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重蔵さん頑張ってます(仮)  作者: りがじい
17/34

18話 再会2

バーン!


勢いよくギルドの扉が開く


ツカツカツカっ


「重蔵を今日は見たかしら?」


凄みながら受付の女性に詰め寄るのは、サラ姫である

報告書が来たのは1日遅れ


「本日は見かけておりませんし、来訪の予定もございませんが…」

「至急呼び出してちょうだい」


この帝都ギルドでは普段泊まっている宿の住所を登録しなくてはいけない

指名依頼もあるためである


「依頼という形に致しますか?」

「ただ来いでは拒否される可能性も…」


うーん、本人じゃなかったらサラという名前出しても誰?ってなるし

本人だとしても名前を忘れているかもしれない

というか忘れてたら泣きそう


そうだ

「テスラ出身ということで騎士団幹部が話を聞きたいでいいわ」

「畏まりました」


1人の男が走っていった


男が宿屋に着いた頃、重蔵はユリと遅めの朝食を取っているところだった


「重蔵さまでしょうか?」

「ほえ?そうじゃがどなたさんだったかの?」

「私ギルドの者ですが…」


説明を始める


テスタの話は重蔵も聞きたかった話だ

住民、特に孤児院のみんなは無事だったのか色々聞きたい

重蔵は快諾した


「そういえば重蔵はテスタでなにをしてたの?」

この話はまだしていなかった


「私も聞きたいから一緒に行くわね」


朝食を終え、着替えてギルドへ向かう2人


トビラを開けて受付へ向かうと


「重蔵!!」


見たことのある顔が見えた


「おお、久々じゃのぉ姫さんか」

「覚えてくれたのね、うれしいわ」


手を掴んで涙を流すサラ姫に


「この方はどなたかしら?」

ちょっと顔を引きつらせながらユリが聞いてきた


「私は、この帝都で騎士団の管理官、並びに第3王女のサラと申します」

「先のテスタ撤退の際に非常にお世話に…」

などと言っていたが、そこで言葉がつまり泣き出してしまった


「失礼致しました、私はこちら重蔵のパートナーのユリといいます」


とりあえず奥の部屋へ移動して色々話をする

テスタでの生活を知るユリに、ユリとの生活を知るサラ姫


「重蔵テスタでも死にそうだったの?」

というユリと

「重蔵そんな昔も死にそうだったの?」

というサラ姫


何故そんな状況でも生きてるのか、何故見た目が変わらず歳を取ってないのかなど

あれこれ言っていたが、孤児院の話になった時に


「孤児院のみんなはアンペアという街にいるわよ」

サラ姫はいまでもアンとたまに手紙のやり取りをしているようだった


「アンは今でも重蔵が生きてると信じてあの街で待ってるわ」


「行ってみる?もし行くのなら私も行くわ、アンに会うのも久しぶりだし」


サラ姫を見ていたユリがピーンときた


この人の、重蔵を見る目が普通じゃないわ

この目は恋してる目だわ


ジー

これはあとで問い詰める必要があるわね


「それじゃ1週間後に出発でいいわね、楽しみだわ」

サラ姫はニコニコしている

「夜は何か用事はある?食事でも一緒にしない?」

「もちろん娘さんも」


ピクーん!!

むすめだってー?

「あの勘違いされてるようですが、妻になる予定ですのよ?オホホホホ」


聞いたことのないユリの話し方に重蔵が振り向くと鬼の顔があった

鬼がきたー!


「え?だって赤ちゃんの頃に育てられた…」

「ええ、でも血はつながってませんしお互い愛し合ってますし」

「え?もうそういう関係に?」

と顔を赤らめるサラ姫


「あ、いやそういうのはまだだけど、これからする予定で…ゴニョゴニョ」


ははーん、さてはまだまだだな

と感じたサラ姫も


「はっきり言って私は重蔵をお慕い申しております」

「謙虚で、困った人を見過ごせない優しい心、そして自分を犠牲にして他人を守るあの姿を見て惚れないわけがないわ」

「あら、重蔵のことをよく見てるわ、わかるー」


なんかわかんないけど、強敵と書いてトモみたいな感じになったっぽい


その後3人で飲みに行ったが

なんだかんだと仲が良くなったみたいだ


その2人を生暖かい目でみつめる重蔵であった




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