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重蔵さん頑張ってます(仮)  作者: りがじい
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4話 孤児院を作ろう

この町へ来てから2ヶ月が過ぎようとしていた

すっかり狩りにも慣れ、稼ぎもぼちぼち

子供たちも空腹の苦しみからから解放され元気を取り戻しつつあった

だが、相変わらず住むところがなく路上生活は変わらないため、目下住まい探しが課題である

20人も住むとなるとある程度の大きさは必要だし、これから増えることもあるだろうしお世話をする人も必要になるだろう


兎にも角にもお金が必要だ


とりあえず冒険者ギルドにアドバイスをもらいに行く



今では冒険者ギルドで重蔵はちょっとした有名人だ


とにかく汚い、そしてちょっと臭う


かなり稼いでいるはずなのに身なりを整えず貧相な姿に、皆が皆不審がっている

当然パーティーなどには呼ばれない

稼ぎは住まいのためと、子供たちの食費で自分のために使えるお金はほとんどないことを知る者はいない



「孤児のための住居を探しているのじゃがなんとかならんかの」



ギルド受付の女性に話しかける

名前はマリーどの

22歳の可愛らしい猫耳の獣人さんだ


この国は差別をあまりしない

全くないわけではないが、辺境ということもあり色々な種類の者が住んでいる



「そうですねぇ、国の支援は期待できませんし…」

「重蔵さん1人で世話するんですか?」



「身の回りを世話する人もいると助かるんじゃがのぉ」



「しかし、奇特なかたですねぇ」

「この町で他人の世話する人なんていませんよ、実力主義で自己責任、個人主義ですから」


しばらく考えている様子で


「あ、そうだ教会に頼むというのはどうでしょう?」

「寄付という形で支援すれば、世話もシスターに頼んでみては」



この国の国教は“キリフト教”というらしい

他の国には“イム教”というのもあるらしい


なんか見たことがあるようなないような?


そのままだと門前払いされそうだと言うので紹介状を書いてもらい、場所を教えてもらい向かうことに


少し歩いた場所にそれはあった

かなり小さめの建物で、あまり利用している人はいないようで閑散としている



「もしー、どなたかおらんかのー」



声をかけると1人の女性が出てきた

修道服?に身を包んだ大人しそうな30くらい?のスリムな器量良しさんだ


「何か御用でしょうか?」


名前をベルと名乗った


子供たちがここで寝泊まりできないか、それをお世話できないか、その費用は出すことなど説明をすると


「なんと素晴らしいかたなのでしょう」

「是非お手伝いをさせてください」


聞けばずっと気にしてはいたが、満足な支援もなく自分だけで精一杯でとても世話をできる状況ではなかったと


「ここではなんですので、中へお入り下さい」


ここはベルさん1人のみで、たまに司教というお偉いさんが来るだけ 


よく見るとシスターはスリムというより痩せているという感じであり、中はかなり簡素なたたずまいであった


「おにぎり食べるかの?」


突然の申し出、聞いたことのない食べ物の名前に不可思議な顔をしていると重蔵はおにぎりを取り出し


「はい、どうぞ」


では折角なのでと言ってはいたが、その目はキラキラしていた

やはりお腹が空いていたのだろう、あっという間に平らげていた


「非常に美味しかったです、食べごたえがありますね!」


やはり米は正義


「まだまだあるから遠慮なく」


ポンポンっと2つ皿の上に乗せると、遠慮はしていたが食べる勢いはすごかった


「中に入っているお魚がまた大きくて、とても美味しいです」


中身はシャケ

満足してもらえて何よりじゃ



さて本題に移る

まず、20人あまりの子供たちが住むとなると教会で食事や睡眠をするわけにもいかず建物を別に建てる必要がある

幸い土地はあるので、あとは箱物をどうするかということ

土地は国のものなので許可は必要だが、それはこちらでなんとかするということ

自分の物も買わずためていたのでお金はなんとかなりそうだ

ギルドで建ててもらえる人がいるか聞いてこよう


夕飯にと更におにぎりを2つ置いてお別れした


ギルドへ戻り受付のマリーに相談すると


「そういったものなら、購入ならば商業ギルド、建築なら鍛冶ギルドだと話がスムーズに進むかと」


なるほど、餅は餅屋か


早速まずは、商業ギルドへ向かうことに

教会に近い場所に安い物件があればそれで良いし、相場を知る意味もあるしの


さて商業ギルドには来たものの、やはり重蔵は目立つ

勿論、悪いほうでだ

とても商業に関わるような感じでもなく、お金とは無縁の様相だ


「家について聞きたいんじゃが、ここでいいのかの?」


「はい、購入、賃貸はこちらで承ります」


受付の女性の名前は長くてわかんなかった

歳は30くらいで眼鏡をかけ、落ち着いた感じのやはり器量よしさん


聞くと、土地は国のものであり個人所有できるのは貴族だけ、平民はその土地や建物を借りることしかできないためギルドのみがその手続きができるという

借りてしまえば、何を建てても何に利用しようと勝手だが返す際の原状復帰は借りた人がしなければならないこと


「こちらでは住居の販売もしていますので、必要であればこちらで手配致します」


「ちなみにいかほどかの?」


ピンからキリまであるが、普通の一戸建てで大体金貨10枚くらい、現代で1000万くらいか

勿論材料を良くしたり、大きくすればもっとかかる


アパートタイプであればその2,3倍はかかるだろうと

それは職人たちとの打ち合わせで決まるため一概には言えないと


どちらにしても、教会の土地の許可がないと話を進めても意味がなくなってしまうし、お礼を言って帰ることにした


シスターさんにも相談しないとの




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