14話 お泊まり
「あ〜重蔵生きてたよ〜重蔵うえええええんうわああああん!」
「ユイ」
頭を撫でるしかない重蔵、泣き止むまでずっと頭を撫で続ける
グスグス
「宿屋帰る〜重蔵も同じ部屋ね」
「同じ部屋のぉ」
宿屋はさすが勇者パーティーといった感じだ
「私の部屋に1人追加するからその料金にしておいて」
「はい、畏まりました、失礼ですがお名前を」
「重蔵よ」
「はい、では重蔵さまいらっしゃいませ、ごゆるりと」
「じゃあ重蔵いこ!ふんふんふーん」
「重蔵早く〜2階ね〜ふんふんふーん」
「今のユリさんだよな?全然雰囲気かわったな、可愛いな」
「あんなに笑ってるユリさん初めて見たよ」
周囲の声がする中
勇者がギリギリと歯ぎしりをして2人を見つめていた
「く!なんだあのちんちくりんは!クソ!ユリさんとキスだと……羨ましい」
ユリの部屋では
「なんか睨んでたのがおったの」
「あー、あのポンコツ?なんかことある事に誘ってくるけど無視よ興味なし!」
「じゃあお風呂入ろ、重蔵」
「ああ、入っておいで」
「一緒に入ろうよ何年ぶりだと思ってんの」
「えー?さすがに昔と違うじゃろ」
「私が平気なら平気でしょ?背中流してあげる」
「そか、じゃあ背中流して貰おかの」
「うん!」
「ゴシゴシゴシゴシ重蔵の背中が小さく見えるんだねえ」
「あのちっちゃいユリがこんな立派にのぉ、わしは5年ほどしか育てておらんからあまり役には立たなかったのお」
「なに言ってんの!私、重蔵のあの時戦ってくれてた時ずっと見てたんだよ!私たちが渡り切った時に重蔵こっち向いたらさ……いっぱい矢が…………いっぱい矢が重蔵に刺さってさ…………ずっと叫んでた」
「みつけて、拾って、育ててくれて自分のことよりいつもわたしのこと、命までかけて助けてもらってさ、恩を返しきれないよ」
「そか、わし役に立っておったか」
「そうだよ!私、重蔵大好き!」
「だから見られても全然平気!ほら!見て見て!」
「自分で言うのもなんだけどこのスタイルなかなかだと思うのよね」
「ほほーユイはすごいのぉ」
「えへへー重蔵〜ムラムラした?手を出してもいいんだよ?」
「ノーサンキューじゃ」
「な、なんだと……このユリさんがフラれた」
「なーんてじゃあ今度ね」