ルシアは、少し赤くなりながら
ルシアは、少し赤くなりながら
「ううん、その、ラキアは、ラキアで
その・・うん、面白い・・・友達かな」
なぜか言葉につまりがちに
目を伏せながら、言うのでした。
その様子を見て、ラキアは、まさか。
ルシアは僕のことが好き?
いや、ただ、恥ずかしそうにしているだけで
決め付けないほうがいいよな。
ラキアは、気づかないふりをして、
「僕にとっては、君は可愛い妹みたいなものかな」
笑いながら言いました。
そして「アルバは、親友さ。」付加えました。
ルシアは、なぜか赤い顔のまま、目をふせて・・
「そうなんだ・・妹か・・うん、それでもいいかも。」
小さな声で寂しそうに言いました。
ラキアはその様子を見ながら、困ったなと
思う一方で、可愛いなと思う自分がいましたが
アルバのことを考えて、さて、どうしようと
思うのでした・・
***
そんなある日、スクールの帰りに、アルバは
同じクラスのマリンに呼び止められました。
マリンは、紫の瞳で紫の髪です。アルバと
同じ夕焼け人です。笑顔が可愛い小さな女の子です。
時々、わからないところを教えてあげることもあります。
割りと仲良くしているクラスの女の子です。
そのマリンがもじもじしながら、「アルバ、あの、その
私・・・あの・・・これ食べてください」と
クッキーをいきなり
手渡して、逃げていきました。
返事をする間もなく・・
ぽかーんとしながら、走り去るマリンを見送りながら
手にクッキーの袋をもってたたずんでいました。
「アルバ、どうしたんだ?」ラキアが声をかけます。
ルシアもいっしょです。
急にルシアを見て、どきどきしましたが
ラキアのほうだけを見て「マリンがくれたんだ。
クッキーだよ。いっしょに食べようか」
そういうと・・
ラキアがわかったという顔で・・
「マリンは、そうか・・アルバが・・うんなるほど」
ルシアも「まぁ、すごい。アルバ、」といいます。
何がすごいんだと疑問に思ったとたんに
気づきました。マリンは、僕に恋してる!
僕のルシアに対する態度とそっくりだった・・・
どうしよう。僕はルシアに恋してる!
だから、マリンの気持ちにはこたえられないよ・・
どうしよう。
あ~~でも、はっきり好きと言われたわけでもないし
うん、そうだよ。こんな僕を好きと思う人がいるなんて
信じられないし・・・
その日の夜・・・
ラキアが「マリンのことは、どう思ってるの?」と聞いてきます。
***
ラキアにマリンのことを聞かれて
改めて、考えているアルバです。
しばらくして「マリンのことは、その
ルシアを見たときみたいに、どきどきしないし
ラキアに対する気持ちと同じかな。仲が良い友達として
見ていると思う。たぶん。でも、マリンは、もしかして
僕のこと・・」そこまで言うと、考え込んでしましいました。
ラキアが「きっとマリンは、アルバに恋してるね。
でも、なんか、いいな。みんな恋してる。僕も誰かに恋をして
詩を書きたいな・・・なんてね」笑いながら言いました。
ふとルシアのラキアへの態度を思い出しましたが、あわてて
忘れようとしていました。
するとアルバが「やっぱりそう思う?困ったな。
僕は、ルシアが好きなんだ。マリンのことは好きというより
仲がいい友達なんだ。友達として好きなんだよ。僕にとって・・どうしよう」
困った様子です。
「でも、ルシアも、もしかしたら僕に対して、仲が良い友達って
思っているのかな・・あ~~あ、うまくいかないよ」
嘆くアルバです・・
ラキアが「恋模様だね~う~~ん。お互いにそれぞれ
両思いになるといいのにね。しかし、無理か・・」
「こういうのって一方通行って言うんだよね。うん」
のんきに話しながらも、考えるラキアです。
「ラキア、そんな人事だと思って・・
あ~~もう、ラキアも好きな子ができたら
わかるよ。きっと」アルバがため息をつきながら
言いました。
聞きながら、ラキアは、なぜかルシアのことを
考えている自分に気づきました。
あれ、僕は、妹みたいにルシアを思っていたはずなのに
ルシアのあの態度を見てから、少しおかしいぞ。
僕って、もしかして自分に気がありそうな女の子に対しては
いつも、気になってしまうタイプなのかな?
あ~~だめだめ、アルバが好きなルシアを好きになるなんて
親友失格だから、考えないようにしよう。それに僕は
ずっと、ここに居ることはできないんだから。などと
考えているラキアです。




