17話 サラ姫は
16話がどこかに消えてしまいました
いつか書きます。
ー翌朝
朝チュンなどもなく
相変わらず重蔵はベッドから落ち、ユリは落ちかけながら耐えている
「いたた、首が痛いの」
重蔵が先に起きた
しかし、なんでこんな寝相になるのやら
経緯は
まずユリが重蔵に抱きついて寝る
ユリがまだ小さい頃、よく腹の上で寝ていたのでその癖が出て腹の上に乗る
重蔵が苦しくなり寝返りをしながら逃げるが、ユリもしがみついてまた腹の上に乗ろうとする、逃げるの繰り返しで重蔵は落ちユリはそれを耐えて落ちかける
そのうちユリも起きてきた
「いたた、背中が痛い」
しかし、何故こんな寝相になるのかしら
「おはよう重蔵」
「おはようじゃユリ」
朝食を取っていると
「そろそろ仕事しようかの」
「えー、まだいいわよ30年分甘えさせてよぉ」
「お金の心配はないわ、私が養ってあげるから」
うわぁ、ヒモだ
「そういえばユリはレベルいくつなのかの?」
「うーん、最近見てもらってないからギルド行かないとわからないなぁ」
「この帝都に来たときは250くらいだったかな?」
うーむ平均がわからんし、基準もわからん
っというか、他の人には自分のステータス見れんのかの
このウィンドウみたいなものは、わしだけ?黙っておこ
ちなみに重蔵のレベルは800を越えていた
テスタ防衛でかなり狩ったからのぉ
途中で力尽きたはずだけど…
「何考えこんでるの?」
ユリが覗き込んできた
「じゃあ、鑑定しにギルドへ行きましょうか」
「その後はデートね」
スキップで部屋へ戻っていく
「しかしキャラが変わったよなぁユリさん」
周りの声が聞こえる
「なんであのチンチクリンと」
という鋭い目線も感じたので、そそくさと自分も戻る
ギルドへ到着
人はそこそこで、身なりのいい冒険者ばかりだ
ここは最前線からもっとも離れた中心都市
ここでのクエストは主に公の依頼であり、受けるパーティーもそれなりのランク、報酬も多いのだろう
「さっさと鑑定しちゃいましょ」
鑑定をしてもらうとユリのレベルは351
勇者は確かランクSだったのぉ、いくつなんじゃろ
「重蔵も早くしちゃって」
重蔵も水晶玉に手を置く
まあ知ってるんだけどね
「800?!」
受付の女性が声を出した
「重蔵800もあるの?!」
「何をしたらこうなるのよ!」
あらぁ、面倒くさくなるのかのぉ
聞くとあの勇者でも500程度で、当然上がれば上がるほど必要経験値も多くなるため500でも驚異的数字なのに…と
「あのぉ、このレベルに見合ったクエストがあるのですがぁ」
受けの女性が依頼書を見せてきたが
「これからデートだからまた今度ね!」
っと重蔵の手を掴み、足早にギルドを出る
遠くから受付さんの声が聞こえた気がした
受付さんがマスターに報告する
誰もやれなかったクエストを完遂できそうな人が現れたと
「やっぱり強かったんだなぁ、勇者でも手も足も出なかったんだし当然か」
これはあの方にも報告しておいたほうがいいな
あの方とは騎士団筆頭統率管理官サラ
そうあの姫さんのサラだった
テスタ撤退の指揮を取り、住民に1人の犠牲も出さなかった功績から、軍部関係の仕事についていたのだ
そして今では軍部の最高職まで上り詰めていた
コンコン
「入れ」
「失礼します!ギルドからの報告書を持参致しました!」
あら珍しい、あのマスターからだなんて
報告書を読むとサラの目が見開いた
「え?うそ?重蔵?」
いや、まさか同姓同名?いやこんな変な…いや変わった名前が2人といるわけない
机に塞ぎ込みなら大泣きを始めた
「生きてた…生きてた…重蔵…会いたいよ」
今すぐ会いに行こう!本人かどうかも確認してあの時のお礼を言いたい
最初は歩いていたが、そのうち小走りになり
気持ちを抑えきれず走り出してしまった
「重蔵〜あなたの姫が今行くわ〜」
揉める予感しかしない