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重蔵さん頑張ってます(仮)  作者: りがじい
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21話 歓迎

日も暮れる頃

ワイワイガヤガヤとギルドへ向かう集団


ギルド食堂は貸し切りになっていた

到着すると、テーブルの上には様々な料理が並んでおりドワーフの酒も用意されていた

こりゃ嬉しいのぉ!


すでに溢れんばかりの人がいて、懐かしい顔も見かけた

テスタのギルドマスターや一緒に戦った人々や成長した子どもたちもいた

「本物だー!生きてたんですね!本当に良かった!信じられない!」

様々な声が聞こえてきて対応できない


ユリはしっかり重蔵の腕を掴んでいた

「ほらほら、重蔵さんが困ってるでしょ、席につきましょう」

席につくと言っても全員分の椅子はないため立食形式だが重蔵のところだけ椅子があり

重蔵とユリ、アンとサラ姫だけが座る


「さあさあ、固いことは抜きにして食べて飲んでください」


ドワーフのお酒飲みたいのぉ

しかし、ひっきりなしに人が話しかけてくる

そして人がどんどん増えてきて、ギルド内からもはみ出す勢いだ


ユリは驚きを隠せないでいたし、悲しい気持ちにもなっていた

私の知らない重蔵、知らない重蔵を慕うこれだけの人の中に自分がいない

疎外感の中、重蔵を取られるという不安とこれだけの人が慕う重蔵を独り占めしていいのかという不安と

なんとも言えない気持ちで泣き出しそうだ

みんな嬉しそうにしてる中、悲しそうな顔をした自分がここに居ていいのか


「この子綺麗じゃろ、わしの大事な人だから仲良くしての」

「あの勇者パーティーにもいた猛者だからの」


重蔵が紹介すると一気に質問攻めに

「さっきから気になってたんだよ!本当に美しい」

「お嬢ちゃん勇者パーティーにいたのかい!」

「重蔵のなんなの?」

「彼氏はいるんですか?」


重蔵が見えない目でウィンクしてるのがわかった


「何その下手なウィンク」


クスっと笑いながら

「私は重蔵の将来の奥さんよ!悪いけど重蔵以外は興味ないので!」

いつもの元気なユリに戻った


「さあ飲むのじゃあ」

ジョッキを手渡す重蔵

「うん!飲むわよ重蔵!」

ゴクゴクゴクゴク


ありゃりゃ、大丈夫かいの


そこでまたサラ姫とアンが参戦してきた


アハハハ


「重蔵さんも罪な男だねー」

みんなが痴話喧嘩を見ながらからかってくる

「重蔵さんは私みたいな物静かな人がタイプよね?」

シスターもこっそり参戦


笑い声の絶えない場と化し、静かな町でどんちゃん騒ぎのギルドに野次馬も集まってきて衛兵まで出てくる始末

そこはサラ姫の一言で事なきを得た


「キーッ!重蔵の浮気者ー!」

ユリが絡む

「結婚するって言ったのにー」

アンが泣いてる、酒を飲むと泣き上戸になるらしい

「それでね、重蔵書類にはこれとこれと…」

聞いてもいないのに騎士団に入るための書類の書き方を説明するサラ姫

「重蔵さんは私みたいな物静かな…ゴニョゴニョ」

同じことを繰り返すシスター、それさっき聞きました


そのうち酔いつぶれる者、帰る者、まだ騒いでる者もいたが段々と落ち着いてきた


「ほりゃ帰るぞい」


シスターは子どもたちのこともあり先に帰っていたがユリとサラ姫、アンはまたグースカ眠っている


まあ、いっかこれで静かにお酒が飲める


そこにテスタのギルドマスターがやって来た

「しかし、よくぞ生きててくださった重蔵どの、改めてお礼を申したい」

「あの後、このアンペアで魔物を迎撃しようとしていたが結局魔物たちが来ることはなく1人の犠牲も出さずに済んだのは重蔵どのが踏ん張ってくれたお陰だ」


「自分で最良だと思ったことをやったまでじゃ」


頭を下げるギルドマスター

あれからテスタの町は放棄したままで、調査などもしていないらしい


さて、そろそろ帰るかの

ギルドマスターに別れをつげ3人を起こす


「ほりゃ帰るぞーい」

眠い目をこすりながらも起きた3人を連れて宿屋へ帰るのだった


もたれかかるんじゃない、1人で歩くのじゃ

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