ行ってしまった


食堂へ向かうと、アンが調理場に立っていた

シスターのお手伝いかの

そうしているとアンが料理を持ってきた

「はい、重蔵おまたせ」

シチューとパン、うまそうだ

モグモグモグ

具が結構ある、困ってはなさそうなんじゃな良かった


隣にアンが座り

「重蔵おいしい?」

「こりゃうまいの、アンが作ったのかの?」

という重蔵に

「ううん、あっためただけ」

ガクッ、違うんかい

「料理は今勉強中よ〜」

そう言って勉強中の子どもたちの所へ行った


今度はシスターが向かいに座ると

「アンったら前はあんなことしなかったのに」

「重蔵さんが来るとなってから急に張り切りだしちゃって」

アンの気持ちは、重蔵が来るというのもあるが昨晩のことが大きかった

重蔵の人柄に感銘を受けてから心変わりしたというのが真相だ


「重蔵さんはどの部屋にしましょうか」

「今部屋は全部使ってしまっていますが、ベッドは余ってるんですよね」

「あの、もしあれでしたら私の部屋でも…」

最後は声が小さくて聞こえなかった


外へ出ると子どもたちが遊んでいた

ふむ、サッカーを教えるかの

実は前にそう思ってまん丸の革袋をみつけていた

空気を入れて口を結ぶ

ちょっとイビツだがこれでいいじゃろ

「おーい」

子どもたちを集めてサッカーを教える

まあそこまで正確なルールを教えても意味はないし、とりあえず枠内にボールを蹴り込んだ者の勝ちくらいで

そして全員でボールを追いかけ回していた

まあ最初はそんなもんか

その内将棋やらオセロやらを作るか

インドア派もいるしね


そして、日もくれ始めた頃

子どもたちも走り回って汗まみれだし風呂に入ることにした

「重蔵洗ってあげる〜」

「重蔵洗って〜」

わし大人気うれし

「重蔵は私が洗うから、いいから」

ん?これはアンの声?

振り向くとスッポンポンのアンが立っていた

「ほら、重蔵背中洗ってあげるから」

複雑な気分で洗ってもらうと

「重蔵はモテなさそうだからねえ、女のコにこんなことしてもらったことないでしょ」

ぐぬぬ、言ってはいかないことを

「しょうがないから私が大きくなったらお嫁さんになってあげるよ」

なるほど、小さい子どもかよく言うあれかぁなんて軽い気持ちで

「そかそか、そりゃ嬉しいのぉ」

と返事をしてしまった

「本当に!嬉しいの?」

なんかはしゃいでいた

湯船につかるとアンも隣りに来た

なんか近くない?

腕まで組んできたけど、まな板なので変な気分にはならなかった

「でも本当に重蔵がいてくれて良かった」

「重蔵がいなかったら私もこの子たちも多分生きてかなったよ」

腕をギュッとしてきたけど、まな板なので変な気分にはならなかった

「さて、先に出て夕飯の手伝いしてくるね、重蔵はゆっくりしてて」 

ザバーっと湯を出て歩いていく後ろ姿を見て

尻が小さいの、もう少し食べないと安産型にならんな

そう思う重蔵だった

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